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素直な気持ち

「怪異を殺したいとは思わないのですか?」


「どうだろう。オレの中で怪異は話の中に出てくるものだから殺せるとは思っていないのかも」


「片割れが怪異と融合したのに? もしかしたら助けられるかもしれない」


「白灰が生きてるとは思えない」


「それはどうして」


「白縫を見ても、白灰を感じない。多分もう怪異の一部になって取り出せられない」


……そうか。


なら、私の家族はこの狐火に食われた時点でもうどこにもいないのか。


「でも、ありがとう。オレが感じないだけで、白灰は白縫の中にいるのかもしれない」


励ましてくれてありがとうと伝えられ、私は励ましたくてこの人を励ましたかったのかそれとも自分が狐火から家族を取り出したいと思ったからなのか分らなかった。


「オレが怪異に憑かれた話気になる?」


墨白にとって怪異に憑かれた話はそこまで重たい話ではないのだろうか?


双子の兄が怪異と融合した時点で、人に話したくない話の部類に入る気がするが。


……けれど。


自分が怪異に憑かれた話をしたくないかと言われたら、それはわからない。今まで怪異は自分にしか憑いていないもので、どうしようもなかったけれどここには怪異に憑かれた人たちがいる。


それだけで安心感があるといっても過言ではない。


だからこそ、話しにくい話でもお互いに傷を負っているから話してしまおうと思えるのかもしれない。


「……気になります」


素直な気持ちを述べると、墨白は笑った。


「なら話すそうかな。オレが憑かれた話」


そしたら、キミの話をして。


そして、墨白は彼自身が怪異に憑かれた話をしてくれた。

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