表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

114/184

114 特訓開始!

早朝村の入り口に集合した。


「ん?小僧どもが集まるのはわかるが、今日は白いあんちゃんらも一緒か」


見張りのおっちゃんが話し掛けてきた。


「これから二人に鍛えてもらうのよ!」

「ほーう。それはいい心掛けだ。ガンガン鍛えてもらえ!」

「望む所だ!」


おっちゃんと別れ、村を出て森の方に向かって歩く。

いい感じの原っぱがあったので、そこで修行をすることにした。



「よーし、んじゃまずは全員のメイン武器を見せてくれ」


カールとザックスは剣、ポイトとレイラは槍、ネイは弓と風魔法を使うようだ。


「なるほど。バランスのいいパーティーだ」

「んじゃ最初は構えからだな」


全員武器を持って構える。

みんな構えがバラバラだってことは、今までちゃんとした教えを受けたことが無いんだな。


アニキがツーハンデッドソードを持ち、不意にザックスの足元を剣の側面で叩いた。


「ぐあっ!」


ザックスが痛みで(うずくま)る。


「構えってのは非常に重要だ。その構えだと足元の攻撃に対処できまい?」


アニキがリザード流の構えをとる。


「まず腰を落とせ。棒立ちじゃ腰から下の攻撃に脆い。構えはこうだ」


「槍は剣の構えと少し違う。まず腰を落とすのは一緒だけど構えはこう」


自然とアニキがカールとザックスに指導、オレはポイトとレイラに指導という形になる。剣と槍じゃやっぱ違うしな。

問題はネイだ。弓と風魔法なんだよな。


「弓の特訓は残念ながらオレも熱心にはやってないので、ネイに教えられることはそう多くないんだ」

「私はいいので、みんなの指導をお願いします」


ネイは遠慮するけど一人だけ仲間外れにはしたくない。


「いや、弓の達人と何度か戦ってるので、少しくらいなら指導出来ると思う」


アイテムボックスから疾風の弓を取り出し、少し遠くに生えてる木に弓を射る。

まあこれくらいの距離なら当てるのは楽勝よ。


「「おおお!すげーーー!」」

「こ、これで少し!?」


みんな驚いてるな。フハハハ!なんでも練習しといてみるもんだな。


「弓の構えはこうだ。重心がブレないようにしっかりと構える。そう、左手はもっとしっかり固定する」

「こう?」

「そう、そんな感じで。持つ方の腕がブレると命中率が悪くなるから気を付けて」


指導している間にアニキが的を作ってくれた。


「とりあえず今の構えであの的に当てる練習しててくれ」

「はい!わかりました」


んじゃレイラとポイトに槍の指導の続きだ。


「んじゃさっきの続きだ。構えて!」

「「はいっ!」」

「ふむ。もう少し腰を落として、これくらい。そう、んで槍をこう振り下ろす」


指導するなんて初めてだけど、むっちゃ修行しまくったから基本の動作を教えるくらい楽勝だ。それにしてもアニキは俺より全然スパルタだな。


「その構えを維持しながら素振り200回!始め!」






************************************************************






「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」

「はあ、はあ、はあ、ふーーーっ」


なかなか様になって来たな。

カールとザックスもいい感じになって来ている。


「ネイは風魔法も使うんよね?」

「ハアッ、ハアッ、は、はい!」

「命中率も上がってきたし、そろそろ次の段階だ。今度は矢を放つ時、矢に風魔法を纏わせて撃ってみてくれ」

「矢に魔法を!?」

「オレは風魔法使えんから指導出来ないけど、予想では、上手くいけば最速の矢を放つことが出来ると思ってる」

「なるほど・・・、やってみます!」

「MPが切れたら修行出来なくなるから最小限の風で何度も練習だ」

「はい!」


実は疾風の弓で矢を放つと自動で矢に風を纏うんよ。最初気付かなかったんだが、ゴブの弓で撃った時にいつもの威力が出なかったからそれに気付いた。なので風魔法使いならきっと同じことが出来ると思う。



「アニキ、そっちはどうだ?」

「まだまだだが、最初よりは遥かに成長したな」

「こっちもまあまあだ。でも一番成長したのはネイかもしれない」

「ほう。弓はコテツもそれほど特訓してないだろう?」

「まあな!でも弓って剣や槍と違ってさ、ちゃんとした構えするだけで命中率上がるんよね。今は矢に風魔法纏わせて弓の威力上げようと特訓中だ」

「なるほど・・・、接近戦と違って成長が早いわけか」


「そろそろ日も暮れて来たから、今日はこのくらいにしようぜ」

「そうだな。みんなバテバテだし丁度良かろう」


「よーし全員そこまで!」


それを聞いて五人共大地に崩れ落ちた。


「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、」

「もう無理・・・」

「ぜーーーはーーーぜーーーはーーー」

「はあ、はあ、はあーーーっ」

「・・・・・・」


昼休憩でお弁当食べた以外ずっとやってたからな。


「今日は基本だけをやったわけだが少しは成長の手応えを感じてる筈だ。明日からは実戦形式で修行をやるから期待しててくれ!ってことで、お疲れさん!」

「みんなお疲れー!」


「「ありがとうございましたーーー!」」



まだ特訓1日目だが、みんないい目になってきたな!明日も鍛えるぞー!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ