表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青薔薇の悪役  作者: らぶ
1/2

1話 思い出す記憶

これはアルファポリスで投稿し出した作品です。基本的にアルファポリスで投稿しようと思います

「やめっ!」


 男は片手で僕の腕を拘束し、もう片方の手で用意してただろう縄でベッドに僕の腕ごと縛りつける。


 こんなことは初めてだった

 今まで使用人たちは、真冬に水をかけてきたり、ご飯を食べさせてくれなかったり、殴ったりして日頃の鬱憤を僕にぶつけたりしていた


 両親は僕を嫌っている

 それをずっと見てきた使用人たちは、転ばせるなど軽いいじめから始まりどんどんエスカレートしていき今では殴る蹴るは日常茶飯事だ


 だが、今までこんなふうに押し倒され腕を拘束されるのは初めてだった

 気持ち悪くて必死に抵抗する

 そしたら、足が男の顔に当たった

 次の瞬間男は僕の顔を思いっきり殴った


 痛みと一緒に何かが流れ込んできた


 そして「俺は」思い出した

 前世の自分のことを


「・・・・・・」


 突然何も言わなくなった俺に男は一瞬動きを止めるが、また動き出し俺の服のボタンを外していく


 だが、俺はさっきまでとは違う

 無力で抵抗できない子供じゃない


 腕を縛ってた縄を魔法を使い炎で燃やす


「何で魔法が使えるんだ?!」

 男は叫ぶ


 まぁそうか、今までの俺は魔法を「使わなかった」んだから


 縄を燃やしたあと俺は足を曲げ、男の溝を思いっきり蹴る

 男はうっと溝を押さえ俺から離れる


 俺は素早く起き上がり男の後ろに周る

 そして、男が振り向いた瞬間俺は相手の顎の下を狙い右足で首を蹴る


 男は頭から後ろに倒れて気絶した



 俺の前世の名前は0(ゼロ)、殺し屋だった。元は日本に住んでたが色々ありアメリカで殺し屋になった

 まぁ他にも思い出したことがあるが今度にしよう


 もう立ってるのもきつい

 これだから魔法は使いたくないんだ

 頭がズキズキするし、さっきから上手く呼吸ができない


「はっ・・・はっ・・・」

 やばい、どんどん意識が遠ざかっていく


 倒れる瞬間誰かが部屋に入ってきた気がする







「はぁ・・・」

 嫌な顔を隠しもしない俺に

「ごめんってば、今度埋め合わせするから機嫌直してよ。」


 友人のフランツは手を合わせて謝ってきた

「謝るくらいならこんなこと二度とするな」


 夕方仕事が終わり食事の時間まで読書しとこうと本を開こうとした瞬間いきなりフランツが部屋までノックもせず入ってきた

(ノックをしないのはいつもだが)


「お願いだ明日一緒に茶会に出てくれ!」


 そのあとは引っ張られるように連れてこられた


 俺に何を言っても不機嫌なのを隠さないとわかってるフランツはもう言ってこない

 さすが小さい頃からの付き合いなだけある


「ちょっと知り合いに挨拶してくるわ」

 フランツがいなくなり俺は壁によって目を瞑る


 俺は夜会は嫌いだ。媚びへつらう貴族どもばかりだからだ


 ピクっ


 何だこの魔力の匂いは・・・


 甘いけど花のような香りではなく

 香水が嫌いな俺でも大丈夫な、それよりも好きな香りだ


 辺りを見回して見るが、あいつじゃないこいつじゃない・・・一体誰だ?


 ん? あれは、ドルー伯爵か、その後ろにいる子供からさっきの魔力の香りがする


 8歳か?


 その子供は伯爵の後ろに俯くようにして立っている


「おーい、なーに見てるのっ?」


 フランツが戻ってきた

「ドルー伯爵じゃんあの人の噂有名だよねー。あれ、知らない? あの人女癖が悪くてね、最近では男まで手を出し始めたみたいだよ」


 フランツが言うなら本当のことだろう


「けど、彼がどうしたの?」

 フランツは俺が伯爵を見てたと思ってるようだ


「違う。伯爵の後ろにいる子供の方だ」


「子供? ああ、あの子ね」

「知ってるのか?」


「クラン・ドルー10歳。ドルー家の嫡男で母親は亡くなっており、今は腹違いの弟と後妻の4人みたい。で、それがどうしたの?」


 フランツは俺が魔力の匂いがわかることを知っている数少ない友人だ。俺は魔法を使いフランツの頭の中に直接自分がなぜドルー家の息子のことを見ていたのかを伝える


「へぇ、だから見つめてたわけね。」

「見つめてない」


 即座に訂正を入れる

「いやいや見つめてたって。まぁ、気づくのは今ここにいる中では僕くらいだろうね。・・・気になるなら今度伯爵家に行ってみたら?」


 半分冗談で言っているだろうと気づいてはいるが、


「そうしよう今度伯爵家に行って彼と話して見る。」

「えっ、ガチで行くの? まあいいと思うけど。」


「そうか、なら俺は準備があるので帰るとする。」


 そう言い俺が帰ろうとすると


「おい、お前なら準備なんかすぐできるだろ。待てってば」


 フランツは俺の横に並んで付いてくる


「帰るのか?」


「何のためにお前連れてきたと思ってるんだよ。」


「女よけだろ?」

 俺がそう言うと

「この会話前もしなかったか?」


 そんな何気ない会話をしながら馬車に乗り込む


「で、本当にドルー家に行くの?」


「ああ、それがどうかしたか?」


 フランツはちょっと考え込んだ顔をした

「いや、ドルー家には他にも噂があってねーー」


「・・・使用人がそんなことを。伯爵は何も言わないのか?」

「それが、伯爵はクラン君とは血が繋がってないんだ」

 は? どう言う事だ?

「クラン君のお母さんは他国の人でね、まだ10代のその娘に惚れ込んだ伯爵が無理やり結婚したそうだよ。でもその時には他の人との子供がお腹にいたそうで、それがクラン君何だ」


 俺は理解した。でもだからって、愛した人の息子だろ


「だから、伯爵はお前の嫌いな人種だろ、いつもだったら顔を合わすのすら嫌がる相手だ。それでも行くのか?」


「行くに決まってる。てか、そんな感じならクランを、俺の養子にするか」


「待って待っていくのは予想してたけど養子って大丈夫なのか?」


「ああ、あの子は魔力が多いし大丈夫だろ。」

「簡単に決めていいのかよ・・・」



 まぁ、そんな会話をしたのが1週間前

 俺は今ドルー家に来ている。


 客室まで向かってる途中のことだった


 ピリッと魔力の香りがした。この前とはどこが違う香りに俺は急いでその香りのした場所に魔法を使い向かう


 ここからか、俺は扉を開く


入った瞬間俺が見たのはクラン君が倒れる瞬間だった


「っっ!」

ぎりぎりキャッチする


クラン君の服は乱れていて手には縄で縛った跡がついいて、近くには男が倒れている

何があったか理解した瞬間俺は男を殺しそうとした。が、今ここで殺しても男は全然苦しまないのでやめた


扉がガチャッと開かれ伯爵が入って来た


「それはっ!」

伯爵はクランを見て慌てる


「伯爵」

俺の冷たい声に伯爵は怯える

「単刀直入に言います。今日私はクラン君を養子にさせて頂けないか話に来ました。」


「えっ」と伯爵は驚いた顔をする


「こちらが契約書です」


俺が渡した書類を見た瞬間


「こんなに?! 本当にこれだけの額を。どうぞクランを養子にして下さい」


想像通り伯爵は契約書に書いてある額を見てクランを養子にやることを承諾した


「ではそう言うことで。後ほど私の従者が契約に関しての手続きと、そこの書類に書いてある額をお送りします」

俺は丁寧にクラン君を抱き上げる

・・・軽すぎる、それに10歳にしては小さすぎる。どんな食事をしてたんだ

また怒りが湧き上がる


俺は馬車に乗り込み屋敷へと向かう


ちゃんとクラン君を見て見ると服で隠れるところに切り傷や痣がたくさんついてる


「もっと早く来れなくてごめんな」

眠ってるクラン君に言う


そして、屋敷に着くまで俺はクラン君を眺めていた




ここまで読んで下さりありがとうございます。これからも頑張ります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ