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星に願いを

作者: みーこ
掲載日:2026/02/25

「昔は可愛かったのにねぇ」母が言った。14歳を過ぎたころから顔にニキビができはじめた。笑えなくなった。目があきにくくなった。口が動きにくくなった。

私は自分の顔がわからなくなった。そのほうがよかった。ある日、後ろから「すみません」と声をかけられた、相手は数秒停止した後、私をまっすぐにみすえて「まちがえました」と一言。その時私は私の顔を知ってしまったのだ。

すれ違いざまに暴言をはかれて心臓がぎゅっとわしずかみにされたことも。

流星郡がやってくる。星に願いをかけほうだい。

私の願いは一つだけ。

「普通にしてください。」

だってわたしはきづいたのだ。普通になると人から注目されないことに

クラスの舞子ちゃんはオシャレだけども、新しいヘアアクセをつけようが、かわいらしいカラーリップをつけようがみんなきづないのだ。普通だからだ。

彼女がどんな振る舞いをしたって自由だ。

なんて、幸せなんだろう。

「普通にしてください。普通にしてください。誰も私に気づかないように。」


それから数年平穏な年を過ごした。


高校生になった。

アルバイトを始めた。バイトの面接で男性と向き合ったとき、相手が目を見開いてこちらを凝視するのがわかった。今までに見たことのない目

また変になったのか

このところ振り返ってみられたり

相手の視線がやわらかい

ある日「うわ!すげーかわいい」

その後もそんなことがつづいた

家に帰って久しぶりに鏡をみたらニキビがなくなっていた。高校まで時間をかけて自転車で通うようになって気づいたら顔の肉もへっている

この顔って可愛いんだ。


そう気づいたら人から見られることが快感になった

夜にわざわざ自転車ででかけて

「かわいい」を聞くのにハマっている

私を見るあの目線が気持ちいい


あー可愛いとこんなに幸せなんだなぁ


大学に入ったら、とたんに透明人間になった

私が話しても、私がオシャレをしても

メイクに気合いをいれても

みんな私が見えていないみたいだ


次の流星群に何を願おう

「もっともっと綺麗にしてください」


その時私は気づいた。

とう星は私の願いを叶えてくれていたことに





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