魔石の能力
俺の工場で、ゆったりしていると固定電話が鳴り出した。
可笑しい留守電にしていたはずなのに鳴るなんて、向かって見ると解除されていた。
これはクロスの仕業に間違いない。
クロスは、魔物を食べる事で強さと知能がアップしていたのだ。
今では、好きな番組も録画して見るしまつだ。
俺の目の前を、通り過ぎるクロスを見た。
「クロス!勝手に解除するな!!」
動きを止めブルブル震えだした。感覚は了解っと答えているようだ。
電話にでると瑞希さんからだ。
「はい・・・分かりました。1階の倉庫に武器と防具を置いているので持って行って下さい。・・・それも適当でいいです。はい・・・はい」
直に武器と防具を取りに来るみたいだが、クラン[ジュピター]の渚剣も同行するそうだ。
他のクランが武器や防具を手に入れた事で、猛抗議の末に今回の取引きに割り込んで来たようだ。
瑞希さんも困った様な、話し振りで有ったので多分苦労しているのだろう。
テレビに釘付けのクロスは、特番を見ていた。
前回の件で、[ダンジョンを探す会]の公益社団法人が設立する内容だ。
収益の大部分は、寄付金でまかなう様であった。
ダンジョン関係の大企業からも、大きな寄付金がなされ大体的にピーアールしている。
俺からも、少ないが寄付をしている。
あの惨劇を止められなかった。そんな懺悔の気持ちが一杯だったからだ。
気分を変えて物作りをするか、これは好奇心で発見した事だが魔石に向かって奪う能力を使ったのだ。
少ないが魔石の能力を奪った。そして魔石の本来の力が何なのかを理解した。
まず黒魔石を使ってあるアイテムを作る。
黒魔石は、転移する事が出来るのだ。転移先を強くイメージして黒魔石に念じて書き込む。
そして自身の魔力を流して、地面に向かって叩き割ると転移してしまう。
この念じて書き込むのは、今は俺しか居ない。
ユウや瑞希さんを使ってやってもらったが成功しなかった。
転移先は、日本ギルド本部1階ロビー中央に設定。
その事は、日本ギルドに連絡済みでロープによる立入り禁止なっているハズだ。
なので日本限定アイテムになるのだが、多分アメリカからも製作依頼が来るだろう。
アメリカのギルド本部にも、行った事があるので製作はできない事はない。
黒魔石の大きさで、転移できる人数も決まってくる。
ダンジョン[ブルースカイ]でカエルと蚊を討伐して、手に入れた1cmの黒い魔石は1人しか転移できない。
例のダンジョンでリザードマンから手に入れた魔石は、叩き割った地点から6人まで転移できた。
魔石が6cmもあるので、その結果だと推測される。
そしてこの魔石は、脱出に使われる事から[脱出アイテム]と呼ぶ事にした。
次の魔石もダンジョン[ブルースカイ]で、ラグビーボウル形の魔物から手に入れた。
白い魔石で強く念じる事で、自身の動きを2倍する能力が有った。
使用すると蒸発した様に消えてなくなる。能力アップは5分間続く事も分かっている。
なので[倍速アイテム]と呼ぶようにした。
主に接近戦闘タイプが使うだろう。
なぜなら魔術士に使ってみても、魔法攻撃が速くなる事も無かったからである。
次もカエルから手に入れた。緑の魔石。
この緑の魔石は、植物の成長促進をする能力があった。
地中に埋めると、半径1キロに及ぶ効果があった。
植物の成長速度が倍加し、収穫までの期間が通常の半分で収穫でき、更に大きさも2倍になった。
食料自給に貢献できる事、間違いない。
しかし、雑草の成長も速いので頻繁に刈る必要がある。
魔石以外にも、奪う能力で鑑定まがいな事ができた。
山部下ダンジョンで透明人間から取れた白い粘土は、光や電波などを反対側に通過させる能力があった。
つまり体に白い粘土を塗りたくり、魔力を流すと消えて見えなくなった。
一種のステルス機能の上級タイプと言っても良い。
戦闘機や爆撃機や偵察機などに、使われると容易に敵国に進入できそうである。
今では、自衛隊により新たに開発が進められているハズ。
それ以外だと、三河クラン員全員に精密検査を実施。
健康管理を目的と、嘘を付いて1日を掛けて病院での検査。
その後、ヒドラの肉を振舞った。
敷地内の庭で、ヒドラ肉を使った焼肉パーティーが開催。
酒やビールもだされ、皆は美味しい美味しいと食べたが、ユウだけが怪しむ顔で見てくる。
それでも、皆が美味しいと食べるのでユウも食べていた。
大いに騒ぎ飲んで食べて歌い楽しい1夜を過ごした。
そして病院側の検査ミスが発覚したと嘘を付き、再度クラン員を検査を実施。
勿論日給を支払うと言うと、すんなりクラン員は承諾。
ユウだけが、俺に食って掛かったので内密にヒドラ肉の効能を知らせた。
●効能・・・食べると肉体が、再生され若返る。
毒症状時は、毒を無毒化する性質もあり。
病院からの検査データが送られ、1回目と2回目を比較すると1歳から3歳で若返っていた。
ユウも驚愕していたが、紛れも無い事実なのだ。
その事実はユウからクラン員にも知らされ、その後、焼肉パーティーを開催する(orが開催される)羽目になった。
その時の女性陣の食べっぷりは、凄まじいの一言であった。
何故なら、1キロ食べると若返り効果が上がるとデータにあったからだ。
そのせいでヒドラの肉は、もう在庫が少なくなってしまった。
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