黒鉄発掘
もう外はすっかり暗くなっていたが、レンタカーを返しに旭川空港へ向かった。
返し終わると、誰も見ていない事を確認して、俺の部屋へ瞬間移動をする。
久し振りのベット、横になるとウトウトと寝てしまった。
時計を見ると12時を過ぎている、良く寝てしまった。
少し寝ぼけているが、屋上の風呂に向かうとユウが出てきた。
「いつ戻って来たんですか」
「今、戻って来たばかりだ、ユウはどうしてここに」
「お風呂ですよ、師匠は今から入るのですか」
「ああ、今から入るよ」
「そうですか師匠、錬金術師12名全員をクラン加入させましたよ。それとギルドの方から魔術士(亜空間魔法)の紹介がありました。3名で加入させましたから、師匠が担当ですよ」
「勝手に加入させるな、俺も忙しく色々あるんだぞ」
「何言うのですか、クランを盛り上げるのも師匠のつとめです」
その3人は5階で、黒鉄の発掘をしているらしく。
2人は18歳の男女で、政府推進のダンジョン法で今年恩恵を受けた若者であった。
そしてギルドのクラン紹介で、ここの存在を知りやってきた。
もう1人は女性で21歳、クランをクビになってしまった為ギルドに頼み込んだ結果ここを紹介されたらしい。
俺は5階層にやってきた、いつもの所で3人は発掘をしている。
「君達が、三河クランに入った者かな。俺は代表の三河孝司だよろしく」
俺の事に気付き、急いで頭を下げてあいさつをしてきた。
「今から、6階層に君達を連れてゆき1ランク上げようと思う」
「え!6階層に行くのですか、怖くありませんか」
「大丈夫、俺が足を斬りおとしておくから。止めを刺すだけの簡単な討伐だ」
「わたしなんだか、恐いです」
「この指輪をするといい、能力アップの指輪で強くなるはずだから」
「あ!、本当だ力強くなった気がする」
本人達も実感したようで、シブシブついてくる。
岩ガメを見つけては、足を切断していく。
尻尾をつかんで、皆の所に持ってゆくと。あきらめたように剣を振り被り攻撃を繰り返す。
そんな事を何度か繰り返すと、ようやく1人がランクアップした。
「あいたたた・・・これ程痛いとは、思っていませ・・」
女性が痛がっている、それを見ている男女も嫌な顔をしている。
「あきらめろ、ランクアップはいい事だと知っているだろ」
「知っていますが、痛そうじゃないですか」
「そうですよ、わたし恐い」
残りの2人も、嫌がりながらランクアップをさせる事ができた。
3人を引き連れて、5階層に戻り発掘のノウハウを教える。
「お前達、発掘する時なにを考えている」
カズト「え!何も考えてません、ただ収納しろとイメージしているだけです」
リンカ「わたしも同じです」
アオイ「そうですね、品質があがるようにと思いながら収納してます」
「駄目ダメダメだ、それでは普通の黒鉄しか発掘できないぞ」
カズト「何かあるのですか・・・」
「最初に黒鉄と石の分離をしっかりと考えて発掘する。次に黒鉄から下級黒鉄をしっかりと取り出す。残りの黒鉄から中級黒鉄、次は上級黒鉄。漠然とやるな意識してやるんだ」
アオイ「そんな手間の掛かる事、やった事がありませんよ。以前のクランでも教えられてません」
「だから駄目なんだ、そんなあやふやなやり方だから熟練度が上がらない。時間を掛けてしっかり分離と取り出しをしていけ」
カズト「何故そんな事をするのですか」
「そうする事で熟練度の上がりが早くなり。黒鉄も品質も上がる、つまり武器・防具を作ったときに★が与えられる率が上がる。黒鉄と石の分離は一番大事だからしっかりやるんだ」
カズト「本当ですか」
「俺が発掘した黒鉄の等級別だ、下級黒鉄・中級黒鉄・上級黒鉄1人1個収納しろ。そして参考にしながら発掘するんだ」
下級黒鉄
★★
中級黒鉄
★★★
上級黒鉄
★★★★
カズト「おお!★だ、凄いぞ」
リンカ「本当に★がついている」
アオイ「信じられない、本当に★が・・・」
「この材料で剣を作れば、この剣が完成できる。ほれ見てみろ」
下級黒鉄剣
物理攻撃★★
次々と剣を見てゆく3人は、驚く者や考え込む者そして悩んでいる者とわかれた。
3人の、黒鉄発掘を真剣に取り組むようになればいいなと思い見ている。
3人は黒鉄発掘を再開しだした。
かたわらで俺自身も黒鉄発掘をしてゆく。
たまに3人が発掘した、黒鉄の品質を見ながらアドバイスをしてゆく。
「今日は時間だ、地上に上がるぞ」
三河クランに戻ると、女性の2人は急いで上の階へ行ってしまった。
「あの2人は、何処へ行ったんだ」
カズト「屋上の風呂に行ったんです、1時間後が男の番です」
俺の頭は、一瞬止まってしまった。何故だ俺の趣味を踏みつけられた思いだ。
そうか、ユウが単独でやった事だろう。
しかし、今更入浴禁止に出来そうにもない。
2階の作業場にゆくと、若い男達がくつろいでいる。
「君達が、三河クランに入った者かな。俺は代表の三河孝司だよろしく」
頭を下げてあいさつをしてきた。
「どれ、作った物を見せてみろ」
何点か見てゆくと、★付きが何点かあった。
「ユウに教えてもらったのか」
「はい、優しく教えてもらいました」
「そうか、ユウが・・・あのユウが・・・」
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