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生産拠点




地上に戻り、ギルドの受付に行くと職員から声を掛けられた。


受付の職員が「何処に行っていたんですか、探していたんですよ」


「何かありましたか、ダンジョンで探索と製作をしてたんです」


「分かっていましたが、死んだ可能性もあります。だから心配しました」


「それは、心配させて申し訳ありません」


「これが落札価格になります」


「え!ゼロが多くないですか」


「それが本当の落札価格です、1枚1億7千万円で間違いありません」


「そんな価格になるとは、思ってもいませんでした」


「それとですが、支部長がお話があるそうです」




ギルド土海(つちうみ)支部は、古い5階建てビルであった。

エレベーターも古いタイプで、5階に止まると「ゴトン」と音がしていた。

職員が奥の部屋へ行きノックをして声を掛けた。


「三河さんを、連れて来ました」


支部長室では、いかつい男性が座って待っていて職員にうながされて座る。


「君が大盾の製作者かな、それをはっきりしておきたい」


「はい、そうです。何か問題でもありましたか」


「これは、ギルド本部からの依頼なんだが。大盾をしばらく通常買取りで行いたい」


「それは、強制ですか。それに通常買取りだと税金が発生しますよね」


「表向きはお願いだが、本当は強制に近いな。税金は取らない、約束する。日本政府にも話は通している」


「買取り金額は、決まってますか」


「ずばり上限が2億だ、君しだいだ」


「分かりました、1億7千万円でいいですよ」


詳しく聞いた話だと、各国の有名クランが大盾を狙っているらしい。

次回の国際オークションで、出品があった場合4億は軽くいくと予想された。

それを重く見たギルド本部が、異例の判断をしたらしい。


買取った大盾は、実績のあるクラン順に適正に販売する予定。

大盾は50枚製作していたが、30枚を出し買い取ってもらう事にした。

30枚でも驚く金額になっている。


1億7千万円×30枚÷8日=1日6億3千7百5十万円も稼いだ事になる。


今の俺は、大盾ばかり製作しようとは思ってもいない。

大盾も製作する楽しさはあったが、クモの糸での製作過程が楽しかった。

だからもっと、色々な物を製作しようと妄想している。


ついでに服を見せると、驚いていたが検討する間20枚を預ける。

そして、クモの事をあれこれ聞かれ、撮った写真も見せる。

すると新種の魔物で間違いないとギルドから言われ。命名する事になった。

その名を【ミカワグモ】とつけてしまったが、少し恥ずかしくもあった。



俺の次の行動も早かった、土海(つちうみ)ダンジョンへ行く途中で見かけた売出し中の物件を買う事にした。

古びた3階建ての工場、それが俺の生産拠点(きょてん)であり。


新たな人生の始まり。


1階は天井が高く、柱もしっかりしていて、2階も製作していた痕跡が残っていた。

無骨なエレベータも設置されていて、これで重い物を上げ下げしていたのだろう。

3階は住居になる予定。明日から業者の工事が始まる何だか楽しい。


屋上には、内風呂と露天風呂を作る。

業者も充分作れる強度はあると、請け合ってくれた。それも楽しみだ。

屋上からは、このビル以外で高いのはギルド支部しか見えなかった。


所々空き地が見られ、(さび)れた町をかもし出している。

俺はそんな町の土地を、不動産屋に頼んで買取っている。

土地の価格も高くなく、順調に買取りが進んでいるらしい。

何故買取りをしているか、土海(つちうみ)ダンジョン周辺を発展させる為。

俺の妄想が、そうさせているとしか言えないが男のロマンかもしれない。




今度はギルドに、一週間潜ると断ってからダンジョンに入った。

5階層でいつもの発掘を始める。


ここの掘った時に出る率が、特級5%・上級10%・中級30%・下級55%。

浅見ダンジョンで出る率と違っていて、特級が5倍に上がっていたのだ。

少ない数字であるが、俺にとっては大きな数字であった。

これまで特級の黒鉄が、5年間で1つの武器しか作れなかった。


1年間で1つ、作れることになるのだ。これは大きな前進であった。

土海(つちうみ)ダンジョンが、ユニークダンジョンと呼ばれるだけの特殊性があった。

6階層の魔物じたい、通常のダンジョンと違った魔物である事で証明されていた。

6階層の岩ガメで探索がピタリと止まっていた。

6階層の魔物は、他のダンジョンより強かった。


世界には、ユニークダンジョンが7つもあった。同じように6階層で探索が止まっている。

6階層に生息してる魔物も、7つとも違う魔物が生息している。

ギルド本部も、それを重要視していても探索者が金になる通常ダンジョンへ選択する権利を止められなかった。

通常とユニークの難易度の差は10倍と言われている。

圧倒的にユニークダンジョンの、6階層は危険で多くの犠牲者をだして1~2体の討伐が限界だった。




「う!足音がしている」


遠くに見える階段に、6人のパーティーが下りてゆく。

俺がここに来てから、始めて見るパーティーである。

不人気ダンジョンで、有名であるのに物好きな者もいるなと思いつつ。

黒鉄の発掘を再開する。


しばらくして怒鳴(どな)り声と共に、

「だから、危ないと言っただろう」


「お前も賛成しただろー、急にそんな事を言いやがって」


怒鳴り合いながら、去って行く。


「うるさい奴らだと、しばし休憩にするか」


仰向(あおむ)けで天井を見ていたら、いつしか寝てしまっていた。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] オークションで高値になるのを重く見て買取ってわりと意味不明だな
[気になる点] 会話文がロボットようですね。 淡々としすぎているというか…そういう場面であれば地の文だけで状況説明すれば良いのではないかと感じます。
[一言] 一気に最前線に行ける装備とか1億ドルくらいになりそうですけど。
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