表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

異世界はゲームでゲームは異世界

すいません。予定の1500~2000文字を越えてしまいました。

次からは宣言通り、書いていきます。

 職業『無人』

 ステータス無し

 スキル無し

 所持品無し



 「クソゲーライフかよ。」

 伊波は椅子に座り、背もたれに、思いっきりよしかかり、

 カードで色々な事試していた。

 この世界を知る為に。


 羅渡(らど)伊波(いなみ)は、ついさっきまで地球にいるただの高校生だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 回想

 

 はぁー、疲れた。

 部活、やめようかな。

 正直、これ以上、上手くなる気がしない。

 かといって、途中でやめると先生や親から止められるからなー、めんどくさいな。

 始めから、部活なんてやらなきゃ良かった。

 今は、真っ直ぐ帰る帰宅部さん達が、羨ましい。

 俺も真っ直ぐ帰りたい。

 

 そんな事を考えて、やる気ない顔し、ポケットに手を入れ、足をだらだらさせて歩いている伊波に急すぎる出来事が、あと五秒後


 この前だって、遊びに誘われたのに

 「ごめん、部活だからまた今度。」って作り笑顔をして言って断ちゃったし、

 いや、まぁ部活ない日でも、言ってる時あるけどね。


 あと二秒後


 なんか、生きづらいなー。ラノベやアニメみたくどこか別の世界に、このまま、異世界転......。


 あと零秒後




 



 あれ、



 ここは、



 どこ。




 

 って、まさかこれって、異世界...転移?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 異世界転移した伊波は棒立ちしていた。

 鞄や携帯が消えている。伊波の持ち物は全て消えていた。

 床も壁も石の場所にいた。

 まわりに伊波以外の人間もいた。

 それは、冒険者ではなく、同じく地球の人間だとわかる。

 理由は簡単、まず武器を持ってる人がいない。

 この時点で冒険者ではない。

 さらに、みんな日本語を話しているし、日本の学生服やスーツを着てる人など、どうみても日本人だった。

 

 (あの慌てぶりは、俺と同じようにここに来た人か?)

 伊波が状況を整理していた時だった。



 「ごめんね、急に異世界転移させちゃって、けど別にいいね? だって君達が、異世界転移を望んだから。」


 伊波達の目の前に現れたのは、紛れもない、ただ兎だった。

 そう、ただの喋る兎だった。

 急に現れた兎に、伊波達は驚いた。

 驚いただけなく、中には、「可愛い~」と言う人もいた。

 「俺はそんな事、望んでない! 妻と娘が待っているんだ! 元の場所に戻してくれ!」

 急にスーツを着た30代男性が兎に強くそう言った。

 その言葉に乗り、他の人たちも「そうだ!」「家に帰させて!」などと男性と同じ意見を言う。


 こんな状況でも伊波は冷静だった。

 (なんだあの兎、いや、それよりどうして俺等を転移させた。

  ただ適当に人を選んだ訳ではないだろう。

  物事には、必ず意味があるはずだ。)

 そんな答えは、すぐにわかった。

 「なにを言ってるんだい? 言ったじゃないか? 自分の言葉を忘れたのかい? じゃあ思い出させてあげるよ」

 兎は可愛らしい声でそう言った。


 すると、男性が急に顔を青く。同じ意見を言っていた人達も。


 「ね、言ったでしょ?」

 「.........!!」

 

 (なんだ今の! いや、わかっている。

  どうせ、俺みたく自分の軽はずみの発言を思い出させたんだろう

  つまり、あいつは、嘘はついてない。)

 男性は悔しそうな顔をした。

 「大丈夫ちゃんと帰る方法はあるよ。方法は簡単さ。

 人を殺せばいい。10000人ね。」

 

 誰もが、驚いた。

 

 さすがの伊波も、驚いた...なんて事はなかった。

 (人殺し、よくあるデスゲーム設定か。

  しかも10000人か)



 「さて、僕の役目はもう終わり。さぁゲームスター...。

おっと僕としたことが忘れてた。カードを配るね。」


 一人ずつ、目の前に白い光が現れた。

 その光が一斉に強く発光する。

 突然、人によって色が違うカードが現れた。

 

 「そのカードは君たちの分身と思っていい。そのカードには名前が書いてあり、書いてある名前の人の事なら念じればなんでもわかるよ。例えば体重と考えたら、その人体重がわかる。」

 その瞬間、誰もがカードを大切しようと考えた。

 このカードが他人に盗られたら、個人情報が盗られるのと一緒だからだ。

 だが、伊波は違うことを考えた。

 (なんで人によって色が違う? 同じ色同士の人もいるな。

  それに、なんで俺だけ、鏡なんだ。)

 伊波は自分のカードだけが特別だと思い、とっさにズボンのポケットに隠した。

 そう、伊波のカードは正しく、鏡だった。


 「さて、今度こそ僕の役割は終わり。さぁゲームスタート!」


 兔がそう言って光に包まれ、パッと兎は消えた。

 すると次々に人が消えていく。

 最後の一人になった伊波も消えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 伊波は異世界の大都市にいた。

 そして、また状況を整理するため、カードで色々試していた。



 「はぁー、なんだこれ。異世界=RPGだと予想して、職業を見てみたら......『無人』ってなんだよ。しかも、ステータス無しってなんだよ?」

 兎の言う通り、念じれば俺の事なら何でもわかった。

 例えば、好きな食べ物、好きな色はもちろん

 性格、好きな人、今やっていることなど、本当になんでもわかった。

 そして伊波は兎の『ゲームスタート』と言った言葉を信じてこの世界は異世界であり、ゲームであることがわかった。

 

 (つまりこの世界には魔王もいるし、世界を管理してるやつもいるってことだ。)

 「憂鬱では、無いけどめんどくさい異世界に来たようだな」




 しかし、伊波のその言葉は嘘だった。

 新しい世界、新しい人生が始まるワクワクしている。

 そして、自分だけ色の無いカード。

 それは、自分が特別な存在だということ。

 それが、一番の理由だろう。

 伊波は、異世界に来た時点で憂鬱では無くなるとわかっていたが、自分が主人公になれるような、特別な存在では無いと感じていた。

 理由は二つ。

 一つは、主人公と呼べるイケメンでスタイルも格好いい高校生がいたこと。

 もう一つは、引きこもりで見るからに暗い、逆に主人公みたいな高校生がいたことだった。

 しかし、伊波に鏡のカードが手に入ったとき、

 伊波は自分が選ばれた存在だと思った。





 「さぁ次は何するか、とりあえず殺されないように強くなるか!

 よしまずは、武器を手に入れる!」

 これが、伊波の冒険の始まり、

 デスゲームの始まりだった。

 


 そして伊波はまだ知らない。

 『無人』がたった一人しかいない特別な職業だということを。

 唯一、『時空人』になれる特別な職業だと。

 




 

 











『無人』の読み方は、『むじん』です。

次回更新は、8月5日です。

次は2000~3000文字程度です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ