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168 魔法学校の生徒

「オラたちは普通の村人だべ。今日もこれから畑仕事だあよ」

「どこからどう見ても普通の村人じゃないわよ!これから畑仕事ってもう夜じゃない!それに普通の村人はこんな高級宿に泊まらないし!」

「ハハッ!」


なかなか鋭い三段ツッコミだ。アニキやレベッカに匹敵するキレの良さだな。

というか口調もレベッカに似ている。顔と声は違うが。


「まあ魔法学校の生徒じゃないことは確かだぞ」

「やっぱりそうよね」


女がオレの体をペタペタ触ってくる。


「くはっ!おい、くすぐったいぞ!」


「なんなの、このきめ細かい生地は・・・。とても細い糸を編み込んであるのかしら?こんな服を作れる職人がいるなんて信じられないわ」

「その服ってそんなに凄いの?私にも触らせて!」

「あっ!私も!」


「アヒャヒャヒャ!おい、くすぐったいって!」


なんかいきなり女にモテモテだぞ!(服が)

隣を見ると、アニキの方も同じく女にもみくちゃにされていた。

いつものアニキならキレてそうなもんだが、相手が女学生なので満更でもなさそうだ。むしろ幸せそうだ。




「あ~~~、笑い死にするとこだった」


「だってこんな服見たの初めてなんだもの」

「私もこんな良い服見たことない!」

「魔法学校の制服が一番凄いと思ってたのに上には上があるものね」

「意外と筋肉が凄かった」


やっぱ地球の技術って凄いんだな。誰かがミシンでも発明しないと追いつかないか。もしかしたらどこかにミシン存在するかもしれんけど。てか変なのが一人混じってたぞ!くすぐってたのはこいつか!


「でもこの服を作れる職人って、世界に存在するかわからんぞ?」

「え?なんで?その服を作った人は?」

「ガチャから出た服だから、誰がこれを作ったのか知らんし」


「「ガチャ!?」」


食事が来たのでみんな席に戻った。まあ同じテーブルなんだけど。

オススメセットは、よくわからん肉のステーキとサラダにパンだ。


「おお!このステーキ結構美味えな」

「春風亭よかメシは美味いかもしれん。セットが当たりだったのかもだが」



料理を食べ終わって、最後に出された紅茶をまったり飲む。


「ガチャって最近話題のヤツよね?神殿に突如出現したって噂の」

「たぶんそれで合ってるぞ」

「服だけが出るの?」

「何でも出るぞ。剣も鎧も盾も塩も釣り竿も」

「えええー!じゃあ服だけを狙えないじゃない」

「んーとなー、ガチャ台って4種類あるんだよ。あーここだと5種類かもしれない。んで属性ガチャからは装備品が出やすくなってて、服が欲しいならデラックスガチャだ」

「なるほど、デラックスね?あーそれってもちろん女物も出るわよね?」

「出まくるぞ!何度も見て来た光景だから確実だ」


まあ出したのは全部アニキだけどな。


「たしか魔石が必要なのよね?」

「ああ、えーとな、デラックスを回すには魔石(大)1個か、魔石(中)10個が必要だぞ」

「はい!?(中)が10個!?」

「うむ。ちなみにガチャを回すとカプセルが出て来てだな、そのカプセルの色でレア度がわかるようになってる。一番弱いのが青で、そこから緑、赤、銀、金、虹と強くなって行って、赤いカプセルの中には全部服が入ってる」

「単純に1/6ってことよね?(中)魔石を10個も使うのに1/6は厳しいわよ」

「甘いぞ。赤いカプセル引いても男物の可能性が半分だ。しかも好みの服を引けるとは限らないしな」

「はあ~、そうなるともう服を一着手に入れるのすら夢のまた夢ね」


ダンジョンならもっとちょろいんだけどな。オレら感覚では(小)魔石10個だから。やっぱガチャに関してならオレらってすげー恵まれてるぞ。


「夢か。魔法学校の生徒なら強くなればガチャり放題じゃん。S級ダンジョン行けば雑魚1体倒すだけで(中)魔石ゲットだ」

「S級ダンジョンですって!?無理に決まってるじゃない!」

「死ぬ気で頑張ればなんとでもなるぞ。えーと、そういや名前聞いたっけ?」

「まだ言ってないわね。サーシャよ」

「オレはコテツだ。でな、そうだな・・・、サーシャが夢に向かって突き進むために、デラックスガチャからどんな女物の服が出るか見せてやろう」

「え?女物の服まで持ってるの!?」

「プレゼントするわけじゃないからな?夢に突き進むための、言わば目標だ!」


バッグから出すふりをしてアイテムボックスからセーラー服を取り出す。中二病祝いにアニキがテキトーに寄越したヤツだ。


「「わあ~~~~~~~!!!」」


なんだ!?一斉に歓声が上がったぞ。話を聞いてたギャラリーか!


「す、すごく可愛い・・・、これがガチャから出るのね」

「しかも性能も並じゃねえぞ!鑑定は使える?」

「使えるわ!すなわち普通の服じゃないという事ね?」


サーシャが鑑定を使い、次の瞬間驚きで目を見開く。


「斬撃耐性、衝撃耐性、火魔法耐性、自動修復(小)!?サイズ自動調整!?」

「「はい!?」」


「何なのよこれ!!鎧並みの防御力だというの!?それに自動修復にサイズ調整って、こんなの初めてみた・・・」

「どうだ?少しはやる気が出たか?」

「出たなんてもんじゃないわよ!みんな!明日から超本気出すわよ!」

「「当然よ!!!」」



とんでもなくやる気が出たようだな!見せるだけにして正解だったようだ。


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