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120 街の散策

この街の冒険者ギルドは普段から昼間であっても賑やかである。

しかしこの日は二人の出現によってギルドは静まり返った。


喧騒の中ギルドに入って来たのは、白い服を着た男と黒い服を着た男の二人組だ。

とはいえそれが普通の冒険者だったならば静まり返るなんていう事は無い。


この二人は纏ってる雰囲気がどこかおかしかった。そしてその眼光は鋭い。

着ている服も見たことが無い様なデザインで、かなりの値打ち物だという事が一目でわかる。

黒い男の方は眼帯を付けていて、小柄ながら幾度の修羅場をくぐって来たオーラを纏っている。白い服の男も同等でかなりの手練れだろうことが伺える。


誰もがその異様な風体を観察してると、グレグが立ち上がり二人に絡み始めた。


グレグ、Cランク冒険者。実力もさる事ながら非常に好戦的で、よく揉め事を起こす危険な男だ。


白い服の男に因縁を付け始め、外に連れ出そうとしている。きっとあの服を奪い取る気なのだろう。

しかし次の瞬間、眼帯の黒い男に殴られ吹き飛んだ。


とはいえグレグはCランク冒険者だ。

すぐに反撃して殴り合い、下手をすると殺し合いになるだろう。

・・・だが予想に反してグレグは倒れたまま起き上がらなかった。


そのまま白と黒の二人組は受付で手続きを済ませ、ギルドを出て行った。



・・・・・



「お、おい!何者なんだ?あの二人組は!」

「し、知らん!あんな恰好した奴なんか一度見たら忘れんだろう。だが俺の記憶には無い」

「出身は最北の村とか言ってたな?誰か見たことある奴はいないのか?」

「村になら前に行ったことはあるが、あんな二人組は知らんぞ」

「格好良かった!」

「イケてたよねー!」

「いや、アレはヤベーだろ!絶対近寄らん方がいい!」


それぞれ受けた印象は違うようだ。


「おい、グレグ起きろ!おい!・・・あー、ダメだこりゃ」

「完全に伸びてる」

「グレグが一撃でやられるとはな・・・」

「かなりの手練れだ。お前らもあの白と黒に絡むのはやめとけ」



その日のうちに、白と黒の二人組の噂はギルド中に広まるのだった。






************************************************************






「ここか?」

「たぶんここで合ってるだろう」


受付のおねーさんに宿屋の場所を聞いて、まずは泊まる場所を確保することにしたのだ。



「いらっしゃい。二人かい?」

「んだ」

「朝夕の食事付きで一人一泊2000ギランだよ。二人部屋なら3000ギラン」

「一人部屋だよな?」

「あーそうだな。まずは一泊だけしてその後予定を決めるか」


銀貨4枚を支払った。


「部屋は2階の一番奥2つだ。それにしても変わった格好だねえ」

「ん?この格好って変か?」

「あんたら冒険者だろう?普通はみんな鎧とかローブ姿だからねえ」

「なるほど。でもこの服は下手な鎧よりも頑丈だぞ」

「へーーーっ!どれほどの値打ちもんなんだか。二人とも、夕食はあまり遅くなると食べられなくなるから注意しなさいよ」

「あいおー!」

「了解だ」


とりあえず自分らの部屋を確認する。

清潔で悪くない感じだ。やっぱ村の宿屋と違って作りもしっかりしてるな。

オレらの場合部屋に入っても、アイテムボックスあるから置く物とか無いんよね。

なので確認したらすぐ宿屋の外に出て来た。



「さて、宿屋の手配はこれでOKだ」

「んじゃテキトーにぶらついてみようぜ」

「だな」


初めての街は広く、見所満載だ。ん?


「ア、アニキ!あそこにいる人!」

「あん?」

「耳生えてね?動物の!」


「・・・生えてるな。いや、作り物か?」

「流行ってるとか?」

「尻尾もあるな」


犬のコスプレなんだろか?ああいうのも悪くないな。


串肉を焼いてる露店があって、美味そうな匂いに釣られて購入。

肉はちょっと硬いが味はまあまあだった。


「色々あっておもれえな!」

「逆に今までが酷すぎたとも言える。文明からかけ離れた生活だったしな」

「もうこれ元いた世界と絶対違うよな」

「外国に来たとかそういうレベルじゃねえわ。完全に別世界だ」


武器屋があったので入ってみた。


「村の武器屋と違って色々あるな」

「聖剣とかねーかな?」


「お?あんたら初めて見る顔だな。どんな武器が欲しいんだ?」

「聖剣置いて無いの?」

「聖剣だあ?流石にそんな物は置いとらん」

「んーーー魔剣は?」

「魔剣か。あるにはあるが高いぞ?金はあるのか?」

「いくらくらい?」


「これが魔剣ゾーリオだ。3000万ギランってとこだな」

「3000万!?」

「金貨で3000枚か。随分と高いもんなんだな」

「魔剣はどれもこれくらいの値段はするぞ」

「アニキの魔剣売ったら大金持ちじゃん!」

「いや売らんぞ」

「なんだ?にいちゃん魔剣持ちか?」


アニキがマジックバッグから魔剣グランディスを取り出した。


「マジックバッグ持ちとは驚いた!」


鞘から剣を抜いて店主に見せる。


「ほお~、魔剣グランディスか・・・実に見事な大剣だ。高かっただろ?」



ガチャの景品なんだけどね。それにしても剣ってスゲー高いんだな。


明日も2話投稿です。

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