ころころコミック
エジプト人が
フンコロガシが無から有を生み出す
神だと
信じていた頃
フンコロガシは
唯一神を崇めていた
唯一神が
ゼウスの好色を羨んでいた頃
ゼウスは
仏陀を崇めていた
仏陀が無に価値を見出した頃
無は有を羨んでいた
有が
裕福だった頃
有は無に嫉妬していた
無が何もなかった頃
何者でもないわたしは
わたしを信じていた
わたしがわたしを信じていなかった頃
時は流れていた
時が流れていた頃
時は止まって見えた
フンコロガシも
唯一神も
仏陀も
無も
有も
そしてわたしも
石という
光り輝く
元になる
それをエジプト人が
手にしている