53 3階のボス見学
「3階のボスでも見に行こうぜ」
「ん?あーいいかもな。ドラゴンが来てデュラハンが来てだから、ぜってーツエーのが居るだろうよ」
1階ですでにドラゴン出てるのがおかしいよな。普通ドラゴンってラスボスじゃん。
っていうか最初にいた場所のすぐ横にいたし、ここ色々と間違ってるよな。
「そろそろ魔王だな!」
「魔王って、それもうラスボスだろ?3階には居ないんじゃねえか?」
「んーー、まだ早いか。んじゃ巨人とかだな」
「巨人ねえ・・・、硬いのはもう勘弁だ」
あんまり大きい敵だと、チビ結界で上に登って行かなきゃならんし大変だな。
「すぐ行きたいんだけど準備どう?」
「あー、魔剣もあるし問題はねえな。偵察だけだろ?」
「うん、見るだけ」
「ならすぐにでもいいぞ」
「んじゃ手貸して。・・・3階の階段降りたとこに転移!」
・・・・・
「よし、到着!」
「つっても一瞬だけどな。そういやふと思い出したが、2階ボス横の部屋に棺桶置きっぱなしだな。結局使わなかったし、後で回収して上の部屋に置いとくか」
「アニキ、棺桶じゃないぞ!」
「もうめんどいから棺桶でいいわ」
とうとうアニキも棺桶と認めたようだ。ってかそれ以外の呼び方だと長くなるしな。
「んじゃ、しゅっぱーつ!!!まずメタボのおっさんが居るから、アニキ戦ってみるといいよ」
「ほう?おやじ狩りか。昔そういう犯罪があったな」
「モンスターだから大丈夫」
「んじゃ魔剣で行ってみっか。おっさん系なら食えないし素材にもならんだろ」
「うん。魔石だけでいいと思う」
話しながら歩いてるうちにメタボおっさんを発見。
「なるほどおっさんだ。どれ、サクッと行ってみっか」
ダダダダダダ
「ガーーーーーーーーーッ!」
ハンマーアタックだ。アニキがサッと避けて簡単に討伐する。
「見た目ほど強くはないな。これなら速い魔物のほうがやっかいだ」
「オレもここは楽勝だった。でも魔石取り出さなきゃならんのだぞ」
「あーーーそりゃ確かにキッツイわ・・・」
アニキがしぶしぶ魔石を取り出す。
「人型だとたまらんな、コレは」
「次おっさん3人だけどどうする?」
「まあそのパターンだよな。ついでだから俺が行っとくわ」
ってことでトリプルおっさんズもアニキがサクッと倒した。
「で、ここが噂の分かれ道だな?」
「左ダメ!絶対!!」
「どんな猿か見るだけ見てみたい気もするが、糞投げて来るんじゃやめとくか」
「特攻服に付いたら致命傷だぞ!」
「oh・・・、そいつぁやべえな。右行くべ」
・・・・・
ってことで右折。少し歩くと、そこには人がいっぱいいた。
「おお!アニキ、人がいるぞ!」
「1、2、・・・5人か?」
「おーーーーい!!!そこの人たち!!こんな所で何・・・を、ってなんか」
「ゾンビじゃねえか!!!」
どうも様子がおかしいと思ったらゾンビかい!
念のため鑑定をしてみる。
名前 :グール
「ゾンビじゃなくてグールだってさ」
「違いはあるのか?それ」
「ゾンビ見たことないからわからん」
「まあ、そうだよな。で、どうする?」
「オレ行ってみる」
「OK、気を付けろよ?」
こっちに気付いているのかいないのか、よくわからんけど動きは遅そうだ。
でも顔とか腐ってグチャッとしてるし目玉飛び出てるのもいて、ミスリルソードが確実に汚れるからダマ剣の出番かな。この剣にはそれほど愛着はない。
シュタタタタタタ
ダマ剣を一閃!
手前のグールの首を切断した。
「ウヴァアアアアアアアアァァァ」
2体目のグールが腕を振り上げて攻撃して来た。
「うお!速い!」
なんとか躱したが、動きは非常に遅いのに攻撃速度が速い。
さらに剣を持ったグールも襲い掛かって来る。
「チビ結界!」
剣を結界で防いで2匹目の首も斬り飛ばす。やべえなこいつら結構つえーぞ!
「ぐあっ!!!」
後ろから攻撃が来て、前に吹き飛ばされた。
「何で!?どこから・・・」
「オラァ!!!」
アニキが後ろのグールを叩き斬った。
「コテツ大丈夫か!!?コイツだ、最初に首落とした奴が生きてやがった!」
なんだと!?
「クソッ!手伝うぞ!?こいつらは危険だ」
前に吹き飛ばされたので、残り2体がすぐ目の前から襲い掛かってきた。
「危ッ、チビ結界!、ガハッ」
もう1体の剣持ちグールの攻撃を防いだ所で、後ろからさっきの剣持ちに斬られた。
マズイぞ!
痛いのを我慢しながら、ダッシュで少し離れてポーションを飲む。水筒開けてる暇なんかない!
アニキが剣持ち2体と戦っている。ごめんアニキ!ちょっと待っててくれ。
よし、痛みが引いてきた!
「アニキごめん!もう大丈夫」
剣持ちグールの首を切断し、どうやったら倒せるか考えてると閃いた!
「わかったぞアニキ、聖水だ!水筒の水ぶっかけろ!」
「聖水か!」
アンデッドには聖水って最初にやったことなのに、気付くのが遅れてしまった。
最初に思い出していれば、こんなに苦労せずに済んだものを・・・。
そしてようやく聖水によって、ピンチを乗り切ることが出来たのだった。




