第18話 レオン無双
出発当日、荷物をアイテム袋に放り込み俺達五人とリランの部下たちは、街から外へ出て森の中へ入っていく。
「ここなら目立たないかな。それじゃ皆お願い」
部下に指示をするリラン。立木に隠れ服を脱ぐと、変身を開始した。巨体で翼を持ち体色は緑。固そうな鱗を持つ竜達がこちらへと帰ってくる。
竜になると巨大化する。服をそのまま着ていると破けちゃうんだな。
「よし! 僕も竜形態に!」
その場で脱ぎ始めるリラン。慌てて止めるウチの女性陣達。部下の皆さんも止めてください。
「え~、ほぼ皆雌だしいいじゃない」
文句を言いながら立木の裏まで引っ張られ、しぶしぶ竜へと変化した。
竜形態となり地響きを起こしながらこちらへ向かってくるリラン。他の竜よりも二回りは大きく色は白色。
『皆部下達に乗って~。あ、レオンは僕ね!』
『準備はいいかな? いよいよ竜の国へ出発!』
重く響く声を張り上げ、俺たちを乗せた竜の集団は空へと舞い上がっていった。
途中休憩をはさみながら竜達は飛行する。そろそろ日が沈むというところで小川があり、開けた土地に着陸する。
『今日はここで一泊をしよう』
竜たちは岩陰に隠れて人形態となり、キャンプの準備を始める。俺達もテントを張りだした。
辺りは夜の闇に包まれ、焚火を囲んで食事をする。
「竜の国は険しい山々に囲まれた場所にあるんだな。徒歩では辿り着けそうにないな」
「歩きじゃ無理かな。空を飛べないと」
そういえば、エターナルチャージには飛空船という乗り物があって空を自由に行き来していたな。こちらの世界ではまだ見ていないから存在しないのだろうか?
三日間移動の末、巨大な城が見えてきた。周りの岩山にいくつもの穴が空いており多くの竜たちが出入りしている。
「竜が沢山いるな」
『結構いるでしょ? 一時期は絶滅しかけていたらしいよ。さて着いた、ようこそ竜の国ランレクンへ!』
地上に降りる。周りを見渡すとその規模の大きさに圧倒された。巨体の竜たちが住まうのだから当然と言えば当然だが。
リランを先頭に、俺たちは城の中へと入っていく。通路の横幅がとにかく広い。奥行きもかなりだ。
しばらく歩くとこれまた大きな階段がある。それを上るとそこには豪華な宝飾に彩られた王座に白いドラゴンが鎮座していた。
『お久しぶりです、父様。リランただいま帰りました』
『久しいなリランよ、元気そうで何より。して、後ろにいるのがお主の仲間か?』
「初めまして竜の王よ、私はレオンと申します」
皆も王に挨拶をする。
『我はランレクンの王、ザーデンだ。遠いところからよく来てくれた。その人間の男がレランの婿か?』
『はい、そうです』
「違いますよ?」
『ガーハッハッハ! 聞いておる、聞いておるよ』
冗談か。この場の冗談はシャレになりませんよ、王。
『着いて早々悪いがお主の力を見ておきたい。何やら不思議な力があるとか。我の娘に手を出す奴はぶっ殺……じゃなかった、どうだ我と手合わせをしてみぬか?』
手を出してきているのはどちらかと言うとそちらの娘さんなのです、王。
「申し訳ありませんが、互いに傷つけあうことはしたくありません。出来れば力試しという形でなにかあれば良いのですが」
『父様、僕もレオンの意見に賛成します』
『ふむ……ならばアレをやろうか』
ザーデンと共に城をから出て、訓練場へと移動。その場所の地面は深く掘り下げられていた。
『ここには防御壁発生装置がある。防御壁へと向かって攻撃を加え、どれだけ壁を破ったかで攻撃力がわかる』
人形態の竜達が複数の操作盤の前に立ち、装置の起動を始める。
『では我から参ろうか』
防御壁の前に進むザーデン。周囲の空気が揺らめき出す。口を大きく開け炎のブレスを吐き出した。
50枚中18枚か。威力が高そうだ、対戦をしなくてよかった。
「ではこちらの番ですね」
まずは極炎竜皇から。
(出番だ)
(よかろう)
炎と共に巨大な竜が姿を現す。
『こ、この巨大な竜は一体!?』
『零獣です。僕も父様への報告後に見たんだ』
『覇炎残塵』
炎を纏う赤い光線が防御壁を突き抜けていく。35枚か、かなり固い防壁だな。
『凄まじい破壊力だ……』
「次は私がやります」
念のため防御壁を増やしてもらおう。
「王よ。防御壁を100枚まで増やしてもらえますか?」
『ん? ああ、可能だが』
防御壁が100枚となる。さて、現状で最大の攻撃を繰り出すとするか。
現在のクラスは竜源魔導士。
アイテム袋からSSRの杖を取り出す。コイツの特殊効果で、魔法攻撃力が物理攻撃力へと変わる。杖を握ると西洋剣の鍔のようになっている先端から金色に光り輝く刃が姿を現す。
次はスキル。竜源魔導士をレベル50にすることによってリランの人型形態のような竜人化出来るスキルを覚え、使用することで攻撃力が倍増する。そしてその上位スキル、このクラスのスキルを指定数レベル30にすることによって習得可能なスキル、黄金竜人化を発動。
金色に輝く角、翼、巨大な尾が俺の体を突き破るように生え出てくる。
さらにいつもの魔法付与で、魔法攻撃力を上げ、杖の効果でそれが物理攻撃力へと変換される。
零獣滅士の攻撃スキルを使う。片手で杖を中段に構え、体を捻り溜めの体制をとる。刃はより一層光を増す。
『永退閃』
大気を貫きながら杖を突き出し、巨大な光の矢が射出され、防御壁を貫いていく。 極炎竜皇の記録を大きく超え、やがて光が四散した。
68枚か。100枚もいらなかったな。
『……』
ふむ、皆言葉を失っているようだ。最近は頼りきりだったからたまには良いところを見せないとな。
サシュウが白いハンカチを取り出しこちらへ駆け寄ってくる。ふふふ、白旗と言ったところか? そこまでしなくていいのに。
「レオンさん、ズボンが破けてお尻が丸見えよ」




