第1話 神さまにクレクレ
「はろー 私、神さま。おわり」
コケテ起き上ったら、そこは…自己紹介された。お約束的なまだ「知らない天井だ」フラグを立ててすらいないのに。辺りは雲の中にでもいるかのように真っ白だ。
「大丈夫。神さまの世界におっこちてきただけだから、色々いじった後に元の世界に蹴こむから!」
もしやこれはありがちな「クレクレ展開」がくるのでは…?
「それで与える宝具は何がいい?聖剣?魔槍?最近は銃やミサイルもあるよ?」
なんというかマシンガントークだ…そこは別にいい…
「よくぞ聞いてくれました!宝具はもちろん俺のこの肉体!頭の先からつま先に至るまで!」
「おっけー。じゃT○Loveるのヤミちゃんっぽくしたよ」
「もうやっちまったのかよっちょっと待て!それはなんだか違うくないか?」
「ふふふ。お願いは必ずしも思い道理にかなうわけじゃないんだよ…」
まずい。そんなものがバレたら即刻実験場行きな気がする…
「じゃ、じゃあおまけで愛機をくれ!」
「おっけー。じゃ真っ白なキュベレ○もつけちゃった。さらになーんと今ならお得なおまけに…どういじろう…?」
「おぉう…少なくとも拳が真っ赤に燃える機体が良かった…それから、超能力とか」
「おっけー。じゃ手をつかわなくても鍵とか開けられる能力にしたよ。楽しみだよねー」
「今時は、自動車とかでも手を使わなくても鍵が開けられるのに…くっあとは何か補助的に…!」
「おっけー。じゃキューべ○を補助につけちゃったよ。ますますはっぴー?」
「やばい!死亡フラグがどんどん増えていっている気がする…!」
というか、まともにお願い聞く気ないよな?それにいじるって、もしかして俺いじめられ役?
それに主導権を取らないとまずい。完全なネタキャラと化してしまう。ここは一か八かをかけて主導権だけでもとらなくては。
「最強で、不老不死で、俺の理想とする美少女にしてくれ。理想ゆえに、そう妄想を完全に創造する力すら持った感じで!」
さすがにクレクレの度合いがでかすぎたか…?
だがこれも作戦の内だ。これを無理と言わせたうえで、難易度が低い俺の希望を通すのだ!
「なーんだ。最初っからそう言ってくれてたら楽だったのに。じゃそれもいこう!」
「え!?」
お願いは必ずしも思い道理にかなうわけじゃない…と思いたい。
「ちょっとまっ…!」
「じゃいってらっしゃーい!」
ゲシッ
…そして世界は暗くなる…zzz
…くっ下手な交渉術より何も言わずにおまかせにした方がいい結果になっていたかもしれない…