担任がお怒り?果たして…?
あれから、数日後に先日連絡をしてきた金田くんのクラス担任がやってきた。
「どうも、先日連絡いたしました、金田の担任の鏡と申します。金田の件でお話に参りました。」
「あぁ、どうも。担任の先生ですか。金田くんから色々と存じ上げております。」
金田くんの担任の鏡先生に軽く会釈した。
「えーとですね。今回の件は金田が下校後にこちらの店にいらしていると友人の親御さんからお聞きしまして…。」
全く隠すつもりは無かったがとりあえず、詳しく話を聞いた。
「まだ、金田は未成年(高校生)ですよ?ここで飲んでいるのはまずいでしょ!酒なんて提供してないでしょうね?八重頭さん、あなた大人なんですからしっかりしてくださいよ!!金田だって、高校生ですけどああ見えてまだ子供なんですから。」
金田くん曰く恒例のお説教が幕を開けた。
「鏡先生、おっしゃることはよく分かります。親しくしてしまったことは申し訳ありません。でも、ちゃんと注意はしてます。金田くんが学生なのも両親が家に日中居ないことも聞いてます。ですが、金田くんは家で一人きりが嫌でここに来ているんです。学校ではどうしているかは分かりませんけど、金田くん自身一緒に帰って会話できる人が居ない。だから、ここに来ているんでは無いですか?」
すぐさま、鏡先生が反論してきた。
「…それは違います。金田はクラスの人気者です。どちらかというとムードメーカーですよ?帰る時一人になってしまうのは、金田の家が他の友達の家と違う方向だからです。だからどうしても帰るときは一人になってしまうんです。」
金田くんは帰るときだけたまたま、一人になってしまうらしい。ただ、一つ不思議な点が浮上した。たまに同じ学生服を着ている人(おそらく同じ学校の生徒)と下校しているときがある。休みの日に偶然、目撃した。
「一つ、疑問だと思ったところがあったので質問させてください。鏡先生は先ほど、金田は家の方向が他の生徒と違い別の方向であるとおっしゃってましたけど、私はこの前の水曜日に金田くんが同じ学校の生徒さんと思われる方と下校していたのを目撃しました。たまに他の学年の生徒と下校したりするんですか?」
鏡先生は、首を横に振り、他の学年の生徒と一緒に帰る可能性を否定した。
「いや?たぶん違うと思いますよ?他の学年でも、金田と同じ方向に家がある生徒は居ません。うちのほとんどの生徒は電車やバスなので生徒の大半は駅に向かいます。なので、駅とは反対方向に向かう生徒は居ません。でも他に学校は近くに無いので見たというならば、うちの学校の生徒ですよね。誰だろう?」
結局、鏡先生も分からなかったようだ。金田くんと一緒に帰った人物はわからなかった。
後日、鏡先生と共に金田くんが再び来て、一連のことを聞いた。
「金田くん、水曜日に誰かと一緒に帰ってたのは誰?友達?」
「水曜日は友達じゃなく、母ちゃんと一緒に帰ったよ。その日、おばあちゃんの病院に行く用事があったから待ち合わせしてたんだよ。」
どうやら、水曜日に一緒に帰っていたのは母親だったらしい。たまたま祖母の病院に行く関係で待ち合わせていたとの事。金田くんの母親の服が学生服に見えたのはスーツでただの勘違いだった。
「あれ、友達じゃなくてお母様だったのか。これは失礼。…で、お婆さんの体調は大丈夫?」
「おばあちゃんは元気だよ。健康診断の付き添いに行っただけだよ!大げさだよ、八重頭さん。でも、心配ありがとう。」
後で金田くんからおばあさんのことで詳しく聞いたら、「ほとんど健康。悪いところなんて一個も無い。まだ、若々しいよ。」とかなり健康だったということを聞いた。
そのあと、金田くんの学校で、校長先生・鏡先生・金田くん・僕・金田くんのご両親の六人で話し合いをし、鏡先生が「月曜日と金曜日のみ行っていいが、それ以外は学校にいなさい。そうすれば顔出せるし。どうやら八重頭さんの店も良さそうだし。」と約束を決めた。




