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童話

夢の中を旅する、ようせいチットちゃん

作者: 山本大介

 チットちゃんは夢を旅します。

 

 アタシは夢の中を旅するようせいチットちゃん。

 みんなが寝静まった星の輝く夜に、翼を広げて空を舞うの。

 星明りの下、すうっと息を吸い込み、目を閉じるよ。

 すると、ほらっ、みんなの夢が見えてくるの。

 さぁ、今日はどの夢を旅しよう。

 

 まずは、たかし君からね。

 へぇ、楽しい夢が怖い夢になりそうね。

 みんなと遊んでいて、一人はぐれちゃったのか、大丈夫だよ。

 チットちゃんが手を差し伸べるよ。

 ほら、あたかいでしょ、アタシの手、さあ、こっち、こっちと走りだす。

 森を抜けると、ほら、草原でみんなが手を振っているわ。

 もう大丈夫だね。

 バイバイたかし君。


 次は、碧ちゃんね。

 大人になった夢かあ、小学校の先生いいね。

 大人ってチットちゃんも憧れるね。 

 教壇に立つ碧ちゃんの凛々しい姿、とても似合っているよ。

 きっとその夢叶えてね。

 アタシもそうなるよう願っているね。

 碧ちゃん、ばいばい。


 大翔くんね。

 ひとりぼっちの夢は寂しいね。

 チットちゃんが一緒に遊んであげる。

 ままごとに砂遊び、追いかけっこ。

 ね、誰かと遊ぶって楽しいでしょう。

 アタシとまた遊ぼうね。

 バイバイ、大翔君。


 さきちゃんは、泥んこ遊びの夢に夢中だね。

 ようしチットちゃんも泥んこしちゃうぞ~。

 ぴかぴかの泥のホットケーキに、おまんじゅう。

 ぺちっと泥を投げれば、水面に波紋が広がるよ。

 夢の中で思いっきり楽しもう。

 アタシも面白かった~。

 また、遊ぼうね。

 さきちゃん、ばいばい。


 さあ、あの子の所へ行こう。

 ・・・ヒロシくん。

 ずっと悪夢にうなされている。

 きっと今も怖い夢を見ているはずよ。

 チットちゃんはヒロシ君の夢の中で襲いかかる魔物を聖剣エクスカリバー(夢の中では何でも出来るのよ)で斬り伏せるぞ。

 ヒロシ君に振り返って笑顔でサムアップね。

 大丈夫、なにも怖くないのよ。

 眼前にブラックドラゴンが大口をあける。

 しゃらくさい。

 大魔法ファイアストーム!。

 アタシは魔法でドラゴンを焼き払うわ。

 ね、楽しい夢を見よう。

 魔王が究極の一撃を放つ。

 チットちゃんはヒロシ君に手を差し伸べるよ。

 ぎゅっ。

 ヒロシ君が握り返す。

 やったね。

 掴んだ手と手はあたたかい。

 もう、大丈夫かな、うん、大丈夫。

 くらえっ!オーバーザレインボーっ!

 七色の思いが魔王を消滅させるわ。

 ねっ。

 みんなヒロシ君の笑顔が大好きなんだよ。

 そうそう、その笑顔。

 ありがとう、ヒロシ君。

 

 さぁ、空が白んできた。

 チットちゃんは帰る時間ね。

 またね。

 翼をはためかせて上空にあがるよ。

 眼下にはみんなの街。

 大きく手を振るわ。

 アタシは夢の中を旅するようせいチットちゃん。

 今度はあなたの夢にお邪魔するかもよ。

 


 チットちゃん・・・どっかで聞いた名前だなと・・・「少年ア〇ベ」のスガオ君の彼女でした(笑)。

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― 新着の感想 ―
[一言] 悪夢から助けてくれるのは嬉しいですね〜。 チットちゃん頑張れ!
2023/12/29 08:51 退会済み
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