9階層に挑む
消える布を、15枚も作ってしまい布が少なくなってしまった。
「仕方ない、また探索を始めるか」
階段を下りてゆき、大ネズミ退治が始まった。
6階層の大ネズミは俺の結界盾に触れる事で、体にまとっている腐敗魔法が消されている。
結界盾は、単に魔法攻撃を跳ね返しているものだと思っていたが。
魔法の力を消してから、跳ね返していたようだ。
腐敗魔法を獲得した事で、その事実を見る事ができた。
そして、この大ネズミから取れる青い魔石は。魔法を消す力がある事が分かった。
切断した体から、こぼれ落ちた青い魔石の周囲2mに入った大ネズミの腐敗魔法が消えていたのだ。
多分、魔石に大ネズミの魔力が残っていたので起きた現象かもしれない。
それを見た時から、青い魔石に魔力を込めて、地面に置いて試したが同じ事が起きていた。
この青い魔石で魔法防御の防具が作れないか、あれこれ妄想が浮かんでしまう。
そして次の階段を下りてゆく。
ここでも、能力を獲得した為か、消えている魔物もなんとなく分かるようになった。
次々と討伐してゆくが、この魔物の魔石は紫の色をしている。
普通の透明な魔石なら、電気が取れるので高く売れるのでいいのに。
この紫にも、何か変わった力が有るのだろうか。
そしてこの魔物の肉は白く、粘土みたいで食べる気にはなれない。
「お!ここに階段があった」
8階層に下りてゆく、そして進んだ先に。
北極の海に住む、クリオネに似た魔物が空中を徘徊している。
大きさは30cmもあり、あまり可愛いと思えない。
心臓の赤い部分から赤い物が頭の方に向かい、口から吹き出した。
火球が飛んできたので、結界盾が跳ね返した。
もう1つの結界盾が、大クリオネを真っ二つにすると。
「キューゥ・キューゥ・キューゥ」
鳴き声が木霊して、通路奥まで木霊する。
すると続々と大クリオネが、ふわふわと何十匹もやってくる。
防ぎながら、次々と結界盾が斬ってゆく。
「キューゥ・キューゥ・キューゥ・キューゥ・キューゥ・キューゥ」
もう煩く鳴き声が、辺りを支配する。
多くの大クリオネを討伐しただろう。
そしてようやく、鳴き声もなくなり。大クリオネもいなくなった。
山積みになった大クリオネを収納してゆく。
その素材は、透明な魔石と透明なジェル状の肉のような物だった。
魔石は、高く売れるので嬉しい。
そして、どんどん進んで行くも大クリオネはでてこない。
もしかして、先の戦闘で殲滅してしまったのか。
しばらくして階段を発見。引き返し他の通路を探索。
そしてフロアにたどり着いた。
そこには、2体の巨大クリオネがじゃれ合いながら中央で浮かんでいる。
俺の存在に気付き、火球を2体で連続に吹き出してくる。
3枚の結界盾で辛うじて防いでいる、もう1枚を攻撃に回すも。
この巨大クリオネの動きが、当たる瞬間だけ速くなり上手くかわしている。
しかし執拗に追いかける結界盾。
その為、2枚で防げる状態になった事でもう1枚が攻撃に向かう。
その事で、逃げる1体は逃げ場をなくし斬る事に成功。
「キューゥ・キューゥ・キューゥ」
そのまま残りの巨大クリオネへ、2枚の結界盾が同時に襲い掛かる。
「キューゥ・キューゥ・キューゥ」
「やっと終わった、やはり宝箱が出てきたか」
開けてスクロールを開くと、頭にイメージが入ってくる。
それは、火球を出す事ができる能力。付与も備わっている。
新たな武器が作れる予感がする。
収納した後、階段の方へ向かう事にする。
9階層の通路を進むと、通路奥から手の長いサルがスタスタと歩いてきた。
体を一回転させると、何かを投げてきた。
しかし大きくそれていると思った瞬間、曲がりだし俺に向かう。
近くにあった結界盾で、防げたがビックリした攻撃だ。
又投げてきた、注意しながら防ぎ。1枚を攻撃に向かわせる。
投げようとしている手長ザルの、胴体を切断。
投げていたのは、時代劇の忍者が使う手裏剣であった。
こんな物を、器用に投げるサルに感心する。
次回からは、手長ザルが現れた瞬間から結界盾で攻撃するようにして。
手裏剣による攻撃をさせない戦法に切り替えて進んでゆく。
しかし5匹が同時に、襲ってきた時は少し焦った。
2匹は現れた瞬間に討伐、後の3匹が手裏剣を投げてきたが。
2つは結界盾で防ぎ、残りは黒刀で収納。
2つの手裏剣の後ろから、残りの手裏剣がきた時に本当にドキっとした。
ランク5になっていたから、反応もできたが色々な面でユニークダンジョンは特殊である。
「やっと着いたか、それにしても手の長さが2倍も長い」
その長さを使って、しなりながら投げる手裏剣は、凄いスピードと威力があった。
守る結界盾が、徐々に押され負けしている。
それも、両手を上手く使い器用に連続で投げている。
攻撃する結界盾にも、長い手を使って回転の中心部を叩き軌道を変えさせている。
そして、手裏剣で向かってくる結界盾を攻撃している。
「コイツ、あんがい手強いなー」
又も結界盾を叩こうとしているので、俺は消え、手長ザルのうしろから首を斬り落とした。
戦闘技能に長けた相手であったが、最後は暗黒騎士の強さが上回っていた。
そこに現れた宝箱を開けて、スクロールを開く。
頭に入ってくるイメージは、身体能力のアップである。
「これが、身体能力アップか。体の奥底から力が湧いてくる」
そして、この能力も付与できる事が分かった。
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