10階層
俺は部屋の中で、PCに向かって建設経過の画像や動画を見てニヤニヤとしている。
クラン員が住むマンションが、もうじき完成する。
もちろん錬金術師の製作工場も、マンションと同時期に完成予定。
それ以外にも、マンションの隣に超スーパー銭湯も建設中。
薬湯や炭酸泉もあり、露天風呂もドデカイ大きさ。
ジェットバスやシルク風呂とサウナと電気風呂と色々ある。
食事所も岩盤浴もマッサージまである。
クラン員は無料で入れる施設になっている。
そうすれば、俺1人のスローライフが始まるのだ。
クランの運営はユウに丸投げする計画だ、俺のストレスがピークに達する前にスローライフに入るだろう。
頭を洗っている時に、十円ハゲを見つけた時はショックで1日中気にしていた。
それにしても、建設スピードが速くなった事に感謝している。
もちろんダンジョン素材のおかげだ。
22階層のストーンゴーレム、その素材のストーンを粉砕した物[ストーン粉]。
砂と水と一緒に混ぜた物は、24時間後に硬く固まる。
鉄筋の変わりに下級黒鉄が使われ、その強度は震度7でもビクともしなかった。
これが何が良いかと言うと、解体は魔術士(亜空間魔法)がする事でもう一度使える素材になる。
環境にやさしい、リサイクル素材として活用されている。
ちなみにストーンゴーレムの倒し方を見てみた。
ストーンゴーレムは、魔法攻撃や物理攻撃に強かった。
ただ唯一の弱点は、小さな頭部を重い下級黒鉄のハンマーを真上から叩くだけ。
しかし高さ3mのストーンゴーレムに、攻撃する為には誰かが囮になり中腰にさせるしかなく。
後から剣士が、ハンマーを持って背中を駆け上がり叩く。
叩く前にずり落ちた場合、悲惨な結果が待っている。
黒い空間で8階層の階段に出ると、大ガエルが復活している。
楽しい楽しいとそんな気分で倒して行く、腰の胃袋はまだまだ入りそうで余裕。
大方倒したので、階段に戻り9階層に向かって下りる。
俺はソイツを見た時、ビックリした30cmの蚊がブーンブーンと飛んでた。
「もう一匹も現れたぞー、刺されたらどうなる」
「早くアイツを倒せー」
レイピアは、一瞬で斬り落とした。片割れも同じように一瞬で斬り落とした。
素材は、1cmの黒い魔石と微々たる蚊肉だけだった。
「これっぽちか、少なすぎー」
しかし、音が遠くからしてきた。これはヤバイっと思った。
昨日作っておいた、もう1本のレイピアを出し魔力を込める。
「お前達、やっつけろー」
ざっと数えて20匹はいるだろう、レイピアの剣舞が始まる。
続々とやってくる蚊達を見て、少し背中に汗が流れた。
「A戻れー」
戻って来たレイピアに、魔力注入する。
「Aやっつけろー、Bは戻れ」
魔力を注入する。
かれこれ2時間が経過した。
「やっと終了か、全身汗だくだ」
305号室に、瞬間移動をする。
着ていた衣服を脱ぎ捨てて、頭からシャワーを浴びる。
ベットに寝転び、亜空間を確認すると黒い魔石は3056個あった。
バッと飛び起き、レイピアに付与を与えてゆく。
7本目に付与を与え終わると、外はもう暗くなっている。
ベットに戻り、ゆっくりと寝る事にする。
朝早くに目が覚めた、準備してすぐに8階層の階段へ瞬間移動。
大ガエルも復活しているので、ぐるっと一回りしながら大ガエルを倒してゆく。
そして階段に戻ると、9階層へ下りる。
レイピアを順序良く、魔力を与えつつうるさい蚊を倒して探索。
かれこれ5時間掛けて、広いフロアを発見。
「1mの蚊か、それに50cm程の蚊も50匹ぐらいいるのか。あの蚊をやっつけろー」
5本のレイピアが飛んで、次々を蚊を倒して行く。
最後の蚊は、デカイのに素早く回避している。5本のレイピアに囲まれAの一突きで倒れた。
沢山の蚊を収納、宝箱が現れスクロールを取り開いて見た。
イメージには、相手に触れる事で相手の力を奪う能力であった。
付与はできないみたいだ、気分を切り替え10階層へ行く為の階段を探す。
この階層の蚊は殲滅したのか、1匹も出てこない。
それでも、階段探しは5時間も掛けてようやく発見。
大きく深呼吸をしてから下りて行く。
結界盾で防御しながら進むと、体のあっちこっちが痛い。焼けるような熱さで迷わず瞬間移動を発動。
俺の部屋に戻っていた、痛い所は足で見ると火傷のあとみたいにただれている。
赤い魔石で治しながら、どんな攻撃だったのか考えるが思いつかない。
PCで検索してみる、知恵袋に質問したり色々調べてゆく中。
電磁波の電子レンジが発するマイクロ波(高周波)があやしい。
防ぎながら相手を見つける方法として。
電子レンジの扉に張ってある、丸い穴の開いたシールド。
その穴が電波を引っ掛け、外への漏れを防いでるらしい。
下級黒鉄で薄い板を作り、寸法通りに小さな丸い穴を開けてゆく。
集中し過ぎて、完成したのは0時を過ぎていた。
そのまま、ベットに寝込みながらリベンジに燃える俺だった。
目が覚めると、昨日の事を思い出しフツフツと闘志を燃やす。
その勢いのまま、9階層の階段へ瞬間移動。
全身をおおうシールド盾を左でささえ、階段を下りる。
昨日の痛さを感じたポイントを通過、体には異常は無い成功したみたいだ。
奥の方に丸い光る物を発見。
「あの丸い奴をやっつけろー」
5本のレイピアが凄い勢いで飛んでゆき、丸い奴を次々に貫通している。
丸い奴は、地面にひしゃげた状態で倒されていた。
すると突然体に痛みが走る、片膝を付きながら痛みに耐える。
「痛すぎだー、ランクアップは嬉しいがこの痛みをどうにかしてくれー」
収納して目の前の宝箱を開けながら、ぼやく俺だった。
スクロールを開いて見た瞬間、イメージ入ってくる。
電磁波を放出するイメージが鮮明に見えてきた。
付与はできないみたいだ。
亜空間の素材は、50cmの透明な魔石1個だけ。
これはギルドに買い取られるのか・・・
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