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129 勉強勉強また勉強

「これはまた随分と大量に捕って来ましたね!」

「わたしが優勝したのよ!」

「優勝?」

「誰が一番魚を釣ることが出来るか、大会をやったんだ。まあ参加者は三人だがな」

「ほほう。凄いじゃないかアンナ」

「こんどはお父さんもいっしょに行こうね!」

「ハッハッハ。次は私とメルも参加したいですな」

「だな!次は全員で行こうぜ」


やっぱ大会は大人数でやったほうが白熱するに決まってる。三人でやってもあんだけ楽しかったんだからな。ただ釣り竿が1本足りないからガチャで引き当てる必要があるな。いや、オレが作るか?リールを作るのは難しそうだが、見本があればたぶん作れるだろう。あ、糸が厳しいのか・・・。ダンジョンの蜘蛛の糸ならそう簡単には切れないからアレを細く巻ければイケるか・・・。



店を閉める時間になったので、釣って来た魚を焼くことにした。

魚の捌き方をアニキがみんなにレクチャーする。


アニキって暴走族だよな?なんで魚捌けるんだよ!?暴走族ってスゲエな。

それとも魚屋でも目指してたんだろか?


下準備が出来たので、金網を使って焼きまくることにした。


「おぉー、これは美味そうだ」

「このダイコンみたいな野菜使っていい?」

「そこにある物はどれでも好きなだけ使って下さって構いませんよ」


やっぱ魚には大根おろしだよな!

前にノーマルガチャから大根おろし器が出たんだよ。でも肝心なダイコンが無かったのでお蔵入りしてたんだ。ようやく出番が来たぞ!


ダイコン?みたいな野菜をおろしていく。大根おろし器考えた人すげえよな。こんな簡単に大根おろしが出来上がるんだから。

味見をしてみると全然ダイコンじゃ無かった。まあでもこれはこれで魚に合いそうな気がするから問題無かろう。



・・・・・



「うんめーーーーーーーーーー!!」

「おいしーーーー!!」

「これは美味い。醤油でしたか?非常に魚に合いますな!」

「店長、魚ってこんなに美味しかったでしたっけ?」

「あの湖の魚はよく食べますが、こんなに美味しく感じたのは初めてですよ」

「確かに美味いな。アンナちゃん先生が釣った魚だから尚更美味いのかもな」

「そんなの当たり前じゃない!」

「「わはははははは!」」


通常のより美味いんだとしたら、それって間違いなく聖水パワー効いてるよな。どんな食材でも美味しくなるとか、聖水パワーってマジ神すぎ。ちなみに大根おろしは好評だったぞ。






************************************************************






最近は毎朝、字の勉強の前に運動がてらダンジョン1階で狩りをして、ノーマルガチャだけをぶん回している。調味料だけじゃなく紙や鉛筆とかも欲しいからな。街で暮らすようになると日用品の方が重要になって来た感じなんだよ。おかげで調味料のストックは売る前の状況にまで一気に復活した。

店長が醤油に興味持ったようなのでまた売りに出すかもしれない。



第一回釣り大会から一ヶ月ほど経った。


もうこれで二ヶ月くらい勉強漬けで過ごしたことになる。

アンナちゃん先生からまだ合格の発表はされて無いが、オレもアニキもかなり上達したんじゃなかろうか?


ステータスの知力が最初よりむっちゃ増えてるハズなのに、それほど頭が良くなった気がしない。ステータスにある知力ってもしかすると魔法に関しての効果だけかもしれんな・・・。ただ、高速思考と並列思考は間違いなく体感出来ている。字の勉強の最中なのに釣り竿の仕組みも同時に考えたり出来るのだ。



「来たわね!今日もビシバシ行くわよ!」


アンナちゃん先生のいつものセリフから勉強は始まる。

最初に単語を覚えまくったわけだけど、アンナちゃん先生はまだちんちくりんゆえに知らない言葉も結構多かった。なので最近はメル姉が暇な時間に手伝ってくれるようになった。報酬はちゃんと払ってるぞ。


「次は『潰すぞ、クソバカ野郎』で頼む」

「酷いセリフねえ。それ、言う事はあっても書く事なんてあるの?」

「一応だ、一応。もしかすると書きたい時が来るかもしれんだろ。まあ今のセリフじゃなくても、書きたいのに書けないってのが嫌なんだよ」

「まあ報酬貰ってるわけだし、ちゃんと教えますけどね」


オレは今自動翻訳オフなのでアニキの言葉しかわからん。だが会話を聞くに、変なセリフに文句を言ってるところだと推測される。なのに覚えるのはアニキじゃなくてオレってどうなのよ?


ちなみにアンナちゃん先生は、オレ特製のジグソーパズルをやっているところだ。

木をベニヤ板くらい薄く切断し、クマの絵を描いてから絵の具で色を付けその上にニスを塗り、パズルのピースになるようにクネクネと切っていった。結構いい出来だと思う。絵も上達した。

店長がパズルを見て出来の良さに驚いてたな。ただ手間がかかりすぎるから、2号を作って売りに出すことは無いだろう。クマのパズルはアンナちゃん先生にあげたけどね。



そしてさらに一ヶ月が経ち、字の勉強はようやく合格となったのだった。


「画面下の評価ボタンを押すと作者のやる気がとんでもなく上がるらしいな」

「アニキ、ブックマークも嬉しいみたいだぞ」


ということで今週も土日は2話ずつ投稿します。

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