第四話「俺が人外!?」
「超魔級ですか・・・・・・それは流石に難しいですね。では、この件については後々考えるとして、訓練の邪魔をしてしまってすみませんでした。それでは」
「え、ああどうも・・・・・・・・・・・・」
俺は呆然と立ち尽くす青年を尻目に、研究室に足を運んでみた。
するとそこには、変な水晶やら金属片やらが散らかっていて、羊皮紙にかかれた設計図や魔方陣なども大量に置かれていた。
果たして、ここは一体何の研究を行う場所なのだろうか?
「おんや、どなたかと思ったら王子ではございませんか」
「ん、ああこれはこれは御老人、少し見学をさせてもらおうと思いましてね」
俺が研究室内を物珍しそうに物色しているのに気づいたのか、精密そうな作業に没頭していた老人が顔をあげた。
「一体ここは何をする場所ですか?」
研究所のような所だとは思っていたが、実際に何が行われているのかはよくわからない。
錬金術とかかな?
「ここは錬金術でマジックアイテム等を作る工房兼魔法技術の更なる発展を目指す者たちの研究所ですじゃ」
はぇ~、マジックアイテムか。ロマンが掻き立てられますなぁ。なんかこう、技術を応用して革新的な何かを作って、皆にあっ! と言わせたい衝動に駆られる。
まあ実際、俺にはそれが出来るのだ。前世での記憶もあるわけだし。
「そうですか、それは素晴らしい。それではなにかマジックアイテムの試作品でも見せて頂けませんか?」
「ほっほっほっ、良いですとも良いですとも。では・・・・・・・・・・・・・・・・・・この、魔力量を量り取る水晶などは如何でしょう。これは我々がついこの前開発した、手を置くだけでその人の魔力量がわかるという優れものですじゃ」
「水晶・・・・・・ですか、よろしい。では、やってみましょうか」
俺は老人の差し出した水晶に手を置いてみた。
どのくらいだろうか? 大抵の場合、転生者は膨大な量の魔力を持っているものだが・・・・・・
「ん、結果が出たようですな。どれどれ・・・・・・・・・・・・」
水晶に手を置いていると、ピピッという音が鳴り、水晶が光って、何かの映像が空中に写し出された。
老人はその映像を見ると、一瞬にして顔色を変えた。
これはもうお察しだろう。
「どうかしましたか?」
別にSな訳ではないが、一応尋ねてみると、老人はより一層、その顔を青ざめさせる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・よろしいですか、王子、貴方の魔力量はこの水晶では量り取れませんでした。ということはつまり、貴方の魔力量は、人外の域に達しているのです。」
・・・・・・・・・・・・うん、知ってた。分かってた。そんなものだよな、うん。だが、それにしても流石に人外は無いだろ。言葉を選べよジジイ。
「はぁ、そうですか・・・・・・まあ良いんじゃ無いですかね。強いことは良いことだ。では、さようなら。」
何だか微妙な空気になってきたので、俺はさっさと訓練場内から退散することにした。
「強すぎなんじゃよなぁ・・・・・・」
途中、ジジイが何か言っていたようだが、声が小さくてさっぱり聞こえなかった。
そんなこんなで俺は自室に戻り、しばらくごろごろした後、ねっとりアイリス姉貴の所為で味のしない昼食を摂り、またごろごろして、いつの間にか寝ていた・・・・・・・・・・・・。
いや~早くもチートが見え隠れしてまいりました! 研究員G迫真の顔面蒼白でしたね。
ということで、お読みいただきありがとうございました!
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