大盾は凄い
ギルドで買取り鑑定を頼み、作って間もない大盾を2枚渡す。
自分自身の自信作であったので、鑑定する作業を見させてくれと頼んだ。
あっさりとOKしてくれた。
大盾がセットされると、取っ手に銅線を巻き付け銅線の端を俺に渡された。
仕方なくその銅線に、魔力を流し込む。
職員は大盾に、小さな結界が発生した事を確認した。
「思い切り、やってくれ」
黒剣を握った男が、振り斬ると跳ね返されていた。
職員から「オー、凄いな」
次は槍を持って来て、真剣に突き刺すも、傷一つ付く事も無く終わった。
次は火魔法の魔術士が火球を一発発射、見事跳ね返されていた。
職員「これは、よくできた大盾です。国際オークションに出す事を薦めます」
「そうですか、それではお願いします」
そして俺の鑑定結果も聞かれたので、正直に答えた。
大盾
物理防御★★★
魔法防御★★★
「これは、凄い事です。物理防御は最高星2つで、魔法防御は最高星1つですよ、これは高い値がつくと思います」
「そうですか、高くなる事を願ってます」
後で分かった事であったが、水魔法・雷魔法・土魔法・光魔法も跳ね返していた。
その情報がオークションの情報にのせられると、一気に国際オークションの注目を集める事になった。
最後まで3つのクランが競り合い、1枚1億7千万円で落札。
その後、大盾を手に入れた2つのクランは、自国のダンジョンで26階層に突入した。
そのニュースは、全世界に流れダンジョンニュースのトップを飾った。
その頃の俺は、5階層で寝泊りしながら岩ガメ討伐にはげんでいた。
なので、高額落札やニュースを聞く事もなかった。
ギルドでの評判が良かったので、甲羅集めに一生懸命であった。
甲羅を斬らないように工夫しながらの討伐。
岩ガメの首を狙い定めて、一撃で首を切断してゆく。
それは大変であったが、それに伴い黒刀の技に磨きが掛かった。
岩ガメは動きが遅いと思われていたが、反撃するスピードは速かった。
しかし、岩ガメの動きには制限があった。
前後の動きは早いが、横移動が遅かった。
それを理解してから、順当に討伐が出来るようになった。
ここの岩ガメは、8時間以上経たないと復活しない。
大よそ討伐し終わると、5階層に戻り。
大盾作りに勤しんでいる、今では大盾は30枚も出来上がっている。
たまに黒鉄堀りもしながらダンジョン生活をエンジョイしている。
かれこれ6日間同じ内容に飽きて来た、7階層へ下りる事にした。
めっきり辺りが暗くなっていて、だが俺の暗黒騎士はこのくらいの暗さは平気であった。
暗視のスキルが備わっているから辺りもよく見えていた。
普通なら見えない、クモの糸が見えていた。
黒刀でクモの糸を収納していくと、天井にぶら下がっているクモが怒っている「シャー・シャー」
これは、魔物図鑑でも見た事がない魔物であった。
俺が知っている、クモの魔物はあのクモより半分の大きさだ。
それに怒り出すと、でかい尻が黄色に光りだしている。
その尻から急に糸を吹き出してきたが、しかし俺の黒刀で収納。
俺の亜空間には、粘つく糸ときれいな糸の2つが収納されている。
またも糸を吹き出してきたが、黒刀で糸を収納しながら素早い動きでクモ頭を突き刺す。
クモの素材を調べると、糸は大幅に増えていた。それと猛毒・消化液・クモの肉があった。
「え!これ食べられるのか。どんな味がするのか想像できないな」
俺は絶対食べないと心に誓った。
次々に討伐してようやく階段を見付けることが出来た。
時間を見ると、そろそろ岩ガメが復活している時間だったので6階層に戻る。
岩ガメを討伐しながら5階層に戻った。
クモの糸を使って、布を作ろうと考えたからだ。
クモの糸は丈夫で、黒鉄中級の剣でも切れない強さだった。
黒鉄上級の剣でやっと切る事ができた、だから布を作り服を作ろうと思っている。
空中に浮かべた糸を、縦の糸に対して交互に交差させながら横の糸を通していた。
その糸を反対から通していく、だいたいコツがつかめてきた。
タイミングよく通してゆくと、順調に布になっていくのが楽しかった。
あまり集中し過ぎて、23時を過ぎていたので出来上がった布を収納。
少し眠たくなったので、寝る事にする・・・
目覚めると、うとうとした頭が徐々に回りだした。
昨日の続きの服を作る事にするが、その前に道具が必要。
上級黒鉄を取り出して、空中で錬り込みながら成型してゆく。
出来上がった物を中央で締め付けて、出来上がったのは[はさみ]。
広げて挟んで、そのつど微調整してようやく完成。
クモの糸をはさみで切る「チョキン」上手く切れていた。
今度は、針を作ってゆく。これは案外簡単に作れた、複数の針を作って終了。
予備の服をばらして、布にあてがい切ってゆく。
それを手作業で縫っていて、しかし針がいとも簡単に指を貫通。
焦りながら赤い魔石で治療すると、痛みはなくなっていた。
「なんなんだ、一瞬死ぬかと思ったぞ」
これは、やばいと思いつつ錬金魔法でやればいいと思いつき。
空中に浮かべながら、針で縫っていく。思いのほか上手くいっている。
完成した服を鑑定すると。
服
物理防御★
魔法防御★
これはこれで良い服ができた。着てみると着心地がよい服でシルクの上をいっている。
ズボンも作り、予備の服を作ってゆく。
気を良くした俺は、ギルドに売る為の服も作ってゆく。
「ギルドで高く売れると嬉しいな」
そんな事を思いながら錬金魔法を夢中で使っていた。
もし面白ければ。
下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。
良ければ5点、悪い1点でもお願いします。
気になる方は、ブックマークを付けて下さい。
書く為の応援をよろしくお願いします。