3話 5人の転生者 デミロード
新しき朝が来た
「今日も天気がいいな」
どうも皆さんこんにちは
我の名はデミロード・アンドレア
アンドレア伯爵家の次男だ
我が兄弟は3人
兄、姉、我
家族で言えば両親2人が含まれるだろう
我、アンドレア家で転生して早15年
時が経つのが早く感じると言うことは我はそれなりに歳をとったと言うこと
悲しい現実に涙を溢す
時が経つのがこんなにも早くなるとは
「さて、今日は何をしようか」
そう言って我は歩く歩く
歩いた先にいるのは我が兄
「デミロード。今日も元気か?」
「ああ、兄上も変わらず元気で何よりだ」
「そうだな・・・飯は食べたか?これから俺は剣術の授業を受けることになっているから行くが・・・」
「起きたばかりなので飯を食べようと・・・我は後から参加します」
「そうか・・・なら、いい。あんまり早く行くと胃がやられるからゆっくり食べるんだぞ」
「我のことを老人だと思っているのか?」
失礼だな15だよ
誰が食べるのが早くて腹が痛める人間だと思っている
食べる量くらい調節したいところだが食べ物を粗末にしてはいけない
しっかり食べることが大事だ
ゆっくり食べたほうがいいと言うところには否定しないがな
胃がやられるのは老人だけじゃないとしてもまだまだ若い我には問題はない
胃でやられるほど衰えていない
食べ過ぎなければ問題ない
うん、問題はない
何回言っているんだろうか我は
「いや、弟のことだからそこまで心配していないが・・・まあ、いいだろう。それでは数十分がに会うとしよう」
兄は去った
これで面倒な相手をする必要がなくなった
あとはゆっくりと飯の時間を味わうのみ
我、デミロード・アンドレアは転生者である
何を言っているんだと思うが転生者だ
我の前世の死因は餅
餅を食べて喉を詰まらせてしまい、死亡
これが我の死因だ
餅の恐ろしさを味わい死んでしまった我は伯爵家の人間へと転生
今日、15歳まで元気よく貴族として生活を送っていると言うことだ
分かるだろう、餅で死んでしまったのだ
我が生きてきた年月は日本の平均寿命と比べて5分の1くらいか
享年18、日本の平均寿命どころか発展途上国ですら届いていない
国の平均以下
高校生卒業まであと1ヶ月だった
そう、我は2月に死んでしまった
雪が何やら騒いでいる時期に死んでしまった
餅で
すでに仕事が決まっていて後は学年末テストを終わるだけであったが学年末テストの2日目の夜に死んでしまうと言う結果となってしまったのが悲しいことだ
頑張って会社に就職が決まったと言うのにこの仕打ちを与える世の中
我はこれほど悲しんだことがあるのだろうか
いや、あるな
中学生の修学旅行で迷子になった以来か
悲しんだことなのかと思うがアレは班のメンバー達が見つからなくて焦ったこと
京都で迷子になるとは思わなかったがな
アレ以来なのか?
おそらく我が記憶に覚えていないだけでたくさんあったかもしれない
転生して15年も経てば前世の記憶はある程度薄れる
しかし、餅で死んでしまったというショックが大きく、15年経った今でも前世の記憶を覚えてある
悲しいことだ
何度も言っているが本当に悲しいことだ
我の死因に相応しいどころか餅の恐ろしさを改めてしった
皆も餅には気をつけろ
年齢関係なくな
朝食を食べて我はこれから剣術の授業を受ける
貴族には剣術、魔術などそれぞれの分野の家庭教師を雇って学園に入学するまで屋敷でそれぞれ勉強をやらされる
学校というのは存在している
中等部はなく、高等部からとなるが我も今年で入学することになる
我が兄は今、前世で言う春休み期間に入っている
だから、我が兄は屋敷にいるのだ
我が兄は今年から高等部というか高校2年生と言えば伝わるか
そんなことはいい
今は剣術の授業を一緒に受けることになっている
我はこの世界に来て分かっていることがいくつかある
それは魔法というのが存在していること
魔法というのは前世では御伽話のようなもの
そんなものが存在するわけがないだろうと前世の我はそう嘲笑っていただろう
実際に前世の世界ではそういう超能力は一部の人間にしかなかったが魔法のようなモノは使用しているようなことが確認されなかった
異世界ということが分かる
魔法を使える我であるが最初の時はかなり興奮した
分かりやすく言えば欲しかったオモチャが手に入れたような感覚
それはテンション上がるものだろう?
「さてと行くとしようか」
今日は何をするのか事前に知っている
剣術を鍛えるだろうと我は喰らいつくのみ
場所は移って屋敷の庭
「おりゃ!」
我は今、兄と剣での修行をしていた
というより、模擬試合みたいなものをしている
「おっ!いいじゃないか、デミロード。前にやった時と比べて強くなっている。お兄ちゃん嬉しいよ」
「いえ、兄上こそ、学園で剣術を上達したようですね。ようやく差が縮まったと思いましたがまだまだだったようです」
「ふっ謙遜するな。お前は強くなっているんだそれは誇ることだぞ」
2人の模擬試合
我は強くなったと思ったが全然違う結果だった
(俺は学年内で3位の剣術の技量を持っているがどうやら、俺の弟は俺より才能があるな)
こうして我はいつものように家庭教師から、我が兄から指導を受けていった
その数ヶ月後、我は王立学園に通い、人生が大きく変わることになる
次回2月12日15時投稿予定