プロローグ
人類は新たな時代を迎えた。
世界各国にダンジョンが発生する中、そのダンジョン内には魔物が生息していた。
当初、ダンジョンに入っていった者は、多くの犠牲者を出した。
何故なら現代武器の銃器が通用しない、魔物に弾丸が当たる瞬間にバリヤーのような物で跳ね返されていた。
それは手榴弾でも、同じ事が起きていた。
しかし、ダンジョンに入った人の中には、恩恵が与えられた人が居た。
それは魔法が使える魔術士であったり、剣が使える剣士など職業と言う恩恵が与えられた。
しかし、地上で作られた剣や刀も魔物には通じなかった。
しばらくは、魔術士だけのダンジョン探索が始まった。
魔物を討伐すると、魔石や魔物の素材が手に入った。
その素材の牙や爪を使って、錬金術師によって武器が作られた。
それでようやく、剣士や弓士や槍士が活躍できるようになった。
魔術士は、1つの属性の魔法が使え、2つの属性を使える者は珍しい存在であった。
主に火魔法・水魔法・土魔法・風魔法・雷魔法・光魔法・亜空間魔法・錬金魔法。
8つの魔法が現在まで発見された魔法であった。
その中、魔術士の亜空間魔法は攻撃魔法がなく、運び屋・解体屋と呼ばれていた。
亜空間に討伐した魔物を収納する事ができ、取り出すさいに解体して取り出せた。
それは手作業では不可能な程、綺麗に解体されており品質がよかった。
また、偶然にもダンジョンの壁を収納してしまい、取り出した時には黒鉄と石に解体されていた。
それを使って錬金術師は、刀や剣と矢などを作り一気にダンジョン探索が進んだ。
そのさい錬金術師の組合が多く発足して、互いに競い合った。
世界各国は、ダンジョンから取れる素材を研究。
魔石から電気を取り出す事に成功。
小さな魔石でも、電気自動車を動かせる電力だ。走行時間も、電気自動車の故障で測定不能になったが6000時間を越えていた。
故障さえ無ければもっと連続使用が続いただろう、けれど充分な電力があると証明された。
魔石電力が地方都市で試され、充分に使えると判断された。
主要都市で使われるようになった。
それに伴い、世界にとって素材集めの探索者は必要不可欠になってしまった。
各国は、国民の義務としてダンジョンに潜らせる法律が発足。
発展途上国は、15歳を大人として潜らせた。欧米は18歳とした。
日本も各国の動向を見ながら、18歳になるとダンジョンに1度は潜る法案を成立させた。
それに追随するようにダンジョン法が新たに成立。
ダンジョン発生地の周囲500メートル以内の土地は、適正価格で政府が買取る法案だ。
ダンジョンは政府の完全な管理下におかれた。
赤い魔石には、傷や病気を治す力がある事が分かり色々と使われた。
細かく粉砕して、飲み薬に変えられる事もあった。
医学の世界でも大いに活用され、新たな医学の始まりが起きた。
それは、若返りの研究にも発展。
肌がきれいになる美容液も作られ、市場に出回っていた。
いつしか世界各国は、ダンジョンに依存する社会になっていた。
ダンジョン素材を扱わない企業はなくなり、新たな素材開発をした企業が大きくなった。
それに伴い、各国のダンジョンを統括するダンジョンギルドを発足。
それによって、貧困や格差が徐々になくなろうとしている。
ダンジョン内の新発見や魔物の仔細や弱点が、ネットによって閲覧できた。
◎ダンジョンの1階層から5階層までの魔物は、攻撃しないと襲ってこない。
◎6階層からは、魔物は人を発見すると襲ってくる。
◎1年間以上、ダンジョン内で討伐しないと魔物は地上に出てくる。
◎ダンジョン内で討伐された魔物は、時間が経つと討伐された数だけ復活する。
◎ダンジョン内の魔物と人は、死んだ場合1時間以上放置するとダンジョンに吸収される。
◎10階層にはレア魔物が存在しており、討伐しないと次の階層へ行けない。
◎それは、10の倍数に表れる現象であり。20階層にもレア魔物が存在している。
◎5階層から黒鉄が、亜空間魔法でのみ発掘できる。
◎20階層から銀鉄が発掘できる。
◎ダンジョン金属は、錬金術師しか加工できない。
◎現在ダンジョン到達階層は、25階層が最高記録である。
■ ■ ■ ■ ■
5階層にはどんなに急いでも1時間は掛かる。
かれこれ6時間以上、ここにいる。
俺、三河孝司は、浅見ダンジョンの5階層で黒鉄を掘っている。
黒鉄にも品質差はあった、特級・上級・中級・下級の4つで成り立っていた。
掘った時に出る率は、特級1%・上級10%・中級30%・下級59%である。
品質が良いほど、よい武器が作れるが作り出すにも熟練度がいる。
俺の亜空間魔法は熟練度は星5つのMAXである。
世界でも星4つが最高とされ、俺1人が熟練度MAXでようやく特級の存在を知る。
だから少量であるが、特級の黒鉄が取れるようになれるのだが、今は俺だけの秘密である。
特級の武器は存在しないし、今は銀鉄の武器が最高級として持てはやされている。
しかし銀鉄の品質は下級と中級の物ばかりで、俺から言わせれば上級で作った俺の剣が最高だ。
鑑定結果もそれを証明しているが、誰も信じないまま嘘呼ばわりされていた。
そう俺は魔術士で、亜空間魔法と錬金魔法の使い手である。
錬金魔法も熟練度は星5つのMAX。
特級の黒鉄がようやく武器を作れる量になった。
それを取り出し、空中で魔力を込めながら錬り込んでゆく。
そして刀の形状にしながら、周りに魔力を浸透させていく。
作り始めてかれこれ3時間が経過しただろうか、ようやく完成した。
出来上がった刀身に、赤く血管のような線が走っていた。
歪みがないか確認するも、歪みは無く反りもきれいに出来上がっている。
刀身に鍔と柄を取り付けて、再度刀を見詰める。
錬金魔法の鑑定が最高級であると鑑定していた。
それが合図のように、俺に恩恵が与えられた。
暗黒騎士の職業である。
初めて恩恵を受けた時に、薄くグレーに表示された職業が暗黒騎士。
それをもらう為には、条件があった。黒の最強の武器を握る事である。
少しにやけた顔で、亜空間に黒刀を収納すると。
仰向けになり天井を見上げながら、5年間の歳月を思い浮かべてしまった。
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