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異世界女子力止まってるのに、なんとなくなろう作家さんのニコ生参加してたら書きたくなったので書いた。
更新には期待しないでくらさい。
(例によって、酔っ払っての勢いだけの投稿です)
とある世界にて。
一人の狂気にとりつかれた男がいた。
男を狂わせたのは、在り来りな不幸。
順風満帆とまではいかないが、愛する者との穏やかだった日々。
それを唐突に、一方的な暴力で、到底納得できる理由もなく、だがしかし狡猾な罠の元に壊された。
男は相手を呪った。相手を従えていた者を呪った。従えていた者を有していた国そのものを、そしてその国を許容する世界を、果てしなく呪った。
呪いに呪いに呪い尽くし、叫びに叫びに叫び続け、殺しに殺しに殺し果たした。
幸か不幸か、男にはそれをするだけの力があった、否、生まれていた。
気を狂わすほどの過度なストレスが、男をその領域までに一足飛びに至らせていた。
―――そうして、世界は限りなく近い終焉を迎えようとしていた。
○
「ああ、ようやく、この愚かしい世界を終わらせることができるよ、メイ……」
彼は、到底満足も出来ていないだろう眼差しで、眼下に広がる世界を睥睨していた。
「ようやく……ようやく……終わってしまうんだなあ」
心底残念な声で、万感の思いを……到底納得などしていないと伺える溜息とともに吐き出す。
「俺は……俺は一体、何がしたかったんだろうね、メイ……」
気が触れてしまった彼が終ぞ気づくことができなかったその感情は、客観的に見ればただただ哀れで。
だがしかし、滅びの間際にある者たちからすれば到底許すことのない欺瞞のように。
「……そうだな。叶うことのなかった僕らの……」
誰も聞いていない独り言を切り上げ、彼は瞼を閉じて最愛だった彼女を悼み。
「……うむ。この最後を創り上げ、世界を完全に始原に至るまで終わらせたら、俺も君の元に行こう」
答える者も皆無な、空中に作られた要塞の中、彼は傍らのナニカに力を注ぎ続ける。
世界の終焉は、このナニカが完成した後に、生まれる祝福とともに。
そして、自身の消失とともに。
そうあることが残されている只一つの道だと、彼は想っていた。
「……ああ、世界の終焉よりも何よりも、オマエの創世の方が余程難しいな。子を為すというのは、かくも偉大なことなんだね、メイ……」
激昂に激昂を重ね、蹂躙に蹂躙を重ね、崩壊と破滅を齎した彼が今感じているのは、諦観。そして慈しみ。
狂ってしまった彼が、ふと、幸せだったいつかに立ち戻った瞬間だった。
「あ」
だが、その慈愛が。ヒトらしい表情を浮かべたその時が、彼を含めて誰もが予想だにし得なかった終わりを、そして始まりを迎え入れた。
「―――。」
それは叫びであったのか、それとも嘆息であったのか。
一瞬とは言え、【魔王】を忘れて【ヒト】に立ち戻ってしまった彼は。
術式に必要なそれを暴走させ、壮絶を辿った魂を消失した。狂ってしまった躯と、愛と血に彩られた記憶と、そして傍らのナニカのみを置き去りにして。
もう一回だけ、書ければ更新して、様子見。