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災害ダンジョン




例のリザードマンが溢れたダンジョンに名が付いた。

魔物による被害が多かった事から、同じ過ちを犯さないように[災害ダンジョン]に正式に決まった。

正式名が発表される前から、自然に呼ばれていたのが本当の理由であった。

あれ程、クランで溢れていたダンジョンが今ではひっそりとしている。


その災害ダンジョンの6階層で、黒魔石を手に入れる為バイデンとイノスケが頑張っている。

クロスは体内に魔石を溜める事ができるようになり、イノスケの背中に乗りもっぱら黒魔石回収と残ったリザードマンを食べている。

その為かクロスが色々な特殊能力を身に着けた。体内に物を溜めるのもその1つである。

もう1つは、食べた魔物の固い部分を尖った武器として噴出す能力であった。

ダンジョンの壁に、連射銃のように弾丸跡を残し殺傷力は絶大である。



太陽電気の要請で、まとまった黒魔石数が必要であった。

クランが居なくなってから連日、黒魔石の回収が日課になっている。

それ以外だと、ブルースカイまで行って魔物を倒していた。

あと数日で、合計数が2万個に達するので少しは余裕ができる。


黒魔石1個で結晶版を沢山取れるように、改良中であると報告を聞いている。

その手段に、黒鋼の極薄カッターを製作して渡しているのだ。

この極薄カッターの製作にも、結構苦労したのだ。

錬金術で作るさい、わずかなホコリでも失敗するので空気の除去から始まった。

四方を結界盾で囲い、徐々に空気を抜く作業は本当に神経をすり潰す思いだった。

結界盾を操りながらの錬金術使用も難易度の高い作業で、何度も失敗しながら作り上げた。


そんな事を考えながら、武器や防具を作っているとバイデン達が帰ってきた。

クロスが吐き出す黒魔石を収納すると、7階層への魔物討伐する為階段を下りた。



順調に魔物達を倒して、最短ルートで10階層に挑んだ。

倒し方は分かっているのでヒドラを倒すと、ヒドラの肉が手に入った。

三河クランの女性陣から、やいのやいのとせっつかれようやく解放された思いだ。

そのまま11階層へ挑む。


そこには、体がゴワゴワした魔物が徘徊している。

どっちが頭なのか分からない。表面が岩のように硬そうに見えるが波打ちながら移動している。

バイデンが戦う素振りを見せたので、


「バイデン、動くな!俺が何とかする」


手をかざして、ゴワゴワに重力をジワジワと掛けてゆく。

最初は抵抗していたが、しだいに重力が重くなり押し潰された状態で止まっている。

ゴワゴワに近づき、ゴワゴワを触り奪い取った。

奪い取った能力は、毒耐性と毒作りの能力だった。

黒刀を突き刺し仕留める。

手に入った素材は、皮と猛毒肉と黒魔石。

この猛毒肉は、空気に触れると猛毒の霧に変化して死の空間を作り出す。

非常に厄介な物であった。

それに引き換え黒魔石は、リザードマンから取れた黒魔石より一回りの大きさで、


「お!これは良い物が手に入った」


これ以降、俺が倒すことにする。

下手にバイデン達に任せると、猛毒を撒き散らす恐れが有ったからだ。

いくら毒耐性があっても、充満した毒を浴び続けたくない気持ちがそうさせている。

重力で動けなくした後に黒刀で仕留める。

そして11階層を制覇した後に、12階層に向かった。


階段を下りた8m先に、奴らはうごめいていた。

体は10cmの毛の生えた球体だが、そこから8本の長い足が生え壁や天井と床に数え切れない数が居た。

この階段から進むと、絶対に襲ってくるだろう。

しばらく階段で戦い方について考えた。少し面倒になるが猛毒肉を使うことにする。


手始めに200グラム程の猛毒肉を投げつけた。

7m先に落ちると落ちた衝撃が原因か、猛毒の霧が活発に吹き出している。

俺は、俺の方にこないよう空気を噴出させ毛球達に霧を向かわせた。

それは見ていて直に効果を表した。

壁や天井に居た毛球が、床にポトポトを落ちてゆく。

しばらくすると、猛毒の霧は消えてなくなった。

それは5分程の短い時間だが、抜群の威力でもあった。


床に溜まった毛球を回収してゆくと、素材は皮・液体・ピンクの透き通った魔石であった。

そのピンク魔石が15cmも有ったので、可笑しいと思い1匹の毛球にナイフで切り込みを入れると、10cmの体が裂け15cmのピンク魔石がポロリと飛び出した。

体積よりデカイ魔石が取れた事でも不思議であったが、ピンク魔石の能力も驚いた。

奪い取った能力は、自然回復を促進する能力であった。

疲れた体が癒されてゆく実感が直に分かったから、人に使えば赤魔石に劣るが回復するのだろう。

赤魔石からは、能力は奪えなかったがダンジョン不思議として納得するしかない。


注意しながら進むと、又もや毛球達が待構えている。

バイデンとイノスケが俺の前に出て、俺達に任せろと行動で示してきた。


「やれるのか?・・・やってみろ」


その一言で、猛然と走り出し戦いが始まった。

イノスケは電撃をバリヤ代わりにして倒していて、バイデンは体にまとわり付いた毛球を物ともせず大剣を振り回して周りの数を減らしている。

5分程でようやく終わり、バイデンの体に入った毛球をイノスケの電撃で仕留めて終了。

バイデンの体から湯気が出ていたが、平気な素振りで戻って来た。


それ以降、二手に別れて12階層の攻略を進めた。

しばらくして階段を見つけ、休憩しているとバイデン達が物凄い勢いで戻って来た。




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