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第二話「危険な姉」

 

 「おはようございます」


 俺は部屋から出て、召し使いの女性にエスコートされて食堂まで来たわけだが、そこにはイケメンと美女と美少女が居た。

 恐らく、イケメンと美女は夫婦で、俺の親だろう。美少女は・・・・・・部屋の姿見に写っていた俺よりも少し身長が高いので、姉だろう。


 「おはようイグル、ヘレナの隣へお座り。」


 俺の挨拶に、イケメンが答えてくれた。感じの良い人で良かった。

 しかし、このイケメンの言うヘレナとは、恐らく美少女か美女の事であろうが、俺にはどちらの人物の事なのかさっぱりだ。

  

 「イグルスフィア様、こちらへ」


 いきなり難問を出されて戸惑う俺に、先程の召し使いさんが、またエスコートしてくれた。因みにその席は美人の隣なので、ヘレナとは美人の名前だろう。

 俺の名前、イグルスフィアっていうのか・・・・・・なんだかそれっぽいな。


 「おや、アイリスがまだのようだな・・・・・・おい、アイリスを呼びに行った者はどうした?」


 「もう十五分ほど経ちますが・・・・・・いらっしゃらないようですね。」


 アイリス、か。どちらかと言えば女性につける名前だし、俺の姉かもしれない。


 それから暫くすると、例のアイリス姉貴がやって来た。

 アイリス姉貴は容姿端麗な十歳くらいの美少女で、母ヘレナに似た優しい金髪で、瞳は赤い。

 俺が生前・・・・・・いや、前の世界でやっていた基本プレイ無料のオンラインエロゲの強いレアキャラに似ている。

 対して今俺の斜め前に座っている名前の明かされていない少女Xは、イケメン親父に似て、茶髪で瞳は青い。

 残念ながらこの娘に似たキャラはあのエロゲには居なかったような気がする。


 「父上、母上、ミレアーヌ、おはようございます。イグルも、お・は・よ・う」


 アイリス姉貴は皆に挨拶をしたが・・・・・・何で俺だけ別なの!? なんだかねっとりしてたし!

 あと、茶髪X姉貴はミレアーヌというらしい。可愛い名前だ。 


 「はははっ、アイリスは本当にイグルの事が大好きだなぁ」


 イケメン親父が笑っているが、俺としては、嘘だろ!? と叫びたいのだが。

 いや、可愛いけど、相手は姉だ。そこら辺の倫理観は、社会的な生き物として有って然るべきで・・・・・・・・・・・・

 いいや、これは、うん。あれだろ? ほら、弟がずっとほしかったから、可愛い可愛い弟ができてとても嬉しいっていうやつだろ?

 俺はそう信じたいね!!


 「あら、イグル、顔が赤いわよぉ? どうしちゃったのかしらぁ?」


 アイリス姉貴はまたもや俺にねっとり精神攻撃を仕掛けてくる。もう泣きたくなってくるぜ・・・・・・。

 いや、それ以上に、いつの間にか俺の正面の空いている席に座り、獰猛な笑みを浮かべているのが気になって仕方がないのだが。


 結局、上手そうなスープやサラダが出てきてもあまり味がしなかった・・・・・・・・・・・・。






AIRS姉貴怖すぎんよ~・・・・・・。

因みに、イグルは派手な金髪で、瞳の色はサファイアのような色をしています。

美形かどうかと言われれば、十人中七、八人が「そうだよ」と答えるでしょう。

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