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多分、鉢合わせ

交通ルールを破らない範囲で自転車を飛ばす。一応息子のスマホにメッセージを送りはしたが、きっと見ないだろう。通知は切ってるだろうし、そもそもブロックされている可能性がある。最後にちゃんと返事が返ってきたのはいつだろうか。

 さっきから逃げる人たちとすれ違うが、息子の姿は見当たらない。もしや別ルートで引き返した? そもそも駅前方面に向かっていなかったのかもしれない。

 ドゴォ。

 怪物の暴れる音が聞こえる。建物の間から怪物の頭が少し見える…ん? 何かこちらに飛んでくるような…

「うわぁぁ」

 ドン。

 目の前にあのテレビで見た魔法少女が飛んできて、すぐそばの塀に激突した。

「痛ったぁ」

 え? 大丈夫なの? すごい音したしすごい速度で飛んできたけど。

 私が心配する一方、少女はすぐに体勢を立て直す。全く怪我をしていないようだ。

「いっぺー! いい加減に…」

「ごめんにゃん。ちょっとミスったにゃん」

「ちょっとミスったって、そんなんで許されると…」

「あのぉ」思わず声をかける。ピンチなのかもしれない。

「え、はい…ってえ? あ、アノ、ドウカサレマシタカ」

 少女がこっちを見た。うん、やっぱり似てる。加工カメラで色々いじった後みたいだけど娘に瓜二つだ。実物はもっと似てる。

「魔法少女の方ですよね、いつもありがとうございます」

「ア、アリガトウゴザイマス

 やけに片言だ…かなり焦ってることがわかる。これはもう確定だろう。

 娘は今隣の駅前の塾に行っていることになっている。

「自習室行ってくるね。施設費の元取ってくるー」

 自習室だから本当に行ってなかったとしてもわからない。つまり彼女が今この場にいたっておかしくない。

「もしかして今ピンチなんですか? 応援呼んだ方がいいですか?」

 魔法少女はそれぞれ担当する地区がある。けれど担当だけで対応がしきれない場合、隣の地区などから応援を要請することができる。魔法少女たちは必死に戦っている最中なので要請を実際に行うのは魔法少女のピンチを感じた一般市民であることがほとんどだ。今見た感じだと私の他に人はいない。娘(仮)のピンチなら母親の私が助けなければ…

「ダイジョウブデス。アナタハニゲテクダサイ」

 そういうと彼女はものすごいスピードで走り去ってしまった。

 

 ああああああ!

 なんで母親がここにいるんだよ!

「やばかったにゃんな。あれはバレるのも時間の問題にゃん」

「うるせー無能猫! 大体お前が『あ! 五百円玉!』なんて言わなかったらあんなところに飛ばされることもなかったんだよ! 要すれば鉢合わせることもなかったのに…」

「しょうがないにゃん。見つけちゃったんだもの。ちゃんと拾ったから安心しろにゃ…あ! これ新五百円玉だにゃん!」

「どうでもいいわ!」

 もう疲れてきた。

「あーもういい。後三秒で終わらす」

「やっと本気出したにゃんか。早くするにゃ。後十分で『魔法少女⭐︎土倉•魔暗』が始まっちゃうにゃん」

 なんかすごい物騒なタイルなアニメだな…

「魔力、最大出力」

 懐中時計が光る。

「時空制御!」

 周りの音は消え失せる。全てが止まる。

 巨大な熊に接近する。

 残り二秒。

 熊の両目を力ずくで潰す。

 残り一秒。

 なんかむしゃくしゃしたからついでに鳩尾を殴る。

 残りゼロ秒。

 世界に音が戻る。熊が動き出す。突然潰れた目に混乱しているようだ。そこに、トドメの、

「マジカルキック!」

 力を込めて熊を蹴る。熊は倒れた。

「終わったにゃぁ」

 いっぺーが一仕事終えたかのようにため息をつく。お前何もやってないだろ。

「後処理は清掃班がやってくれるはずにゃん。取り敢えず今は帰ろうにゃん! ドグマグが始まっちゃうにゃん!」

「おお、そうだな…」

 人気のないところで変身をとく。いっぺーは色んなところに連絡していて忙しそうだった。

 それにしても今日は焦った。まさかあの姿で母親と鉢合わせるなんて…まだバレてなくても時間の問題だ。用心しなければ。

 マジカルキックってマジカル要素なくね? 完全に物理攻撃じゃね? と思いながらいっぺーと家に帰った。

 

 魔法少女⭐︎土倉•魔暗 まほうしょうじょどぐら・まぐら

 日曜夕方に放送中のアニメ。主人公のモヨ子は恋人「お兄さま」の記憶を取り戻すために謎の妖精と契約し、敵を倒していく。子供向けアニメのようだが内容は重く、鬱展開だらけ。熱狂的なファンが一定数いる。

続き書くかわからないから裏設定


魔法少女のホログラムでどのような姿になるのかは、変身者の考える「理想の英雄像」に依存する。

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