To the awakening and battle end
ヴェーネムの槍がライゼンの首を貫く瞬間
「光古代魔術<ルメ・アーク> 光の球<レルク・プリフェシオ>」
ライゼンの体を半球上の光が覆う
ギギギッ!
半球上の光と槍が触れた瞬間に槍ねじ曲がっていく
「だ 誰だ!!!」
「早乙女 楽郎」
視界の端にステラさんとアリスラさんが見えた
2人とも無事みたいだ
こいつらは全力で叩き潰す必要がありそうだが
「はぁ 何言ってんだクソガキ」
ヴェーネムが光の球から槍を引き抜こうと力を込める
「あんたがリーダーか」
「だったら何だ
このクソガキが!!!」
ドドドドッ!!!!
ヴェーネムの足 腹 両肩 右腕に穴が空く
「え」
古代魔術を習得して驚いたのは
現代魔術の精度と威力が上がり
コントロールが今までより楽になったことだ
ステラさんの凄すぎる術式を使っても人殺しにならなくて済む
熱線の術式の札をかざす
「ば ばかな
何をした」
ヴェーネムが地面に倒れこむ
「容赦はしない」
俺は刀を鞘に入れたままヴェーネムの頭をたたきつける
「がっ」
ヴェーネムは完全に意識を失う
「てめぇ!!!」
男3人が俺に向かってくる
後ろの男2人が銃に似た魔具<ガイスト>で炎魔術と頑強な石礫を撃ちだす
「歯を食いしばれ
手加減は出来そうにない」
感情が高ぶっているせいか無限に魔素がわいてくる感じがする
無意識に新しい古代魔術を発動してるのかもしれんが
そんなことはどうでもいい
ただ こいつらが憎い
「光の球<レルク・プリフェシオ>」
俺の体を光の球が包む
男2人が撃った炎と石礫が光の球に触れた瞬間にねじ曲がって地面に落ちる
「ば ばけもの」
「あんなの見たことねぇぞ」
「ひるんでんじゃねぇ 数だ
結界は俺と4人で何とか維持する!
こいつを叩け!!!」
「楽郎!!!」
「楽郎っ! 逃げてその数は」
結界内でステラさんが俺の名を呼んでいる
だが今の俺なら
「光刀<レルク・カルラーテ>」
刀を抜き刀身に光を纏わせる
「そんな貧弱な剣で何が出来る!!」
「聖なる風の刻印<ヴェル・フェルターブ>
我が撃鉄に宿れ」
「憤怒纏いし雫の火花<ヴォルゲナー・ラインドロフ>」
男達が一斉に炎と風の複合魔術を放つ
だが光の球を触れた瞬間に霧散して消える
「くそ 何なんだあの光は」
俺が裏路地の日陰に入った瞬間
パァンッ
光の球を消す
意図的に破裂したように
実際に日陰に入った瞬間
俺の溢れ出てくる魔素の量はかなり減っていたが
維持できないほどではない
「へへへっ 魔素が切れたか?
チャンスだ
やっちまえ お前ら!!!」
男10人が一斉に剣を構えて斬りかかってくる
俺は1歩だけ下がり日の当たる箇所に戻る
「へっ 怖気づいたか!!!」
男3人が剣を振り下ろす
「光の球<レルク・プリフェシオ>」
男達の腕ごと光の球で包む
「ぐがぁっ 腕が 腕がああ!!!」
「そ そういうことか
お前ら 下がれ!!!
あいつは光の下でしかあの技を使えねぇ
遠距離から攻め続ければ魔素切れで戦えねぇはずだ」
「残念だったな」
前衛を務めていた男3人の足を刀で切った直後に
下がろうとしていた男4人めがけてヴィスターブの爆風で距離を詰める
「はやっ」
「失せろ」
熱線の術式の札をナイフのヴィスターブと持ち替えて
男達の足と肩を射抜く
「ぐがっ ギャッ」
「た 助けてく」
男が口を開いた瞬間に
俺は熱線の術式で男の腹部を穿つ
「ぐがあああっ」
それと同時に結界が割れ
バァァァリィィィィン!!!!
結界に蓄えられていた魔素が大気中に飛び散っていく
「こ こんな奴がいるなんて聞いてないぞ
何をした 何なんだその魔術は!!」
「お前は俺のステラとアリスラに手出した
当然の報いだろ」
刀に再び光の魔素を纏わせる
「待ちなさい」
「楽郎 悪いけど」
「へ?」
「「こいつらだけは私がやる!」」
ステラさんとアリスラさんがはもると
「星霊術・星征陣<ロクス・アステラ>」
ステラさんが立ち上がり惑星魔術を発動する
「ちょっ」
「よくも楽郎の前で膝付かせてくれたわね」
「職人の手を戦いに使わせてくれたねぇ」
ステアさんが惑星魔術で男を文字通り叩き潰す
死んでないかな あれ
アリスラさんが炎を纏って巨大化した大槌で男4人を叩き飛ばして地面に張り付ける
他人の体があんなに飛ぶのを見たのは初めてかもしれない
などと感心しつつ
「―――あの
流れ的に最後は俺が決めるとこじゃ」
「仕方ないでしょ」
「仕方ないわ」
「「年上の女の意地って」」「やつかしら」「やつさ」
「...仲よくなったようで何よりです」
ステラさんとアリスラさんが視線を交わして笑う
「さてと あとは衛兵にでも引き渡して」
「おっと そいつは任せときな」
「!!!」
声の方向を見上げると胸元のはだけた服を着た男が立っていた
ウェリドム
前の町で俺達にいきなり発砲してきたいかれた軍人だ
今回は私服らしくロックバンドみたいな服に髪をオールバックにしている
いつもこいつは見るたびに腹が立つが悪い奴じゃないんだろうな
「お前らもめごとばっか起こしやがって
つーかこいつ 夜明けの明星の構成員じゃねぇか
ラッキー」
「夜明けの明星?」
「なんだ知らねぇのか
有名な国際テロ組織の実行部隊だよ
半グレにこういうならず者やら色々金で動かしたり
自分たちが動いたりとなんでもあり
国の不自由な軍属の身には手に余る奴らだよ ほんと」
「国際テロ組織...
そんなものが」
「そりゃ この国も隣国も完全に真っ白じゃねぇからな
ま 尋問はしてみるが」
「尋問って」
人間離れした獣のような目と風格
ただの軍人じゃないな
「あ そうそう
お前らも明らかな正当防衛なら
殺しても問題はないんだぜ
そっちのステラは狙われるだろうし」
「いえ その一線は守らせてもらいます」
「そうかい
せいぜい死なねぇようにな
にしても派手にやったなぁ~」
「...」
俺たちは戦いの熱が冷めきらないままその場をウェリドムに任せて立ち去る
夜 マルクの刻(元の世界でいう24時)
「夜明けの明星... か」
俺は戦いの熱がまだ全身に残っているせいで眠れずにいた




