第十二話
第四節は、6話構成で、1日1話、更新予定です。
私の名前は『福余暇子』むっちむちの20歳。
現在、私はお付き合い中の彼氏『失言太』君のアパートで超絶いちゃいちゃ中……なんだけど、今日の彼は何だか様子がおかしいの。私がどんなに楽しく話しかけても上の空。
「……でね、日剣乃剣子ちゃんがね……」
「あー……うん……」
もう! 言ちゃんってば! さっきから「あー」とか「うん」とかばっかり!!
「ねえ! 言ちゃん!」
「え!? なに!?」
「さっきからどこ見てるの!? 私の話、ちゃんと聞いてる!?」
「聞いてる! 聞いてるよ……」
本当かなあ……もう、こうなったら……
「げーんちゃん!」
彼に抱きついて、私の豊満な胸を押し付けちゃえ!!
「言ちゃんわぁ、本当にぃ、私の話、聞いてるのかなぁ?」
どうだ言の字! お前の二の腕が、私の谷間にずぶずぶと沈んでたまらねえだろ! このやろう♪
「あー……うん……聞いてる……聞いてるよ……」
もおおおぉぉぉ!!! 言ちゃんてばあああぁぁぁ!! 今日は本当にどうしちゃったのよおおおぉぉぉ!?
何か気になることがあったら、胸に溜め込まないで私に言ってよおおおぉぉぉ!!!
「……あ……あのさ……」
なに!? どうしたの言ちゃん!?
「……いや、やっぱり何でもない……」
「え? はっきり言ってよ! 気になるじゃない?」
何でも言ってよ! 私、言ちゃんの味方だよ!!
「……じゃあ、思いきって言うね……」
「うん!」
うんうん!
「余暇子ちゃんさ……その……」
「なあに?」
もう! 焦れったいわね! 早く言ってよ!
「……最近……」
……さいきん……?
「……太った?」
次の瞬間、私の電光石火の平手打ちが、言ちゃんの右頬めがけて飛んでいった。




