入学
「超能力」それは人が起こす質量保存の法則やエネルギー保存の法則を無視した現象の事を指す。
この世界では生まれつき超能力を持って生まれたいわゆる超能力者という者が存在する。
ここ、国立軍事異能力育成学校は日本中の超能力者を一点に集めて育成する超能力育成学校だ。
「うわー…いくら国がめちゃくちゃ金使ってるからって言ってこのスケールの学校はちょっと…いやめっちゃ嫌だな〜」と落胆しまくってるこの新入生は髪は黒色で前髪が目にかかっていて後ろ髪は肩につきそうなくらい長い男性にしては少し異質な髪の毛の長さに、身長は180cmは超える高身長でやや痩せ気味の至って普通?の高校生である。
(友達できるかな?見た目少し異質だし身長高いから怖がられたりしないかな?でも名前は神藤命輝って…普通だよな?)
普通かどうか微妙な名前ではあるがそれを気にし始めたら面倒くさいので何も考えない様にしよう。
(教室は確かぁ…1-5だっけか?1学年7クラスもあるって結構能力者っているもんなんだな。毎年7クラス30名って能力者だらけじゃねえか)
ガラガラガラと扉を開き中に入ると教室内は何故かしんと静まり返っていた。
その上何故か二人の生徒が教室の真ん中に、それ以外が教室の端に固まっている。
「え?」と予想外の出来事にその程度の言葉しか出てこなかった。
「あっ!君」と小さな声で女の子が話しかけてきた。
「なんですか?」
「君、気をつけた方がいいよ。あそこにいる2人は今絶賛喧嘩中なんだよ。」
そう言いながら彼女は指を指す。
そこにはガタイのいい明らかに男性と髪が非常に長く心なしか光って見える恐らく男性がいた
(めんどくせぇ…入学早々なんだよこれ…嫌な予感しかしない)
取り敢えず目立たない様に背景に徹する命輝。
そして恐らく男性の方が怒鳴りだした。
「キサマ何様のつもりだ!ここは私の席だぞ?その薄汚い体で勝手に座りやがって!」
どうやら恐らく男性の席にガタイのいい男性が座ったことが原因らしい。
(それくらい気にすんなよ…)
呆れ果てる命輝。
「だからてめーは何様なんだよ!ちょっとくらい良いだろ!」
だが、他人の席に勝手に座るのもあまり良いことではないので、一方的に片方が悪いと言うわけではない。
「キサマのその薄汚い体が嫌なんだよ」
(うわぁ…ド直球…もう少しオブラートに包めよ。可哀想。)
もちろんこんなこと言われたらキレてしまうのが普通だ。
「てめーー!!覚悟しやがれ‼︎」
ガタイのいい男性の方は見た目通り短気の様ですぐにキレた。そして、右手を恐らく男性に向ける。
ボンッと何かが爆発する様な音と共にガタイのいい男は右手から炎を出している。
「俺様の炎は3000℃!!死にたくなかったら今すぐ謝るんだな」
(3000℃普通に火葬できるじゃん…骨も残らんけどね。)
「フンッその程度で調子に乗ってもらっては困る」
そう言いながら炎を簡単に消してしまった。
「バカな!?3000℃だぞ?そんな簡単に消えるはずがない‼︎」
(あいつの能力あいつと同じ炎系の能力か?それとも…)
「どんなに凄まじい炎の力でも結局酸素がなければ意味がない」
(まさかあいつの能力…‼︎)
「私の能力は空気中にある物質を操る能力さ」
無駄に輝きながら自分の能力を声高らかに言った。
(普通にチート能力じゃねーか)
「クソがふざけやがって‼︎」
ガタイのいい男は男かどうか怪しい男に拳を振り下ろそうとした。
しかし、ガタイのいい男は殴ることも出来ずに倒れてしまった。
「一体何が?」
先程小さな声で話しかけてきた女の子がボソッと呟いた。
「恐らく酸欠だろうね」
「酸欠?」
「あいつ体内にある酸素を一瞬で抜いたんだろう」
「えっ!?それってやばくない?」
「流石に手加減はしてると思うけど…」
しかし、3000℃の炎で襲い掛かろうとした相手になら体内にある酸素を全て奪って一瞬で殺したっておかしくない。
ガラガラガラ…
扉が開く音がした。
そこには皆んなが着ている服とは違った服を着た女性が立っていた。
(教師か?)
「新入早々騒がしい奴らだな」
「あなたは?」
1人の生徒が恐る恐る聞くと
「私はここのクラスを任された幻燈静だ。しかし…なんだこの状況は」
「えっと…中島くんと和泉くんが喧嘩しちゃって…」
「なるほどな。それで…中島はどうした?」
「気にしないでください先生。彼はこうなって当然の事をしただけです。
どちらかと言うと悪い方である和泉は平然とそう言った。
「先生‼︎」
そう言って1人の男子生徒が先程あった事を説明した。
「なるほど…和泉お前は後で職員室へ来い。」
「なっ!」
「当たり前だ」
「ふざけているのですか?」
「ふざけていない。当たり前の判断だ。それとも私に反抗でもするつもりか?」
煽る様に言う先生は少し表情が笑っている様だった。
それが余計感にさわったのか、
「いいでしょう…お望み通り苦痛を味合わせてあげますよ。」
彼は能力を使い教師の体内から酸素を引き抜いた。
はずだった。
実際には教師は顔色一つ変えずに平然と立っている。
まるで何事もなかったかの様に。
「なぜ!?」
「わからないのか?」
「特殊な力を持った生徒が約600名。それを制御する側がなんの対策もしてないわけなかろう」
当たり前だ。600名以上の能力者が反抗したら誰も止められるわけがない。そんな能力者を一箇所に集められるのは何か理由があるからだ。
(まぁ当たり前だな。教師側は何か手段を持っている。それは少し考えれば出てくる。その点、この和泉は強力な能力にかまけてそれ以外の能力が低い。こいつと関わるのは危険だな。)
「我々教師側にはキサマらの能力を無効化する術を持っている。詳細は教えられないが」
「そんな…」
「その上教師も全員能力者だ。我々は必要ならば貴様らに能力を使用することも許可されている。これだけ言えばわかるだろう?」
つまり反抗しても無駄という事だ。こちらは能力を使えないのにあちらは使える。ならば反抗しても痛い目見るだけで終わる。
「今日は入学式が終わったらそのまま下校だがキサマはどうやら初日から指導を受けたいらしいな」
「クソッ‼︎」
和泉は納得がいかないまま担任の静と共に教室を出ていった。
入学式も終わり自宅へ帰還というよりかは生還した神藤命輝は何かを考え込んでいた。
(うーん…どうやって能力を無効化しているんだ?)
そればかりが頭を悩ませる。
(最初に能力検査があったけどあれか?)
記憶にある情報から推測するが如何せん情報が少なすぎる。答えなんて出るはずもなく。
(クソッわからねー。第一強制入学の上、教師絶対とか理不尽すぎるだろ。)
しかし国の方針なので諦めるしかないのである。
(俺の能力で無効化をなんとかできないかな?)
しかし無効化をなんとかしてどうする?どの道無効化したからと言って何かが変わるわけでもない。
(やめとこう…なんとかした瞬間、教師側に無効化が解かれた事がバレるかもしれないしバレた事で面倒事に首を突っ込む羽目になるかもだしな)
と思いながら外を見てみると気がついたら外は暗く立っていた。どうやら相当な時間考え込んでいたらしい。
(昔から気になる事があると良く考え込んでしまう癖があるな俺…時間も時間だし考えるのはよそう)
今日はもう寝ることにし明日またあの普通とは遠い場所に行くことにした。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
初めて書いたので自信はないですし、言葉遣いも不安です。
あたたかい目で読んでくれたら幸いです。
続編は好評だったらやります。
そうじゃないと自分のやる気が出ないので(笑)