隠れヤンデレ策略家さん×ヤンデレくん
かなり軽めのBL短編小説なので読みやすいかと思います。
俺には付き合って数ヶ月の恋人がいる。普段は爽やかで優しくて好青年な奴なんだけど、俺が少し他人と話しただけで凄い嫉妬する所謂ヤンデレってやつ。
『ねぇ、田島さん、今日話してた女誰ですか?』
「え?女の子?誰かな?」
俺はコンビニの入荷を配送する仕事をしているため、コンビニの従業員とは仕事上顔を合わせるためコミュニケーションを取っている。これももちろん仕事のうちだと思ってるんだけど…。
『惚けないでください!!!あの髪が茶髪で生え際が薄いオンナは誰なんですか!?』
「薄い女の子って……。あぁ、ホテル横の桃井ちゃん?」
謎が解けたように嬉しそうに答えた瞬間、横に何かがかすり抜けた。後ろを見てみるとナイフが壁に刺さっている。
「金井く…」
名前を呼ぼうとしたら遮るように頭を抱えながら呟き始めた。
『なんで?!!なんで??なんで?なんで?何でそんな嬉しそうに言うんですか?俺とは遊びだったんですか?俺のこと好きじゃなかったんですか?俺よりあのオンナの方が好きなんですか?俺の方が……俺の方がっ…奏多さんのこと愛してるのに…』
「………陽太、ごめんね。不安にさせてごめん。でも、桃井ちゃんとは本当に何も無いんだ。お仕事だけでの関係。陽太が思うような疚しいことはしてないし、何なら指1本触れてない。」
俺は、陽太に言い聞かせるように言いながらゆっくり抱き締めた。
「俺がこうやって抱きしめたいって思うのも。」
頭を撫でながら、泣いた頬にキスをして
「キスしたいって思うのも」
ゆっくり、服の中に手を入れて背中をなぞる
「エッチなことしたいって思うのもぜーんぶ陽太だけだよ?」
『かなたさん…』
陽太はトロンとした顔で、俺の裾を掴みながらおねだりをしてきた。
「ふっ……愛してるよ、陽太。」
急に怒ってかと思えば、病んで凹んで泣いて。コロコロ表情が変わるって言えば良い意味に取られられるかもしれないけど、普段爽やかな好青年な彼からは想像出来ないこの姿は俺だけがみれる特権。これだから、興味のないオンナと話すのはやめられない。
あぁ、今日はどうやって可愛がろうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
まさかの田島さんの方が凄いヤンデレだったっていうお話ですが、このお話はBL沼に最近ハマった友人が読みやすいよう頭に浮かんだストーリーをパパっと書いた軽めのお話になってます。
桃井さんは、本当にただの仕事相手で彼氏持ちです。
金井くんは桃井さんに嫉妬して暴言を吐いていますが、好きだからこそ誰かを蹴落とした皮肉な言い方をするのは誰にだってあることだと思うので彼の人間味を出すためにあえてあの暴言でいきました。不快な感情を抱かせてしまった読者様には申し訳ないです。
『おいしい』と思って頂けたら嬉しいです。