第七話
「あなたは死にました」
次の瞬間、私の目の前にロリッ娘が立っていた。
「ロリっ娘じゃない。神様だ。あと男な」
ショタっ娘だったの!? 全然許容範囲ですがな!!
「節操が無いな、お前は。さっき死んだって言われたの、気が付かなかったのか?」
「え? あれ、冗談じゃ無いんですか?」
「冗談じゃねえよ。もうちょっと事態を重く受け止めろよ、お前は」
「そ、そんな事言われても……」
自覚無いもんで。
「それで、私は何で死んだんですか?」
「切り替えが早いな、お前は。まあいいや。死亡原因は、大型トラックに轢かれたためだ」
「はい?」
私は、一瞬理解出来なかった。
「だからな。お前が不倫相手の『蓋又男』と交差点で信号が青になるのを待ってる所に、大型トラックが突っ込んで来たんだよ」
「私、不倫なんかして無いですぅ♪」
「嘘つけ。こっちは、お前が三回も不倫しているのを知ってるんだよ」
げっっっ!!! 何でこのショタっ娘、私が三回も不倫してるのを知ってるんだ!?
「裏を取ってあるからな。あと、さっきから言ってるけど男だからな」
裏が取れてるですと!? ……あれ? そう言えば、さっきから私、心が読まれている?
「今頃気付いたのかよ……まあいいや。面倒臭いからあんたの今後を伝えるね」
「今後!? もしかして、トラックで轢かれたから、神様のチート能力で異世界転生出来るとかですか!?」
私がそう言った瞬間、ショタ神は物凄い目で私の事を睨み付けてきた。
「……そんな訳ねぇだろうがよ。これからお前は、何処の地獄に落ちるのか裁判を受けるんだよ」
瞬間、私の頭の中は真っ白になった。
「……え……? 何で? 何も悪いことしてないのに」
「不倫したろうが。三回も。しかも相手を騙くらかして」
「騙して無いですよぉ♪」
「五月蝿ぇ。さっさとこの扉を通りやがれ。じゃねえと裁判始まらねえから」
ショタ神はそう言うと、私の目の前に手をかざし、大きな門を出現させる。
うわあああ!!! やべぇやべぇ! マジやべぇ!!
「嫌だああぁぁ!! 門なんか通りたくないいぃぃ!! 地獄なんか行きたくないいぃぃ!!」
途端に恐怖を覚えた私は、必死に地面に這いつくばり、駄々をこねる。
「五月蝿ぇって言ってんだろ。お前がこの門を通らないと、私の仕事が終わらないんだよ」
だけど、神様パワーなのか、ショタ神は地面に這いつくばる私を片手でひょいと持ち上げると、遠心力を利用するように私を門の中に放り込む。
「嫌だああああぁぁぁぁーーーー!!!! 地獄なんか行きたくない、地獄なんか行きたくないいいいぃぃぃぃーーーー!!!!」
私の必死の抵抗も虚しく、大きな門は摩擦音を立てながら閉まり出す。私は、どんどん小さくなっていく外の景色を見ながら、門の奥へ引きずり込まれていく……
……嫌だ。地獄なんか行きたくない……
「地獄なんか行きたくないいいいぃぃぃぃーーーー!!!!」
「次のひとー」
……三節へ続く……