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宗教会議

奇跡が本当に起こせると分かった時、人はどちらを信じるのだろうか。

驚いたのか予想通りだったのか、信者のうち女神教の奇跡により不老不死になれたものほど女神正教の側についており、女神教で奇跡の恩恵に預かれなかったものほど女神教に残った。


女神教の宗教会議はつつがなく進む。300人の指導者は普段1000の国に散っている。西の民族は国がまとまって数が少ないが東の民族は小国が乱立しているため1人で幾つかの国を受け持つ。

信者をどちらが引き受けるかについては、300人中50人が抜ける、彼等が女神とあった地を中心に5%程度の信者を引き連れて行く事になる。


明日からはもう敵になる。

今日が味方として話が出来る最後の日だ。


「友よ、女神の正体は人だろうか、人から神になったのだろうか。最初から神だったのだろうか、それとも、果たして奇跡を起こした後も人だったのだろうか」

私は会議に集まったメンバーに問いかける。それぞれの代表者3名と見守る残り294人の友、含め1000人の信者達。ざわめきが起こるが私は手で制する。見守る人がいる限り互いに完全な本音等語れない。それでも踏み込んだ話をしなければならない。

友は答える。

「友よ、あなたは知っているでしょう、女神は人から神になったと言うことを。だから我々は指導者となった後も修行を続けるのでしょう。」

3年目の友、彼女は答えを告げる。彼女らしくない言い分である。女神が現れる以前も不老不死になるものはこの世界にはいないではない。我等の女神の前の女神である三女神も不老不死であり、あちらの世界に旅立った時は出会った頃の少女の姿であったと伝わる。しかし誰かを不老不死にしたりはしなかった。他者を不老不死にすることそれが我等の女神の御業である。

その女神の唯一性を損ないかねない発言を自ら発した。彼女は私を見据えるが周りで見守る信者達は息をのんでいる、選ばれた1000人信者の中では地位のある者達だ発言の意味が分かっている。

「友よ、我々は不老不死になり、また幾らかの不老不死の者を生み出したがそれは女神の御業を真似た訳ではなく、女神への祈りが届く手助けをしたに過ぎないのだ。それを忘れてはならない」語気を強めそう話はなし、私は友を見据える。2つの派閥は別れる事は避けられない。その後の信徒の奪いあいだ。

より多くの人々に自らの正当性を訴える機会を得るための勝負なのだ。間違いを指摘する側である私に有利となる勝負、私は女神を出来る限り唯一で絶対の存在といい、友は少しでも女神を貶めないように自分達の役割の、重要性をとき、取り返そうと考える。

「友よ、私は女神の御業に疑いを持つ訳では無い。女神は修行をするものを待っているのだ。最初から神であるならばいわゆる19人の神の世界の王と違いがなくなってしまう。女神が人に御業をお使いになったのは、人だっからであり、人のまま神になられた。私はだから女神の教えに、より忠実に従いたいのだ。人は教えを守る者を守る。女神は女神であり人なのだ。」

女神の教え等ない、強いて言えば、皆の心の中にある。しかしそれを指摘する事は出来ない。彼女は女神が人を特別扱いする事を説く、そして正しい修行を実践する者を導くという。

だから私は「友よ、果たしてそれは女神の教えだっただろうか。女神の奇跡は見返りだというのか」

ととう。彼女の発言が女神の価値を貶めている事を説いたのだ。3年目の友は「友よ、あなたは友ではなかったようだ。見返りを期待するものに見返りを与えることは人に寄りすぎている。女神は人ではあるがやはり神なのだ」といった会議では私の勝利だった。彼女は敗北を認める言葉を口にした。私はけして彼女を友ではない等言わなかった。

私は彼女に「友よ、私はいつでも君たちが友に戻る事を待っている」といい彼女を送り出す。どちらにしても混乱は避けられない。皆が去った後、唯一弱さを見せられる最初の10人のうちの1人は落ち込む私を励ますように優しく肩をたたいた。





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