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27 チャーシュー

「なあコテツ」


コンキンコンキン


部屋に戻ってアニキの剣の修理をしているわけだが、ゴーレム用の武器も必要なんよな。オレは黒ゴブの棍棒あるから必要ないかもしれん。


「どうした?アニキ」


アニキは鑑定の特訓中だ。


「ゴーレム用の武器よ、ハンマーとか金棒ってさっきは言ったが、やっぱり金属バットにしてくれ。中身は空洞じゃなくて鉄ギッシリの壊れない奴で頼む」

「バットかー。悪くないな」

「あとよ、ラーメン作る時に使うようなデッカイ鍋も頼む。高さがあるやつな。剣集めてくっからよ」

「ほう?ラーメン作るのか?」

「いや、さすがに小麦粉も無い状態でラーメンは作れん。醤油いっぱいあるからよ、ドラゴンのバラ肉でチャーシュー作ろうと思ってな」

「おおおおおお!!!チャーシュー食いたいぞ!!」

「だろ?ドラゴンチャーシューだぞ?どう考えても美味いに決まってる」

「鍋とバットはまかせろ!」

「頼むわ。んじゃちょっと剣集めて来るぜ」


アニキの剣は修理中なのでバスタードソードを渡した。

とりあえずはアニキの剣だな。といってももうほとんど直ってるんだが、歪みがあってはならない。職人に妥協は許されないのだ。


その後アニキが持ち帰った剣で、金属バットと寸胴鍋を完成させた。鍋を火にかける時の土台と、ついでに包丁も5種類ほど作ってみた。


「バットってそんな感じよな?」

「おう、いい感じだぜ。かなり手にしっくりくる。」


アニキが素振りをしている。根本のぷっくりしてる所も再現したから、スッポ抜けはしないハズだ。


「よーし、んじゃチャーシュー作っぞー!」

「おー!」


鍋に醤油をドボドボ入れていく。んでどうやら酒も入れるようだ。


「人によって作り方も色々あるが、俺はこのシンプルな味付けが好きでな」


バラ肉を程よい大きさにカットし、鍋にどんどん投下していく。

・・・なるほど、あんまり大きい塊だと醤油が中まで染み込まないもんな。


「よし、あとは火にかけるだけだが・・・土台あったよな?」

「おう!さっき作っといたぞ」

「流石コテツだな。注文し忘れてたのに先読みして作っていたか」


そして火にかけて1時間ほどコトコト煮込んだ。その間にアニキが、俺も先読みだと言って箸を5セットほどと長い箸も作っていた。


「おーなるほど!長い箸は鍋から肉を取り出す用だったのか」

「おうよ!そーそー今度オタマも作ってくれ。スープとか作ったら必要になる」

「わかったー」


料理用の器具は全部揃える必要あるな。原始人生活から一歩前進だ!




・・・・・




「うめえええええええええええええ!!!」

「素材が高級だと、ここまで凄い物が出来上がるんだな・・・」


ドラゴンチャーシュー

こいつぁすげえぜ・・・。非常にご飯が食べたいであります!


「アニキ、ご飯が食いたいぞ」

「食いてえなあ。せめて小麦粉ありゃラーメン作れるかもしれんのによ」

「ラーメン食いてー」

「ウチの実家がラーメン屋でよ、材料さえ揃えばなんとか作れるんだがな。小麦粉と、かん水もしくは重曹、あとは卵でもあれば良い麺が作れるハズだ」

「かん水?」

「んとな、アルカリ性の水じゃなきゃもっちりした麺にならんのよ。普通の水だと、うどんになっちまう」

「その辺は聖水でなんとかなるぞ」

「いや、飲んだ感じのあの美味さとか考えても、たぶんかん水の変わりにはならんな」

「そっかー。どっちみち小麦粉無いしダメか」

「野菜とかも手に入る感じじゃないから、ここ脱出してからだろなあ」


ガチャから調味料は出るけど、食材その物は出たこと無いんだよね。

でも出てない色とかまだあるから出る可能性は無くもないか。


「ふー食った食った」

「チャーシューにしとけばいつでも食えるから半分ずつ持っとくか。あーコテツ、入れ物いっぱい作った方がいいかもしれん。チャーシュー入れたいのもあるが、聖水とか2人とも持ってたほうがいい。いつどこで怪我するかわからんしな」

「おーそうだな。聖水の入れ物ってどんなのがいいんだ?」

「普通にでかい水筒でいいんじゃねえか?コテツのように鍛冶出来ない場合は、動物の皮とかで袋作ったりするのだろうけど」

「水筒か。・・・蓋ってどんなだっけ?」

「ああ、そういや蓋の事考えてなかった。思い浮かぶのはねじる奴だな。ペットボトルの蓋もアレねじるタイプよな」

「おーなんとなくわかってきたぞ。内側にねじねじの出っ張り付ければいいか」

「言いたい事はわかる。たぶんそれだ」

「んじゃサクッと作る」

「任せた。俺は鑑定のレベル上げするわ」



ってことで入れ物を4個、水筒を2個完成させた。ねじねじが最初上手くいかず作り直したが、まあ理想通りのが出来たと思う。


「アニキ!出来たぞ」

「お疲れさん。お?いいんじゃね?」


チャーシューを切って入れ物に収納し、水筒にたっぷり聖水を補給した。


「さて行くか。・・・レジェンドを回しに!」

「とうとうこの時が来たか!」

「今回はコテツがやっていいぞ。ドラゴン戦で俺は1度離脱してるしな」

「でもトドメさしたのはアニキだぞ」

「まあそうだが、最後まで戦線を維持したコテツのほうが貢献度は高い。俺は次でいいわ」

「そっかー、わかった。んじゃ気合い入れて本気でガチャるぞ!」



レジェンドですよレジェンド!やっべーな・・・超ワクワクするぜ!


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