6.セリシールは門番に会って話をする
遅くなりました
いつもより少し長めです
門に近づいていくにつれて、どんどんと期待が膨らんで行った
そして、鼻歌を歌いながら歩いていると門に着いた。門の近くには柵が設置されていてしっかりと外敵から街を守れるようになってるみたい
「でも…これだと突発的に出てくる邪龍なんかが来たら壊れそう」
神界では、たまに邪龍が入り込んできて神が討伐しに行くことがあったんだよな~その時手に入る龍のお肉はジューシーで美味しいんだよね。思い出してたらヨダレが…
「龍の肉売ってないかな~」
私がそう呟くと
「嬢ちゃん、龍なんてそうそうこんな街には来ないよ」
突然、男の人に声をかけられた
「うわぁ!びっくりした。どちら様ですか?」
私がそう聞くと男の人は
「俺か。俺はここの門番をしてる男さ。お嬢ちゃんは龍を見たことあるのか?」
「一応何回かは。戦ったことはないですけど…」
「そりゃそうだ。龍と戦おうとする奴なんて、だいたい自殺志願者か勇者様さ」
そう言って、門番さんは笑った。そうして、門番さんは私の腕の中のスライムちゃんを見て、驚いた顔をして
「嬢ちゃんが抱えてるそのスライムは『スクレ・スライム』じゃないか?」
「スライムちゃん、そうなの?」
スライムちゃんに聞くと
ポヨン?
「分からないんだ」
「スライムに聞いてもわからんだろう。というか、お嬢ちゃんはスライムと話せるのか?」
「いえ、何となく言ってることが分かるぐらいです」
「それでも、充分すごいと思うが……おっと、こんな所じゃなんだから、門の中に行こうか」
「わかりました」
私は門番さんについて行って門の中に入った。ここはもんと言うよりは、関所みたいだな。門番さんが進めてくれたので、門の中にある応接室みたいな所の椅子に腰掛けました。その時、スライムちゃんは私の腕からテーブルの上にぴょんと飛び乗ってコロコロ転がってる。私は門番さんからお茶を貰って飲みましたがあまりいいものではないようで雑味があって美味しくありません
「すまんな、ここにはいい茶がないからな」
「いえいえ。だいじょうぶです」
私がそう答えると門番さんはほっとした顔になりました。その後真剣な表情になって
「さてと、お嬢ちゃんはこの街に何をしに来たんだ?」
この質問には本当のことを答えないと
「この街に住もうかと思って…」
「そうか。なら、大丈夫だと思うんだが決まりなんでなこれの上に手を置いてくんないか?」
そう言って、水晶をテーブルの上に置いた
「これは?」
「お嬢ちゃんが犯罪とかをしてないかどうかを確認するためのもんだ。個人情報は出ないから安心してくれ」
別に個人情報とかはいいんだけど。取り敢えず、こうやって手を於けばいいのかな?
そう思って、私は水晶の上に手を乗せた。すると透明だった水晶が緑色に変わった
「よし、思った通り大丈夫だな」
「良かった。もしダメだったらどうなるんですか?」
「その時は、赤色に変わるようになってんだ」
「なるほど」
私が安堵していると(人を殺したことなんてないけど何となく不安になっていたから)
「スライムはどうするんだ?」
「どうとは?」
「従魔にはしてないんだろ?見た感じ従魔紋がないし」
「友達なので…」
「それだと、街の中に入れないんだよ。この国の法律で人間の居住区内に入れる魔獣は、従魔のみになってるんだ」
「そんな」
従魔じゃなきゃいけないなんて。そんなことしたくないのに。どうしよう…
私が考えていると、門番さんが
「悩むなら、本人に聞いてみたらどうだ?こいつはかなり知性があるみたいだしな」
と言ってくれた。そうか聞いてみればいいんだ。私はテーブルの上でポヨンポヨンと跳ねているスライムちゃんに
「私と街で一緒にいるには、従魔にならなきゃ…」
そう行ったところで
ポヨン
スライムちゃんは大きく跳ねて体で丸印を作った
「え、いいの?」
ポヨンポヨポヨ
「一緒に居られるなそれでいいの?」
ポヨン
「スライムちゃんーーー」
私がそう言って抱きつくっと、動いて抜け出そうとするのでさらに抱きしめて、離さないようにした
「これで、一件落着だな」
ポヨン
「そうだ、ってさっきの私たちの話理解してたの?」
ポヨン
「やっぱり凄いな『スクレ・スライム』は」
「その『スクレ・スライム』って言うのがこの子の名前なんですか?」
私は不思議に思ったので聞いた
「詳しくは俺も知らないけどな…確か数十年に1度現れるスライムで、かなり高い知能とステータスを持っていて、めちゃくちゃ強いスライムに進化するらしい。しかも、従魔にするのがかなり難しいらしい」
「そうなんですか。どんな子になるのかな?」
ポヨン?
私の腕から逃げて、テーブルの上でぐでっとしているスライムちゃんは不思議そうに体を揺らした
次回の投稿は1/17 16時です
書き直しをしていたら遅れてしまいました
これからも、よろしくお願いします