アメリカから旅たつ
スマホのうるさい音で目が覚め、片手でここか何処だガバァと起き上がりスマホを取上げるとギルドの緊急出頭の警告音だ。
探索アプリで緊急時に呼び出す、迷惑な機能。
俺のスマホは、瞬間移動ができるようになってから、位置情報がでないよう魔改造している。
警告音がしたからには、出頭しない訳にはいかないだろう。
重い腰を上げながら、しぶしぶ準備をしてブラックレインへ瞬間移動をする。
6階層でダンジョンを見る事で、黒いメダルの事を思い出した。
面倒な事の前に、楽しい事をしておきたいな13階層へ行こう。
ブルースカイの13階層、メダルを取り出し放り投げる。
「出てこいスケルトン」
のそりと召喚され、身震いをするスケルトン。
「いつまでもスケルトンは可愛そうだ。え・・・そうだ、昔バイデンと言う大統領が居たな、お前はバイデンだ分かったな」
嬉しそうに頷いている。
「行くぞー!メダル100枚、オー」
じゃんじゃん倒す、あれ!可笑しいな100枚なったのに音がしない。
バイデンの時は、11階層だからもしかしてここは13階層、300枚集めろと言いたいのかクソー!仕方ない。
この階層を取り合えず、倒しておくか出会う猪を瞬殺してあ!と言う間に終わった。
集めたメダルは、167枚あと2日は掛かりそうだ。
それじゃー、ブラックレインに戻ろうかバイデンは大人しく目の前で待機している。
「すぐ召喚するからそれまで待って、戻れバイデン」
メダルを収納すると直に移動を開始する。
6階層の階段を歩いて出ると、やっぱり見張りの人間が居た。
黒のスーツ着た男性が4人も俺の方を見ている。。
「緊急出頭がでてます、急いできてくれませんか」
急き立てられながら、事情を聞く事になった。
アメリカ政府は、世界平和の為だと議会でもすぐに承認。
日本政府もアメリカに忖度したように承認。
そのかわり、アメリカギルド側30名・日本から10名が、向こう側の監視と護衛目的で付いて行く事になった。
地上にでると、沢山の車両が道をふさぎ待機。
ダンジョンでの素材は、トラックに重要とされる物だけテキパキと大勢の人達より積まれ、警護2人が乗り込み厳重に閉められた。
トラックには、警護車両が3台ついてゆきポリスに誘導され走りだした。
俺の乗った車は、逆の方向へ走り出した。
専用旅客機に乗り込むと、セシル・アーベンと瑞希春花が並んで待っている。
セシルはいつもラフな格好だったのに、軍服みたいな服装で決めており一瞬誰かと思った。
瑞希さんは、いつものスーツ姿。
セシル「大体の事は聞いたと思うけど、何か質問でもある」
「アメリカと同じ条件で間違い無いですよね?」
セシル「間違いないし、わたし達がいるから安心してもいいわ。それよりあの本について詳しく教えて」
「教えてと言われても、敵を倒したら手に入っただけで、読めもしない本ですよ」
セシル「そうなの、残念ね・・・本当に隠してないのね」
シベ○アまで2人から色々な質問されながら、三河クランの報告も見てみた。
「ああ一杯溜まってるな、なるほど・・・」
色々問題があるみたいだが、丸投げを受入れたので[頑張れ]の一言を送っておく。
今では6階層へ挑む強者になり、売却だけでもそうとうの額を貰っているのだ。
ユウ独自の武器や防具も作り出していて、クラン員の中からも良い武器を作る者も育っていた。
俺が育てた3人の魔術士(亜空間魔法)も、一人前になり新たにきた者を指導している。
少し気になるのが、三河クランが世に少しずつだが知られるようになった事。
若い生産クランとして最近、テレビやネットで取上げられている。
俺は反対したのだが、ユウがクラン拡大を考え[丸投げを受けました]と言われたものだから認めるしかなかった。
俺の名は使うなと、確りと釘をさした。
飛行場にゆっくりと着陸すると、機内は騒がしく話が飛び交う。
俺はマスクとサングラスして、キャップ帽を深くかぶり直し顔ばれを回避する。
飛行場は物々しく沢山の軍人と、わずかな報道陣が居るのみで挨拶もそこそこに、3機の軍用ヘリに乗り込んだ。
しばらく飛んでいる中、偉そうな軍人が英語で話し出した。
そんな会話も遠くに聞くように、景色をぼんやりと眺めている。
ここに来て唯一良かったのは、冬でない事だけが良かった。
ようやくヘリから開放された。
ヘリポートは急ごしらえで、所々ゆがみが見えている。
瑞希「あれがダンジョンみたいね?」
金網のフェンスで囲われただけの、その中心にぽっかりと開いたダンジョンがあった。
周りは雑木林と建設中の建物があるだけの、ひっそりとした田舎風景を思い出す。
ヘリから仮設テントが運ばれ、建設作業員も混じって設置を忙しく始めだした。
若い軍人が、フェンスの鍵をガチャガチャと開けながら話始めている。
セシル「すぐに探索を始めて欲しいと言っているわ」
「それだけ国内が、余裕がほとんどない状況と言う事ですか?」
セシル「そうみたいね、彼の話にも余裕がないから真実だと思うわ」
ダンジョンの階段をトントンと下りてゆく。
事前に貰った地図データを開き、見比べて進む次の階段にたどり着いた。
このスマホは、最新モデルでダンジョンでも使えるよう、ダンジョン素材が使われた画期的な商品。
持っているだけで、自動的に地図を作成する機能つき
手書きで書いていた地図帳も、もういらなくなって嬉しい。
始点指定して終点を触ると、矢印が出て最短ルートを知らせる。
そのダンジョン素材が、白い人型の白い粘土が使われている。
理屈は分からないが、便利になったので俺は満足している。
これに似た物はあったが、間違いが多く使い物にならなかった。
今は探索者達にも人気があり、良い商品で品切れ状態。
矢印の先に5階層の階段があった。
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今は、色々書き方を試行錯誤してます。
読み難いかも知れませんが、よろしくお願いします。




