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アラタ、ビキニアーマーを購入する②

「アンジェ、一体いつからそこに!?」


「アラタ様が『これはもう防具屋じゃない宝物庫だ』とおっしゃっていた時からです」


「言ってないよ、思っただけ! 頼むから人のモノローグを語るのはやめて!!」


 どうやらアンジェは俺が新世界に入った直後からいたらしい。つまり最初から一部始終を見られていたという事になる。これは恥ずかしいぞお。


「アラタ様、恥ずかしがっている場合ではありませんよ。ここで時間を消費してしまうほど夜のお楽しみタイムが少なくなってしまいます。今日は明日のレムール祭本戦に向けて早めに休まないといけないのですから」


「だから人の心を読むのはやめてって……もういいです。そうですね、恥ずかしがってる場合じゃないですね。それじゃすまないけど皆のサイズに合った物を見繕ってもらえないかな?」


「承りました。ところで少し気になったのですが、あそこに置いてある熱くない蝋燭ろうそくというのはどのような状況で使用するのでしょうか?」


「蝋燭?」


 アンジェが戸棚に置いてある赤色の蝋燭に興味を持ったようだ。あれはもしかしてSMプレイで使うやつではなかろうか。

 あんな物まで『ソルシエル』にはあるのか。『地球』と表裏一体の世界にしたって既視感ありすぎだ。

 それにしてもこれをどうのように説明したものか……。


「これは……女王様に扮した方が被虐的嗜好を持つ男性を責める時に、攻撃性の低い鞭と組み合わせて使用する物でしょうか?」


「どうしてそんなに具体的に知ってるんだよ。知っていたのなら俺に質問する必要はないじゃないか」


「申し訳ありません。アラタ様の嗜好を確認する為です。やはりアラタ様はハードなプレイはお好みではないみたいですね。お部屋にあった書物の傾向から察するに、やはりエッチな下着や衣装を使用した俗に言うコスプレエッチがストライクの様ですね」


「うぶっ!」


 心臓を鷲掴みされたように身体中から冷や汗が流れ出てくる。俺の性癖は彼女に完全に把握されていた。


「今回のビキニアーマーもそうですが以前要望のあった裸エプロンの時にもショーツとニーソ着用をご希望されていましたし」


 こうして俺がアンジェ達にお願いしてきた案件を聞いてみると、とても恥ずかしく暴走している事が分かった。

 これはヤバい。捨てられても言い逃れできないレベルだ。


「……ホントすんませんでした。金輪際そのような暴走は慎みますので今夜だけは許してください」


「アラタ様……私は何も咎めている訳ではありません。ただ重要なものが欠けていると思ったのでそれをお伝えしようかと思いまして」


「欠けているのもの? それって何さ」


「はい、それはストーリーです」


 ストーリー? それが俺の嗜好に欠けてるっていうのか? どういうこと?


「初めてお会いした夜、私が連れ込まれたアラタ様のお部屋には幾つもの素晴らしい書物がありました。その中にビキニアーマーを身につけた駆け出し女性冒険者が魔物に蹂躙されあんな事やこんな事をされる物もありました。正直私、それを読んで興奮致しました」


「は、はぁ……そうだったんだ。ところで連れ込むとか……他に言い方あるよね?」


「ここにはあの書物に出てきた重要アイテムであるビキニアーマーがあります。そうであれば今宵のお戯れの際、あの書物を意識した形で進めていきたいと思いまして」


「俺の意見は無視か、まあいいや。――つまり俺が魔物役になって皆はビキニアーマーを装備した駆け出し冒険者役になって致したい……という解釈でいい?」


「仰る通りです」


「アンジェ、君は……君は……天才か! なるほどそうか、ストーリー仕立てにする事で没入感を出したいと……全然思いつかなかった」


「痛み入ります。それでは早速購入して実践してみましょう」


 こうしてアンジェの助けもあり無事にビキニアーマーを購入した俺は、急ぎ足で宿屋に戻ってそれを皆に着てもらった。 

 そしてアンジェ考案によるストーリーを組み込んでやってみたところ、今までに無い盛り上がりを見せたのである。

 その結果、俺たちは滅茶苦茶ハッスルし気がついたら朝方になっていた。

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