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ショタ神の説明するのも面倒臭い  作者: ネオ・ブリザード
第一章 第四節『福余暇子』篇
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第十四話


 声が消えると、げんちゃんは呻き声を上げ、ゆっくりと瞼を開ける。まるで何処かから戻って来たかのように。




「うわああぁぁん!! 良かったよおぉ! 言ちゃん!! 死んだかと思ったあああぁぁぁぁ!!!!」




 私は嬉しさのあまり、泣きじゃくりながら、言ちゃんの身体を感情の赴くままに振り回してしまう。



「ちょっ……揺らさないで……ゆら……ゆ……吐きそ……」


「……ああ! ご、ごめんなさい!!」



 い……いけない、いけない。感情が高ぶりすぎて、言ちゃんを振り回しすぎちゃった……


 私は右手で涙を拭い、ぐしぐし言いながら、言ちゃんを静かに床に寝かしつける。




「ね、ねぇ……何かあったの? そんなに泣きじゃくって。俺、全然記憶が無いんだけど」


「だってだって! 言ちゃんってば、私がビンタしたら物凄く身体を捻りながら吹っ飛んで、そこの本棚に頭をぶつけて、死んだように倒れちゃうんだもん!!」




 驚きながら後頭部を擦る言ちゃん。とっても痛かったのか、一瞬びくっと身体を震わせる。




「私、ものすっごく心配したんだからあああぁぁぁぁ!!!!」




 駄目だと分かっていても、私は込み上げてくる感情を抑えきれずに、言ちゃんの胸元を掴み、再び激しく身体を前に後ろに揺さぶってしまう。




「……ちょっ……だか……揺らさないで……中身が……おう……」


「……ご、ごめんなさい……!!」



 い……いけない、いけない! 私ってば、また……言ちゃんは頭を打ってるんだから、そっとしてあげないと……


 私は、高ぶる感情を懸命に抑えながら、慎重に床に寝せて上げる。




 すると、言ちゃんは私の事を心配してくれたのか、目尻をそっと拭い、もう大丈夫だよ、と言ってくれた……


 ごめんね……ごめんね、言ちゃん……逆に気を使わせちゃったね……




 私の、過呼吸気味だった息も……少しずつ落ちついてきたみたい……



 ……えへへ




「だからさ……」



「……なに?」




 どうしたの? 言ちゃん……?






「早く退いてくれない? 重いから」





 次の瞬間、私の神の一手が、言ちゃんの左頬目掛け、飛んでいった。


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[一言] いやまあ、第三章を読んでるからこうなるのは知ってましたけどww それにしたって……ww
[良い点] こ れ ま た ひ ど い ! wwwwwwwwwwww [気になる点] ふこーなオチしか見えますん(笑)
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