表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/57

新たな目覚め



2階の作業場では、ユウが弓矢を黙々と作っている。

(やじり)には、中級黒鉄を使い固い皮でも貫通するよう工夫している。

シャフトの部分は下級黒鉄を使って製作している。


始めの1時間は、失敗作を作っていたがコツを覚えたようで完成させた。

順調に作り続け製作した弓矢の売却金額は、20%が生産拠点の収益。

残りの80%は、ユウの取り分だと言うと黙々と作っている。


俺は予定していた弓を30程、すでに作り終えている。



弓士が使う、弓や矢は強力な物がなかった。

弓士は仕方なく、通常の弓と矢で魔物の眼や皮の薄い部分を狙うしかなく。

その為、時間が掛かり攻撃の手数が少なく、魔物を仕留める事も少なかった。


攻撃力が弱いと、パーティー内でも言われていた。

しかし今回作った、俺達の弓と矢で汚名返上ができる事を期待している。



次に取り掛かったのは、毒矢の製作。

俺が作った矢を取り出して、(やじり)を外す。

下級で作った(やじり)を、ミカワグモの猛毒に長いピンセットで漬け込む。

30分が経ったので、取り出すと赤い(やじり)になっていた。


錬金術で空中に浮かせて、矢の先に取り付ける。

亜空間の中に、大量にある石を使って(やじり)の周りに薄くコーティング。

それを50本作っていく。この毒矢のアイデアは偶然の出来事から(ひらめ)いた。


猛毒を取り出す為に、器が必要だった。

その為に下級黒鉄で器を作って、猛毒を入れて置いた。

中級黒鉄で作ったナイフを、その猛毒に漬け込んだ。

猛毒のナイフが、できるかもと期待していたがナイフには、なんの効果もなかった。


しかし、器が赤くなった事に気がついた。

鑑定では、猛毒の効果が付いた器になっていた。

中級と下級の差は、何なのかと考えて俺なりの結論をだした。

下級は弾力性があった、つまり黒鉄内に微細(びさい)な空間があり、

それが弾力になり、猛毒がしみ込んだと解釈。


その時に、弓矢に使えると(ひらめ)いた。



「すいません、事務職の募集を見てきました。ここでよろしいですか?」


「あ!ここでいいですよ。事務所の方に行きましょう」


事務所の椅子に座り、向き合って経歴書を見る。


那須明美(なすあけみ)30歳、事務経験ありですか。給料は募集に書いていた金額で良かったですか」


「はい、それでよろしいです」


「分かりました、採用します。今日からお願いします。これが規約になります」



事務所のドアが急に開き、顔をだして大きな声で。


「師匠、600本できました」


「そうか、ギルドに行くか。それじゃ、那須さんこれが鍵です。一週間帰ってこないので後のことは頼みます、仕事内容は次のページに書いてます」




ギルドで弓と矢を国際オークションに出品するか、日本オークションにするか悩んでいた。

あまり実績のない弓と矢、下手をすると安く落札される可能性もある。

職員からは、妥協案として大盾の製作者の次なる出品として情報を流す。

製作者の名は出さない、ルールであったが作品の関連性としてOK。


そして日本オークションには、弓2(ちょう)と矢40本と毒矢10本。

国際オークションに、弓28張と矢560本と毒矢40本の出品が決まった。

ユウは、全部国際オークションにするべきと大声で言っているが。


職員から、国内にコネを作る意味で日本オークションを進められた結果である。

毒矢は、1回使用の使い捨てと断っておく。再利用も出来なくないが毒の部分に触れて、死んだと訴えられるのは御免だ。


ちなみに俺達の弓と矢の鑑定結果は。


下・中級黒鉄の弓

物理攻撃★★★


下・中級黒鉄の矢

物理攻撃★


下級黒鉄の毒矢

物理攻撃★

毒攻撃★★


弓+矢の合計が攻撃力になり耐久性も表している。一方が星なしだと攻撃力はだいぶ下がる。

それでギルドには一週間潜ると報告して、早速ダンジョンに向かう。




今回はユウのレベルアップを考えている。

ステータスが見られるなら良いのだが、そんな便利な表示はされない。

恩恵の職業取得も、初回だけ曖昧(あいまい)に見えるだけなのだ。


取得した職業知識も、曖昧的に感じるだけであった。

俺の錬金術師の鑑定は、作ったり亜空間に収納した物だけが鑑定できた。


なので、人のレベルアップの1回目は初級ランクで。

6階層で活躍していれば、初級ランクと呼ばれている。


15階層で活躍していれば、中級ランク。


25階層で上級ランクに認定されている。


俺は5年間で、初級ランクになっている。しかし、ここのダンジョンで体の痛みを2回感じている。

探索者カードには、初級ランクと書かれているが。本当は上級ランクである。

ユニークダンジョンが、強くさせているようだ。


なのでユウを中級まで上げれば、錬金術の方も良くなると見込んでいる。

俺自身が、レベルアップした事で、錬金術の扱いが良くなった事を実感している。




6階層の岩ガメの足を切断、後に隠れていたユウが止めを刺す。

前回より落ち着いて、行動できるようになって頼もしい。

レベルアップが目的なので、探索していない通路へ入っていく。


しばらくして残りわずかな、通路の最後に広いフロアがあった。

そのフロアの中央には、いままでの岩ガメを2倍にした赤黒い岩ガメいた。

甲羅には角が生えている、そして俺を(にら)みつけている。


「ユウ、気をつけろ。いつもの魔物ではなさそうだ」


「分かりました、何時でも逃げる用意をしています」


ここは、(はげ)ましの一言だろうと考えてしまう。

ユウは大盾を構えて、だいぶ後の方に隠れている。


黒刀に持ち替えて、左方向に回り込もうと走り出したら。

赤岩ガメは、甲羅の角を2本発射させてきた。

1本は斬り捨てて、もう1本もかろうじて斬る事ができた。

そのまま走り込み、左後足を斬り落とした。


「ウッギャーガ」と鳴き3本の足で、向きを変えようとするも。

俺は死角から飛び跳ね赤岩ガメの頭部を突き刺していた。

それが止めになり、赤岩ガメは収納された。


すると、赤岩ガメが居た所に宝箱があった。

宝箱は、御伽噺(おとぎばなし)かゲームしか見た事がなかった。

黒刀で突くも、何も変化がなかった。

鍵穴もなさそうだ。隙間に黒刀を差込み、一気に空けた。


何の仕掛けも無かった、中を覗き込むとスクロールがあった。


取り出しスクロールの内容を見ると、変な文字が書かれている。

そしてその文字が光りだし、手の中のスクロールは消える。

そして頭の中に、イメージが入り込んできた。


小さな結界が張れるイメージが、それと一緒に物に結界機能を付けれるイメージも浮かんできた。

それは幻の夢を見ているようでも在った。

自分の中でも整理する為、ユウを連れて5階層へ急ぎ戻った。




もし面白ければ。

下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。

良ければ5点、悪い1点でもお願いします。


気になる方は、ブックマークを付けて下さい。


書く為の応援をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読ませて頂いてます。 [気になる点] 改行関連。 地の文から会話文になったり、会話文から地の文になったりする部分が読み辛いです。 7話だと、 事務所のドアが急に開き「師匠、~た」 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ