第19話 仲間たちと共に
「リラン、着替えをしたいんだが更衣室はあるか?」
『あ、あそこにある部屋を使って』
サシュウが腰のベルトに縛り付けてくれたハンカチをなびかせながら、更衣室へと向かう。皆が驚いている隙に着替えてしまおう。
メディスが顔を赤くして目をそらす。君のお尻も日頃からすごいことになってると思うんだけど。
まあ、今は俺のほうが大変なことになっているか。風が吹くたびにハンカチが持ち上がって、たまに丸出しになるんだよね。スカートって大変なんだな。
着替えを済ませ、皆の元へと戻る。
「お待たせしました」
城へ戻り、各人用意された部屋へと案内される。人間族用の部屋だ。夕食に招待され王たちと共に食事をする。王も人形態となっていた。
「正直驚いたぞ。あそこまで強大な力は見たことがない」
笑いながら俺に話しかけるザーデン。リランの件は後でこっそり言うとして、飛空船のことを聞いてみようかな。
「王は飛空船というものをご存知ですか?」
「その昔、飛空船とやらに乗って人間族が竜族と共にここへたどり着き、国を作ったという伝承がある」
「この城の図書館にその手の文献があるだろう。調べてみるといい」
昔の人間族と関りがあったのか。後で調べよう。
「お主はこれからどうするつもりだ? 何か旅の目的はあるのか?」
「特に考えていません。今は旅が楽しいんです」
「ハッハッハ、そうか。良かったらこの国で暮らしてもいいぞ」
「考えておきます」
夕食を終え、部屋へ戻り一人考える。
ふむ。目的は本来の世界に帰ることなんだけど、そのことは誰にも話してはいない。そろそろ彼女たちに伝えるべきだろう。それから身の振り方も考えてもらおうか。
…
…
今日は寝よう。
翌日、皆で朝食を済ませ、城を出てランレクンを散策する。しばらく歩いき一本大きな大木があるところで昼食を食べる。食後、俺は意を決し、話を始めた。
「皆、聞いてくれ。大切な話がある」
「王にはああ言ったが俺には旅の目的がある。俺は違う世界からここへ来た。言わば異世界の人間だ。本来の世界へ戻るため旅をし、情報を集めている」
皆静かに俺の話を聞いている。
「目的を達成したら俺はこの世界から居なくなるだろう。今まで秘密にして済まなかった。急な話だ、混乱もするだろう。しばらく考えて、今後どうするか各自で考えてくれ」
「え? 私はついていくわよ」
即答するサシュウ。
「不思議な力を持っていると思っていたけど、そう言う事だったのね。少し驚いたけど、今までが今までだし」
「私もついていきます。元の世界へ帰るお手伝いをさせてください」
「メディスと同意見だ。そもそも助けてもらった分はお返ししないとな」
「僕も僕も!」
「いいのか? みんなそれで」
皆揃って「いいの!」と言う。少し心が晴れた気がした。しかししこりが残る。もはや彼女たちは大切な仲間だ。俺は彼女たちを残して、この世界に別れを告げることができるのだろうか。
「浮かない顔ね。どーせ利用してるんじゃないかとか、みんなと別れるのが辛いとか考えてるんでしょ?」
鋭いなサシュウ。俺の心を読んでるレベルだぞ。
「とりあえず元の世界へ帰る方法を探して、見つかったならその時考えればいいんじゃない?帰えるか残るか」
皆も頷く。サシュウにはかなわないな。
「ああ、そうしよう。これからも皆、よろしく頼む」
満面の笑みと共に手を差し出す。彼女たちも手を伸ばし手を重ね合った。
きりがいいところで一旦終了とさせていただきます。
今までお読みいただきありがとうございました。




