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ショタ神の説明するのも面倒臭い  作者: ネオ・ブリザード
第一章 第四節『福余暇子』篇
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第十七話


「あー面倒臭えぇー……。説明するのも面倒臭えぇー……」



 次の瞬間、こちらに背を向け、とても面倒臭そうにへの字にした足で逆の足を掻き、横になっている子供の前に、私は正座していた。




「……あ、あの……」




 私は、理由も解らず目の前にいる子供に話かける。

 すると、子供は愚痴を言いながらもこちらを振り向いてくれた。




「あー、何で失神したかを説明するのも面倒臭えぇー……」




 ……その美麗さに一瞬で目を奪われる私……

 何て綺麗な幼女なんだろ……




「いや……もおー……自分が神様で、男だって事を説明するのも面倒臭えぇー……」




 な……なんだろ、この娘……さっきから、息をするのも面倒臭そうに喋って……は!? 神様!? しかも、男の子!?




「何かもー……絡むのも面倒臭いから、さっさと目の前の門通って、帰ってくんない?」




 ショタ神さんは、起き上がることもなく、私の真ん前にある大きな門を指を差す。


 ……こ、こんな門……さっきまであったかな……?




「……あ、あの……」




 私は正座を崩さないように、門の端っこから向こう側を覗き込み、扉の陰にいるショタ神さんに話かけてみる。




「……こ、ここはどこ何ですか……? それに、元の世界って……もしかして、私、死ん……」


嬉失神(うれしっしん)しただけだあぁ……このリア充があぁ……」



 床にうつ伏せになりながら、とても面倒臭そうに答えてくれるショタ神さん……


 え? 嬉失神? 嬉しくて失神? それってどういう事だろ……?






「まだ思い出せないか、このやろう……お前はな、ここに来る前、彼氏に合鍵を渡されて、同棲しないかって言われたんだよ……もう、死ねば良いのに……」





 ……ああ……



 …………ああああ…………




 …………ひあああっっ!!…………




 私は、あまりの嬉しい出来事に、赤面させた顔を両手で覆い、そのまま地面に踞ってしまう。





「ショタ神さん、何でそんな事知ってるんですかあぁーー!?」


「どうでも良いよ……そんな事……」


「良く無いですよー!!」




 とても面倒臭そうに受け答えするショタ神さん。今まで寝そべっていた身体を嫌々起こすと、重い腰を上げる様に立ち上がる。




「もうね、面倒臭いの。色々と。さっさとあっちに帰って彼氏とよろしくやってくれ」




 私は恥ずかしさのあまり、こちらにゆっくりと歩んで来るショタ神さんに、泣き叫ぶ様に当たり散らす。




「よろしくやってくれって何ですかあぁーー!?」


「よろしくやってくれは、よろしくやってくれだよ。何だ? 一言一句、正確に言って欲しいのか? 子作りの事とか」


「そ、そういう意味じゃ無くってえぇーー!!」





 辺り一面に響き渡る私の叫び声。だけど、泣き叫ぶ私を荷物を扱う様に片手一本で軽々と持ち上げる。



「せえぇーのー……」


「え!? あの!? ショタ神さん!?」



 そして遠心力を利用し、目の前の大きな門めがけて私の身体を放り投げる。




「もうちょっと説明をーーー!!!」




 私の思いは置き去りに、放り投げられた身体は、白く輝く門の内側に吸い込まれていく……


 ……なんだか……とても心地好い……



 扉をくぐり抜けると、門は摩擦音を立てて、ゆっくりと閉まり出す……




 足下に目をやると……そこはどこまでも白く輝く未知の世界……。



 それでも……ずうっと下を見ていると、見覚えのある姿が目に飛び込んでくる……



 げんちゃんだ!!



 床に倒れている私の事を心配してくれている!!




 ごめんね、言ちゃん!! 今帰るからね!!


























      「……お幸せにー」



 ……第四節、おしまい。


 第五節へ続く……

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― 新着の感想 ―
[一言] 嬉失神www これは新しいワードですね!!ww 「……お幸せにー」
[良い点] ハッピーエンドの筈なのに、どうにも釈然としない感じが何とも……。 [一言] いいじゃないの、しあわせならば♪
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