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23 アニキの部屋

「なあアニキ、血抜きって何だ?」

「あん?獲物仕留めたとき血抜きしねーと生臭くて食えたもんじゃねえだろ。つかコテツの部屋にあった肉って血抜きしてねーの?アレ」

「しとらんぞ。清めただけだ」

「清め?ああ、泉にぶち込んだんだっけか。まあそれで美味くなるっつーんなら必要ないことかもしれんが、普通は血抜きするもんだ。コテツのは特殊なやり方だ」

「ほー、なるほど。泉はココにしかねーもんな。そっか血抜きなんてするのか」

「ドラゴンみたいなデケーのは大して血抜きも出来ないだろうが、このナイフがありゃ話しは別だ。とにかく今はドラゴンに集中したいから、道中の魔物は魔石取るだけにすっべ」

「わかったー!んじゃナイフはアニキが持ってて」

「あーそうだな。ナイフの強度わからんから戦闘には使わんでおこう。二度と手に入らんかもしれん物を壊すわけにはいかねぇ。んで俺のバッグだが、着替えた服しか入ってないがとりあえずそっちに入れといてくれ」

「オッケー、よし準備出来たぞ」


マジックバッグを肩から提げる。重くもないしそれほど戦闘の邪魔にもなるまい。

さーてサクサクっと魔石集めましょーかね!






************************************************************






「おー、ここだ。着いたぞ」

「ほんとに何もねーな、アニキの部屋」

「安全地帯としか思ってなかったからな。寝るのに使ってただけだ。でも解体には最適だろ」

「だな!んじゃドラゴン出すぞ」

「よーし、来い!」


どどーんとドラゴンが横たわった。やっぱデケーなこいつ。


「よし、んじゃ切断面のとこに黒ナイフ刺してみっか」

「ブラッディナイフって名前だぞアニキ」

「ほう。名前も物騒だな。お!確かに血吸ってやがる。すげぇけどエグいな」


おーすげー。こういう使い方が出来るとはやはり銀だけのことはあったか。

5分くらい経ったが、やっと斬りつけた足のほうまで吸った感じかな?吸ってる音しなくなった。


「よしそろそろオッケーだろ」

「アニキ、頭も一応やっといて」

「あーそうだな。そっちもやっとくか。出していいぞ」


出した。ウム、凶悪なツラだ。

ところでマジックバッグの中、血まみれじゃないだろうな?

ナース服を取り出してみる。なぜか大丈夫そう。不思議なバッグですな。


「よし、頭も完了だ!解体すっぞー」

「鱗とかツノとかキバとか、とにかく全部貴重な気がするぞコレ」

「確かにそうだな。なんせドラゴンだしな・・・しまった!もしかすっと血も貴重だったのかもしれん。もう遅ぇけど」

「たしかに。でも液体を大量に入れるような物ないし、まあいいんでない?どうせまた復活するっしょ」

「それもそうだな。とにかく鱗も皮も傷は最小限で慎重にいくぞ」

「おうともよ!解体は得意だぞ。アニキこのナイフ使ってくれ。前に何個か作ったんだ」

「お、流石だなコテツ。ブラッディナイフは血抜き以外では使わんことにしよう」


さーて、解体頑張るとしますかね!


まだ鍛冶職人極めてない頃に作ったナイフだから、解体に耐えきれるか不安だったが何とかなりそうかな?皮切るとき慎重にやらないと欠けそうだけど。


「皮さえ突破すりゃ、後は楽だと思うんだがな」

「ナイフ全部持ってきてないし、作ろうにもハンマー無いから凄く気を使うのがキツいな」



・・・・・



やっとこさ皮剥ぎが終わった。


「アニキー、これ清めとくぞ」

「ん?泉にか?・・・そういや皮の鞣し方なんてわからんが、もしや毛皮作った時もそうやって泉にぶち込んだんか?」

「そうだぞ。一晩浸けとくと穢れがとれて生まれ変わるのだ」

「ほー、間違いなく普通のやり方では無いが、すげぇ発見だなそりゃ」

「聖水だからな!邪悪なモンスターを清めるのだ」

「そうか。ドラゴンが邪悪なのかは知らんがまあやっとくべ」


さーて次は肉の切り分けだな。


「アニキ!カルビってどこだ?」

「腹だな。バラ肉との違いはちょっとわからんが、肉の部位のことならなら多少わかるぜ。肩のあたりがロースで腰んとこがサーロイン、そのあたりにヒレ肉あってあとはモモ肉か。ただドラゴンだから牛とかとまったく同じでは無いだろう」

「さすがアニキだ。なんとなく種類ごとに分けようぜ」

「そうだな。そのほうが食うときに楽しめそうだ」


肉質の変化を見分けながら分別していく。


「アニキ、出たぞ・・・大物だ」

「やっぱそうだよな?こんだけの獲物だ。あるとは思っていた」


土の魔石(大)を手に入れた!


「うおおっっしゃああああああああ!レジェンド来たーーーーーーー!」

「こりゃあドラゴンは優先して倒す必要性が出てきたな」

「フオオオオオォォ!石ゲットしただけなのに手が震えてきたぞ」

「まあ何にせよそれは肉食ってからだな。内臓には傷付けないように気を付けろ」



テンションが最大まで上がったので集中して解体を終わらせた。



・・・・・



「アニキ、骨とかもバッグにとっとくぞ?」

「おう。全部貴重だと思っていいだろう。速攻で木狩ってくるから、ドラゴン素材はバッグに入れといてくれ」

「わかったー、剣も5つくらいお願い」


やっと食えるぞー!調味料一式も出しておこう。今回はフライパンじゃなく、バーベキューみたいに焼いて食べた方がいいな。



「狩ってきたぞ。乾燥頼むわ」

「まかせろー、乾燥しろ!」


よーし、あとはバーベキューセットをちゃっちゃと作成だ。

その前にハンマー作りか。


「高温!」


剣の温度が急上昇し赤くなっていく、で床にコンコンコンっと。


「前も見てて気になったんだが、コテツって鍛冶するのに火使わねーよな」

「最初は火でやってたぞ。でも煤で黒くなるからヤメた。こっちのほうがすげー楽なのだ」

「魔法か・・・。ホント何でもアリだな」



あとはめんどいから泉で冷やしてー、っとハンマー完成。


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