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7 解体

「あ~~~、ちかれた~」


やっとマイホームに帰ってきたぜい!重さは思ったほどじゃないんだけど、モコモコしてて持ちづらいんだよなー。

さて、念願の毛皮を手に入れたわけだけども、剥ぎ取らんといかんのよね。

んーーー、毛だけ毟ったらバラバラになっちゃうよな?あ、そっか。毛皮っていうくらいだから皮ごと剥ぐんかな?


「うぇええええ・・・やりたくねー」


しかし地面に直で寝るのはもうイヤだ。くそーやるしかねえのか・・・。

どっから切ればいいんだ?えーとえーと、背中のところはキレイに残したいからー、腹方面に切れ目入れてくか?なんか内蔵とかグチャっと出てくる気がするんだが・・・、あーもうくそー!慎重にいくかー。



何度も吐きそうになりながら、出来るだけ丁寧に毛皮の剥ぎ取りを終える。


「うっぷ、おえ・・・あーやっと終わった・・・・・」


念願の毛皮ゲットだが、気分最悪だし全然嬉しくない。そしてもの凄く血生臭いし獣臭い。

こんなんで寝れるかい!・・・ちょっと洗うか?これ。

モンスターだしなー。このまま使ったら変なの沸いてきそうだし。


ザブーン


泉に毛皮を投げ入れた。ジャブジャブゴシゴシと揉み洗い。

ハッハッハ。聖水で穢れを清めてくれるわ!


(ちょ!聖なる泉になんて物投げ込んでるのよ!)


ん?なんか聞こえたような・・・気のせいか。


「よし!お前はちょっとそこで清まってろ」



毛皮はとりあえず放置して、グロい現場を何とかしよう。

・・・ぬう、これは酷い。


この肉食えるんかな?・・・ん?そういやここ来てからなんか食ったっけ?

腹減らないから全然気付かんかったわ。ゲームだから腹減らんのかな?まあいいや。

しかし目の前に肉があると食ってみたくなるもんだ。


けどモンスターの肉だからなあ・・・。よし肉も清めよう。


泉に肉も放り込む。


(おい子供!いい加減に、、あーもういいわ。好きにしなさい)



「よーし!もう食えるだろう」


根拠はないが、完全に清めたからいけるはずだ。

肉を並べたあと、とんでもない事に気付く。


「しまったああああああああああああああ!!火がねえ!!!」


当然小学生のポケットにライターなんて物が入ってるわけない。

焼かないと、さすがに生で食べる気はしない。


ぐぬぬぬぬ・・・不覚であったわ。ちくしょー肉食いてえなー・・・。

こんな時に魔法でも使えたらいいのに。MPあるんだから火くらい出なさいよ!


呼吸を整え、腹に力を入れて精神集中・・・。


「火よ!!!!出ろーーーーーー!!!」




出た。






************************************************************






「ファイヤー!!」


スッゲーーーー!!!とうとう魔法きちゃったよ。あれだよマジシャン!!・・・ん?マジシャンだとなんか手品師みたいだな。なんて言うんだっけ?んー、、ああ魔法使いでいいじゃん。


「ファイヤー!」「ファイヤー!」「ファイヤー!」


興奮のあまり何度も火を出して遊んだ。


あれ?でもこれ飛んでかねえな?


「ファイヤー飛んでけー!」


お!飛んでった。そっか、そういう風にイメージしなきゃダメなんだな。

なんてったっけ?この魔法。あーファイヤーボールか。今度からそう呼ぼう。


よーし、肉焼くぞー!


「ファイヤー!」


肉の塊に火をぶつけてみる。ボフッと火に包まれてすぐ消えた。

なんか違う。こうじゃない。


手頃な大きさに肉を切り、肉に剣を突き刺した。


「ファイヤー・・じゃなくて弱火!」


ガスコンロの燃え続ける火をイメージする。うん出来た。


「もうちょっと強火!」


おおう、いい感じだ。

剣に肉を刺し魔法で焼く。非常にワイルドである。


いい匂いがしてきた。

んーそろそろいい感じかな?多少レアでも問題あるまい。清めたし。

ハフッハフッ!


「うんめーーーーーーーーーーーーーー!!!」


モンスター全然いけるじゃん!捌くのは苦労したけど、やった甲斐はあった。

明日からは毛皮と肉集めだな!あーでも肉こんなに食いきれねえか。


そして切っては焼き、切っては焼きを繰り返した。


「もうお腹いっぱいだああああああ!」


あー、食った食った。でも最後のほうちょっと飽きた。

せめて焼き肉のタレとか塩とかあればなー。

タレ考えた奴は天才だな。どうやって作るんだろ?醤油とか混ぜるんかな?

っつーかこんなとこに醤油とかねーし!塩もねーし!


「誰か!誰か塩を持ってまいれ!醤油でもいいぞ!」


ふぃ~、まあ無いものはしょうがねえ。今度どっかで買おう。


あーそうだった・・・現場を片付けるんだった・・・。

ごたごたしたのはゴブさんゾーンに捨てるか。アイツなんでも食べそうだしな。

・・・お?緑の石発見!モンスター全部石あんのかな?

全色コンプリート狙うか!?そういやシャツの中にもいっぱいあるんだった。

無くさないように、ひとまとめにしておこう。


しかし魔法かあ・・・。これでモンスター倒すの楽になりそうだよな。


「ファイヤー!」


火の玉がヒュンっと飛んでいき壁に当たって消えた。

もっと強烈な火作らんとモンスター死なないかもしれん。


精神統一をし、もっとパワーを込めてみる。

フオオオオオオオオオ!お、いい感じ。もっとだー!!!



気絶した。


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