20話 告白の真実
9時予定でしたが12時に投稿してすみません
もっと執筆を効率よく書くことをやっていきたいと思います
次回は18時に投稿予定です
2021年5月
「呼び出してごめんなさいね。瀬戸雄大くん」
とある中学校で男は呼ばれた
「・・・我に何か用か?」
目の前にいるのは可憐な姿をしている女性?
いや、男性だ
どうして呼ばれたのか心当たりはない
有名人とは呼ばれているが彼には興味がなかった
どこかの部活の有名人くらいしか知らない
興味がないことにいちいち考える必要がないのが彼の生き様
興味がないなら捨てる
それだけの話である
本当は来るつもりは一切なかった
部活でやりたいことがあったから
卓球部に所属してそれなりに楽しい日々を充実している中、この状況はどういうことなのか分かっていない
なんせ、接点も関わりもないから
「そうね。言うわ、瀬戸雄大くん、僕と付き合ってください」
「断る」
「え?」
即答
即断られたことに驚愕する荒風
人生初めての告白をしたと言うのにあまりにも呆気なかった
「・・・・・・何故?」
「男は趣味じゃないからだ。我は同性を恋愛対象とは見ていない」
同棲を恋愛対象とは見ていないから断った
「・・・それだけで?」
「ああ、それだけでだ・・・人生初の告白で嬉しいが・・・ただそれだけだ。今の時期は忙しいし」
時期的に忙しいというのは嘘
たんにゲームをやりたいだけである
告白されようも男なら断る
それが瀬戸雄大という男である
「勉強ではなく、ゲームをたくさんしているって話だけど?」
「・・・・・・誰から聞いた・・・」
何故ゲーム好きであることを知っているのか目の前の人に警戒をする
教えたつもりがないからだ
「姉宮くんから聞いたよ?」
「姉宮が・・・はあ・・・何をしているんだよ。いや、この場にいないから文句を言えないが・・・」
小学生からの友人が話したと聞いたことに呆れる
どうしてそんなことを言うのか
本人の自由であるが友人は荒風の後輩だった
後輩なので話す機会があったと言うことになるだろう
「勉強嫌いなんでしょう?」
「ああ、それがどうした?」
「認めるのね」
「意地張るほど我のプライドは強くない」
「それはそれでどうかと思うのだけど・・・」
「知らんがな。我のことを何故知っているのかは姉宮が原因ってことでいいのだな?それはいい、友人の人間関係に指摘するのもアレだからな」
友人の部活の先輩との関係なんて知らないのも無理もない
姉宮の部活の先輩となれば理解できることであるが
気になったのはどうして自分に告白したのか
それには気になっていたが瀬戸は言わなかった
どうしてなのか質問する勇気すらないからだ
親しい友人ならともかく、交流なんてしていない先輩に対して無闇に質問はできない
勇気がないと言うこと
悲しい事実である
「・・・なら、友人から始めない?恋人関係が無理ならさ」
少しでも瀬戸に近づきたかった荒風が提案する
しかし、
「・・・悪いがそう言うのはいい。用事がないので帰らせてもらう」
「え!?」
帰ろうとする瀬戸
帰らないように捕まえようとするも逃げられてしまった
「・・・ガーン・・・」
ショックを受ける荒風
人生初めての告白をしたと言うのに断られたことと拒絶されたことに大きくショックを受ける
その後、荒風は大きくショックを受けて1週間ほど学校を休むまで心に大きく傷を与えたが瀬戸は知らなかった
と言うことがあったとメイルはデミロードに伝えた
「・・・・・・(そんなことがあったのか?)」
当時のことを全然覚えてなかったデミロードはそんなことがあったのかくらいしか感想がなかった
中学生の頃の記憶がほとんど残っていないので覚えてないのだ
1番楽しかった思い出くらいしか覚えていない
デミロードは記憶力に自信がないほど記憶力がないと思っているくらいには自信がないのだ
思い出そうと思い出せなかった
「僕はさ、君にまた告白しようと思ったんだよ?高校生の頃に君にラブレターを何回も送ったのに一回も来なかったし、呼びに行こうとしてもいないし、仕方ないから所属していると思われる部活に足を運んだのにいないし」
「・・・・・・」
色々としてくれたことがデミロードには伝わった
(ラブレター・・・?内履きと外履きを下駄箱の中に入れていたから気づくかなかった・・・教科書とか入れていたからな・・・呼びに行こうとしていた時はトイレで篭っていたから・・・部活に足を運んでいた時には部活に行ってなかったんじゃないか?)
どれも駄目だった
最初のラブレターならともかく、後者2つについてはタイミングが悪かった
「運動部に所属していたが辞めたからな・・・姉宮に聞いたってことなんだろう?あいつとは別の高校だったから高校生時代の俺を把握している人物なんて少なかったから無理もないのか?」
「むう〜・・・僕は君と付き合えるために頑張ったのに・・・どうして君は僕に興味とか抱かないわけ?告白を断られて1週間休むほど心にダメージを負ったのにさ」
頬を膨らませるメイルに固まるデミロード
なんと言えばいいのか分からないし、どう答えればいいのか考える
考えても考えても答えには辿り着けなかった
「いや・・・なんて言えばいいのか・・・」
「ハッキリしてよ!僕はさ、女性に手を出すけど」
「それはそれでどうかと思うぞ?」
「なんでそれには反応できるの?」
「お前が言っていることがやばいからな」
そう答えると不機嫌になる
「・・・僕のことが嫌いなの?」
デミロードに嫌いなのか聞くと
「・・・・・・嫌いなのかと言われるとな・・・そう言うのはないが・・・」
なんとも言えないとデミロードは今の状況に必死に頭を働かせるのであった
次回21話2月16日18時投稿予定




