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20 震えが止まらん

「どうした?アニキ、何をそんなに慌てて、とりあえず落ち着け」

「バ、バカ野郎!これが落ち着いていられるか!特攻服だぞ!特攻服!」

「え?これそんなに凄いのか?」

「ちょ、ちょっとそれ良く見せてくれ!」

「お、おう」


アニキに手渡す。おー・・・なんかプルプル震えてるぞ。


「・・・・・・、コテツ、これ譲ってくれ!石なら速攻集めて来てやる!」

「いや、アニキにはよく集めて貰ってたし、タダでいいよ。アニキ使いなよ」

「いいのか?じゃあ貰うぞ。おぉ・・・やべえ、手が震える」


「よ、よし。着替えよう」


アニキが喜んでくれて良かった。気合い入れてガチャっただけのことはあったな。


「おーアニキ!背中の『天下無双』がカッコイイな!」


「・・・・・」


アニキは泣いていた。男泣きとかいう奴か。わかるぜ!その気持ち。


「コテツよ・・・、俺は今までこんな素晴らしい特攻服に出会ったことがねえ。着心地、肌触り、そして圧倒的なフォルム!全てが完璧だ。もう脱ぐことは無いだろう」

「いやアニキ、たまには着替えようぜ。臭くなるぞ」

「些細な問題だ。むしろ脱ぐほうが辛いと言ってもいい」

「でもよーアニキ、他の色のも出るかもしれねーぞ?」

「!!?な、なん・・・だと!?確かにそうだ。誰がこれ一着だけだと決め付けた!?そうか、これは始まりだったのか」

「当然だ!ガチャの可能性は無限だぞ!」

「ガチャか、すげえな・・・。正直、子供のオモチャだと思っていた。今なら、お前が興奮してた理由がよくわかる」

「よーし、そろそろ次いくぞー!他のも色々あるんだ。んじゃまずノーマルいってみっか」


えーと(小)1個か。紫の石多いから、これから使ってくかね。

ボックスに(小)入れて、と。よし光った。


「行くぜー!」


ノーマルだろうが手加減はせんよ。集中!考えるな、感じろ!


ここだ。

菩薩のような穏やかな心、無心に近づくほど冴え渡る。


ガチャコン


「色は!?・・・チッ、青か。いや諦めるのはまだ早い。中を見てからだ」


開けてみる。カードに書かれた文字は・・・塩?

ポフッと塩の入った袋に変わった。ご丁寧に『塩』と書いてある。


「なんだ塩か。・・・いやいや、これはアリだ!肉に味が付くぞ!」

「おお!いいじゃねえか!へー、ガチャって何でも出るんだな」


いや、ガチャで塩が出たのはさすがのオレでも初めてだ。てかココじゃなけりゃ塩なんか出たらぶん投げるとこだ。


「青って、説明見た感じ1番ハズレなんだろ?ハズレで塩ってコレ結構凄くねえか?」


たしかに凄いかもしれん。焼き肉のタレとか出るかな?


・・・・・


ガチャコン


「ふむ、緑か。まあ開けてみよう」


カードには【胡椒】と書いてある。

ポフッと小瓶に入った胡椒に変わった。粉にしてあってすぐ使える奴だ。


「おっしゃ!これで塩コショウでステーキが焼けるぞ!」

「いいじゃねえか!緑で胡椒ってことは胡椒は塩よりちょっと価値高いんだな」

「アニキ、醤油とかも欲しいよな?もうちょいノーマル続けてみるぞ」

「出るといいが、何が用意されているかは謎だな」


ガチャコン!


「お?力強い音が、あっ赤だ!」


カードには【歯ブラシ】と書かれていてポフッと変化した。


「よっしゃー!これは欲しいと思ってた一品だ」

「おおおお!もう一本当ててくれ、それは俺も欲しい。つーか俺もひとっ走り魔石集めて来るわ。出来れば自分の物は自分で出したいしな」

「あいよー」


大剣を担ぎアニキはダッシュで飛び出して行った。

よし、こっちは当然続行だ。


ガチャコン


青か。おーやった!味噌だ。やっぱ青も全然悪くねえぞコレ。


ガチャコン 青 塩

ガチャコン 赤 鉛筆削り

ガチャコン 赤 紙50枚

ガチャコン 赤 フライパン

ガチャコン 緑 サラダ油


そしてやっと醤油が青から出てくれた。うーん、銀以上はなかなか出ねえな。しかしフライパンと油が手に入ったのはナイスだ。よく考えたらステーキ焼くのにこういうの必要じゃん。

お?アニキが帰ってきたぞ。早かったな。


「あークソ、なんか入れ物持ってけば良かったぜ」


シャツの中からジャラジャラと魔石を取り出す。30個くらいかな?


「アニキー、醤油とか油とか出たぞ!ほら、ここにあるのが今出したやつ」

「ほーーお、肉焼くの楽しみだな。なんだコレ?鉛筆削り?コレだけあって鉛筆はねーのか」

「まだ出てない。でも少しわかってきた。赤は雑貨が出る」

「ほー、やっぱ色によって傾向があるわけか。よし、俺も回すぞ!」

「おー!とうとうアニキが動く時が来たか。どれいく?」

「当然デラックスだ!」


なるほど、違う色の服狙いだもんな。

アニキがデラックスガチャに魔石(小)を10個投入する。レバーが光った。


「これは緊張するな・・・。ちなみに運は悪い方だ」

「とにかく集中だ!そして無心になるんだ。欲を出すと失敗する」

「お、おう。なるほどな、要は気合いか」


アニキの集中がマックスになった。お、回した!


ガチャコン


「クソがー!青かよ!いや、まだ中を確認するまでは」



出てきたのはでっかい鞄だった。


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