21話 恋人関係?から結婚
「別に嫌いってわけじゃない。」
デミロードはそう言った
嫌いではないことを言われて少し嬉しい気持ちになるメイル
「嫌いじゃないんだ〜」
「ああ・・・男だからと突き離したことは・・・」
なんで言えばいいのかと考えるデミロード
「僕が女だったら付き合っていたと言うこと?」
もしもの話であったがメイルは自分の性別が女だったらどうしたのかと聞くとデミロードは考えて頷く
その答えに機嫌が少しよくなったが複雑な気持ちになる
「ならさ・・・今世は僕は女性だよ?今世の僕の告白の答えはどうするの?」
今は女性
性別逆転して転生した
前と違い、男だから付き合いたくないという主張をしているようなもの、今は違うのだ
女性として見てくれるのなら嬉しいし、付き合いたいのがメイルの望みだ
「・・・・・・」
デミロードはどう答えるべきなのか
OKと返事を承認するのか断るべきなのか
(我としては・・・うむ・・・どうしょうか)
考えても考えても・・・すぐに答えるべきことを答えられないデミロード
正直彼はそこまで人と関わりを持ちたいわけではない
前世は隠キャだった男だ
人と関わりを持つのが好きではないのは小さい頃からのこと
それはいいとして
ハッキリ答えを言わないといけない
何度もいうことだ
それをできないことがデミロードの欠点である
言いたいことが伝えられないのは
「・・・迷っているの?」
「!」
メイルの言葉に動揺するデミロード
「僕がどうして君に告白したのか分からないかもしれないけど君のことが好きになったのは僕に気遣ってくれたからだよ。僕だけじゃなくて色んな人に気遣ってくれた。扉を開けっぱなしにしてくれたところとか自分より先に人を扉の先とか早く通らせるとか。そういう気遣いっていいことなんだよ?僕はさ、そう言うのをしてくれたことはないんだ、気遣ってくれた君が初めてだった」
「・・・・・・」
「好きになったのはそう言うところがあったからなんだ。告白して君と付き合いたかったけど・・・断らられて何度も何度も告白しようと考えて動いてもできなかった。そして、僕は死んでしまった・・・転生したと気づいた時は2度と会えないと思った・・・」
「・・・・・・」
「転生したから会えないと絶望したよ・・・でも、こうして会えたんだ、なんで君が瀬戸くんなんだと分かったのか。似ていたからかな・・・でも今で君の前世の名前を知った。これは運命だと感じた・・・前世の後悔を今、幸せと上書きできるチャンスだと思ったんだよ」
「・・・・・・」
女性と遊ぶのは心の中のぽっかりと空いた穴を埋めるために
「女性と遊ぼうと思ったのは君が断ったあの日の心の穴を埋めるため・・・」
「・・・・・・」
黙って彼女の言葉を聞いているデミロード
自分のせいでこうなっているのだと大きく責任を感じていた
そんな自分が彼女と付き合える立場なのか
そんなわけがないだろうと自分を責めている
「好きになったのはそう言う些細なことかもしれないけど・・・すごいことだからね」
「・・・・・・」
「・・・ここまで言っても僕の告白の返事はまだできないんだね」
「・・・・・・」
「何か言ってほしいけど?できないなら・・・責任でも感じているの?」
「・・・・・・ああ・・・こんなことを言える立場ではないのは分かっている。君の人生を大きく狂わせた我が君と付き合える資格なんてないだろう?我には・・・」
何か言おうとするもこれ以上のことを言えなかった
そんなデミロードに対して
「・・・馬鹿じゃない」
「・・・・・・」
「責任を感じているから付き合えないの?」
「・・・・・・」
「責任として感じているなら僕と付き合って罪滅ぼししればいいんだよ」
「!?」
「だからさ・・・過去のことを考えてくれるのは嬉しいけどあの頃とは違うでしょう?僕も貴方も」
「・・・・・・(そうだな・・・もう、18年くらい前の話だ。今を歩いていて止まっているようでは・・・入学したばかりのこの学園に通い続けるなんて絶対にできない。そんな人間であると1番知っているのは我じゃないか・・・)ああ、そうだな・・・」
覚悟を決めるデミロード
「メイル・ソードさん」
「・・・・・・」
「我ーデミロード・アンドレアと付き合ってください」
それが彼の告白
瀬戸雄大としてではなく、デミロード・アンドレアとして荒風音也ではなく、メイル・ソードに告白した
その告白に目から涙を溢す
20年の時を経てようやく、願っていた願望がようやく叶う
「はい!」
こうしてデミロード・アンドレアとメイル・ソードは恋人関係となった
がそれだけではメイルは収まらなかった
「ねえ、デミロード」
「?」
デミロードに抱きついて彼女は言う
「僕と結婚してくれない?」
「・・・・・・え?」
ようやく、恋人関係になったところで突然の結婚の告白
それにデミロードは驚いて固まる
「だって・・・結婚できる年齢でしょう?」
結婚できる年齢については間違ってはいない
前世の世界とは違って結婚できる年齢は15歳
2022年から成人年齢が20歳から18歳に変わっているとは言え、日本では結婚できる年齢ではない
今世は成人年齢が15歳なので問題はないが恋人関係になったばかりから結婚したいと言われば驚く
「いや・・・・・・早くないか?」
まだ告白の承認から1分も経っていない
あまりにも早すぎる
結婚スピードがここまで早いのは漫画くらい
デミロードが読んでいた漫画では再開して1時間で結婚と超スピード結婚
それよりも早すぎるのだ
「親の承認なんて未成年ならできないけど今は成人でしょ?できるじゃない」
「いや・・・それでもな・・・」
ものには順序というものがあると言おうとしたが
「僕と結婚したくないの?」
と言われてしまう
「結婚はしたいがしたいが・・・ハッ!?」
デミロードはメイルを見るとメイルはニヤニヤと笑う
「言質とったわよ?よし、今から市役所に行って結婚届を提出するわよ」
「(市役所ってこの世界にあるのか?どちらかというと役所じゃない?いや、どっちでもいいか)いや、結婚届を役所から取ってこないといけないといけないだろ。結婚届は・・・え?」
メイルは結婚届の紙を持っていた
いつの間にか記入済み
デミロードが記入するべきところも書かれていた
「さて、届けていくわよ」
「・・・はい」
こうして2人は結婚して夫婦となった
結婚式はしていないが必ず結婚式を挙げないといけないわけではない
2人が入学式の日に結婚したことはすぐに学園内に広まった
次期剣聖の結婚
メイルの家族は
それに剣聖の姉は驚愕
父はマジかと次の日に届けられた新聞に驚愕して頭を抱える
母は笑う
デミロードの家族とは言うと
兄は驚愕して発狂
姉は固まる
父は嘘だろおいと固まり、どうしてこうなったのかメイルの家族に問い合わせをする
母は微笑んで祝福
こうして2人は結婚をしたのであった
「スピード婚だね」
ゼロは笑う
いつの間にか気絶していた間に結婚をしたと報告されて苦笑する
「・・・あいつら早くね?」
「そうね〜でもメイルならやりそうだわ」
「それでいいのかよ・・・まあ、貴族の結婚ってそう言う感じだからな・・・」
呆れるユアと微笑むアイナ
同じ転生者である3人も祝福をしたのであった
次回は2月16日21時投稿予定




