大きな魔石
バイデンと一緒に6階層に下りてゆき、奥の方まで魔物がいないか見てみる。
「バイデン!こんな所まで来たんだ、失敗は許されないぞ」
カサカサとやってきたのが、ドデカイダンゴムシを平べったくした虫だった。
バイデンは襲ってくる虫の頭部辺りを、大盾で上手く押さえつけた。
俺がすかさず近づき、触りながら奪えと念じた。
奪った能力は、甲殻で身も守る能力。
俺が奪った事が分かったのか、そのまま押しつぶしてしまった。
あの甲殻は固いと思ったのに、いとも簡単に押しつぶした。
成長で、力もパワーアップしたらしい。
素材は、甲殻・虫肉・15cm程の透明な魔石であった。
バイデンも、学習能力があるらしく、器用にダンゴムシを倒しだした。
時にはフェイントを仕掛ける場面もあった。
今では倒したダンゴムシを持ってくるようになった。
この階層、いつの間にかバイデンのみで倒してしまった。
7階層へと下りてゆく。
次はどんな魔物なんだろうと、ソイツは通路の隅でゴソゴソと何かをしていた。
ソイツはヒト型で太っていて足は短かく手が長く首はなく目が2つあるだけだ。
子どもが粘土で作る、人形に似ている。
俺らに気付き、片手を振り上げるとそのまま振り下ろすと、その手が急に伸びてきた。
2mの距離まで伸びて、バイデンを攻撃しようとしてる。
バイデンはとっさに動き、回避しながら大剣で斬りつけた。
手は切断され、地面にのたうち回りぐたりと静かになった。
ヒト型の半分になった手は、いつの間にか元に戻っている。
もう一度手を振り上げたが、すでにバイデンが動き胴体に大楯を押し付け壁にドスンと押し付けた。
俺は走り手を付け奪えと念じた。
奪った能力は、体の一部を[伸ばす]能力でどうも試す気にはなれない。
伸ばして戻らなかった場合、想像するだけで嫌だ。
奪ったのは伸ばすだけ、元に戻る能力はなかった。
[伸ばす]と[戻る]の2つの能力を、奪わないといけないと確信めいた考えが支配した。
「バイデン、次の奴も捕まえてくれ」
言われた通りに捕まえるバイデン、同じように奪うが同じ能力。
「もう1回捕まえてくれ」
次の奴でようやく[戻る]能力を奪えた。
試しにやってみたが元に戻った事にだけ安堵する俺だった。
次にやってきた奴は、2つに斬り分けられ2つのぐったりした体を残した。
こいつの素材は、ゴムのような物体と20cm程の透き通った魔石。
試しにボールにして投げてみると、ポンポンと何度も壁を飛び回っている。
結構弾力があり、これはこれで何か使えそうな予感がする。
地図アプリのせいで、探索は順調に進みバイデンの躍進も素晴らしい。
もう次の8階層にやってきている。
ベタリベタリと音をさせながらやってきたのは、サイで皮膚の堅いサイでなくプニョプニョのサイ。
俺に気付き、ベタンベタンと走り出し。口が1m程開き俺をかぶりつこうと向かってくる。
俺には結界盾が確りと防御体制を、とっているので安心している。
しかしバイデンは横から大盾で、サイの胴体にぶちかまし壁に突き飛ばした。
壁に寄り添う形で倒れたサイは、すでにバイデンによって押せつけられている。
そのプニョプニョの体に触り能力を奪った。
その弾力で衝撃や武器による斬りつけや突きも防ぐ能力。
しかし俺はその能力をつかわない。絶対太ったおっさんになっているはずだ。
どうしてそんな醜い姿になりたいとは決して思わない。
バイデンは大楯で、何度もサイを殴打して倒してしまった。
素材は、プニョプニョ肉・プニュ骨・25cm程の透き通った魔石。
「バイデン、立派な戦士になったなー俺は嬉しいぞ!」
ここではバイデンの一人勝ちで、次々と倒してしまうので後ろにいるレイピア達が可哀そうに思えてきた。
プニョプニョ肉は、本当に歯ごたえの無い肉で食べたく無いランキング3位だ。
この階層を探索し終えたので、一度俺の部屋に戻る事にした。
部屋のテレビを付けると、ロ○アのデモを報道している最中で10万規模が各地で同時に起きていた。
それを見ていて、このダンジョンを早期に攻略しないと犠牲者がでる恐れが濃厚だ。
ネット上でもそんな憶測が飛び交っていた。
俺はふかふかベットに、倒れこむようにボスンと倒れてしまい。
「明日で終わらせる!絶対におわらせる!」
誰に言う訳でなく、自分に言い聞かせた。
9階層、早く目覚めてすでにここに来てしまった。
大きなコウモリが近づき、俺は急にめまいに襲われ片膝をついてしまった。
バイデンは飛び跳ね、大楯でコウモリを叩き落した。足で踏みつけ俺を見ている。
ふら付きながらコウモリにたどり着き、能力を奪った。
超音波を発する能力で、相手に一時的にめまいを与え戦闘不能にさせる。
バイデンはコウモリに剣を突き立て倒した。
素材は、皮・肉・骨・30cm程の透き通った魔石。
バイデンは超音波が通じないようで、レイピアと協力しあい次々倒した。
俺は後方で見守るだけ、そして収納していくだけであった。
そして10階層に下り立った。
バイデンが進もうとしたので、骨をつかみ止めた。
これは本当に見えにくい、極細の糸が張り巡らされている。
黒刀にて収納しながら進んでゆくと、1番奥に釣り下がっているクモが居た。
後の6本も長い足だが、前2本も2倍程長く先がカマ状になってキラキラと光っている。
収納された糸が極上の糸なので、俺は夢中に収納していた。
バイデンが俺の前に出て、大盾で何かを防いだ。
どうやら毒針のようで複数、大盾に刺さっている。
バイデンが囮になり、そのスキに後に瞬間転移。
尻の先端と後足6本を、素早く斬り落とした。
地面に落下したクモに、バイデンが大盾と足でカマと頭を押さえ付けた。
その瞬間、体に触り奪い取った。
俺もユウみたいに糸を出す能力を奪い取った。
そのまま、黒刀で斬り裂いた。
素材は、極上の糸・粘着糸・肉・毒針・60cmの程の透き通った魔石。
バイデンを戻して、もう1つの気になっていた猪の所へ転移する。
ガンガン頑張って倒してゆき、またも全滅させた。
メダル281枚、後少しなのに残念で仕方ない。
そう言えば、あそこのダンジョンの名、聞いてなかった。
1階層の階段前に出現すると、トントンと地上に出ると大きな夕日が見えてキレイだった。
2人の見張りは、英語で叫ぶ者ともう1つの言語で叫んでいた。
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