一つ
星が…欲しい
昔、星が大好きな少年がいました。いつも夜空を見上げては、あの綺麗な星を手に入れたいと思っていました。
ある日、少年は神様に頼みました。
「あの夜空に輝く綺麗な星を一つ、ください」
神様は一つくらいなら、と少年に星を一つあげました。
少年の手の中にきらきら輝く星が一つ。
「ありがとうございます、神様」
少年は神様に感謝しました。
次の日、少年は友人に星を見せてあげました。綺麗でしょ。
それを羨ましく思った友人は、その日の夜、神様に頼みました。
「俺にも一つ、星をください」
神様は一つくらいなら、と友人に星を一つあげました。
友人の手の中にきらきら輝く星が一つ。
次の日、友人は妹に星を見せてあげました。綺麗でしょ。
そうしてそうして。
皆の手の中にきらきら輝く星が一つ。
あんなに綺麗だった星空は真っ暗になりました。
「あ、流れ星」
わぁ寒い