表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/184

16 ドア

「なあ、2人いるんだし打ち合いしてみねえか?」

「打ち合い?決闘か!?」

「いや決闘ってほど本気ではやらん。稽古だ稽古」

「おう、いいぞ!」

「あ、ちょっと待て。俺らには絶望的な弱点がある」

「な、なんだってー!?」


アニキが自分の体をペシペシ触る。


「装甲がやわすぎる。ぶっちゃけると防御力なんぞ皆無だ」

「おう!普通の服だしな!」

「なのであの大剣で戦ったらドラゴンの前に大怪我だ。ちょっと木刀作るわ」

「おお~木刀か~」

「あとよ、この部屋結構お宝いっぱいあるだろ?」

「お宝しかねーぞ」

「今は誰もいねーけど、泥棒が入るかもしれん。誰でも入って来れるしよ」

「んーたしかに」

「ドア付けた方がいいんでねーか?」

「おードアかー。出来るかなー?」

「あー、そうだなー・・・こう両手開きの作って」

「お城とかにある奴わかるか?こう押して開けるんだ。んで閂とかかける。俺もお城なんて生で見たことねーけど、なんとなくわかるべ?」

「かんぬき?ってのよくわかんねーけど、なんとなくわかったぞ」

「閂ってのは、まあ鍵みたいなもんだ」

「鍵かあ。どんな仕組みなんだろ?」


アニキも考えている。鍵は普通に使ってたけど、仕組みなんていちいち考えないよな?


「こう鍵を捻るだろ?すると鉄のストッパーがこう横から出てきて、外側にある穴に入るんだよたしか」


あーなんとなくかわるかもしれん。でも漠然としかわからん。


「あ、そうだ南京錠ならあるぞ。ホレ」

「おーさすがアニキだ。なんでこんなん持ってんだ?解剖してみていいか?」

「あー偶然だ。好きにしろよ、どうせ使うことなんかねーから」

「サンキュー、アニキ」

「んじゃま、作るとすっか」

「おう!」


ダブル職人の誕生である。アニキも木彫り職人目指すのかな?ライバルだ。やべえな気合い入れんと。


・・・・・


いやー苦戦した。ごちゃごちゃしてるし、バネとか俺クラスの職人じゃないと作るの無理だろ。でもこれ作った奴天才だわ。俺1人じゃ絶対考えつかねえよこんなん。

見たまんまコピーだからなんとか出来た。デカイのもいけると思う。


「アニキー・・・出来たけどすげー疲れたぞ」

「お?マジか。コテツおめーマジすげえわ。ん?でも鍵だけか?」

「ドアは明日にするー、もう今日は無理」

「そっか。まあ無理する必要はねーよ。木刀なら出来たぞ」

「おー、明日から特訓だな!」

「おう!無理しない程度になー。あー明日木取ってきてやんよ。ドアに使うだろ?」

「おー、アニキに任せたー」


やっぱアニキいい人だなー。頼りになるぜ。






************************************************************






―――――【神殿】―――――



「へーーー、ヤンキーけっこういい奴じゃない!ま、趣味じゃないけど」


人は見かけじゃ、わからないものね・・・。

ここに送ってしまったのはミスだったけど、仲良くしてくれて助かったわ。




・・・・・




それは子供とプロレスラーを、ダンジョンに送った少し後のことだった。



「殺すぞガキ!」

「あ?ヤッさんだろうが、引くつもりはねえぞコラ!」

「テメェちょっと調子に乗ってないか?このままじゃ洒落にならんぞ?」

「うっせぇ!やんのかやらんのかハッキリせえや!」


はぁ、なんで今度はヤクザとヤンキーが来るのよ・・・・・。

勇者だよね?絶対人選間違ってるでしょ!どうするのよこれ・・・。


「ほぉ、いい度胸だ。死んでも恨むなよ?クソガキ」

「上等だ!この野郎」


「はいストーーーップ!あんまりここで騒がないでくれる?」


あーめんどくさいなあ。どう見てもこの2人はないでしょ。


「あ?なんだテメェは」

「あ?なんだココは?」


はいS級ダンジョン行き確定。ヤクザのほうは・・、えーとココなんかいいんじゃない?

で、と。ヤンキーはココね。


「じゃあ、がーんばってねー」




2人は何が何だかわからないまま転送された。




・・・・・




「はぁ、疲れたわね。次こそまともなのが来ればいいけど」


送った先を一応確認してみる。

あっ!しまった!ヤンキーのほう、子供送った所じゃない!

うーん、大丈夫かなあ?まあ送ってしまったものはしょうがないわよね。


「うん。もう知ーらないっと」


次はイケメンが来るといいわねー。



この女神、結構適当である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ