19話 2人の関係は先輩と後輩?
「ふざけるな!近づくな!我に何をしようとしている!?」
「ええ〜いいじゃない〜ほら、将来の夫からのアプローチよ?受け取りなさい」
「誰が妻だ貴様。」
「あら?妻なんて言っていないわよ?」
「・・・・・・」
ギロリと睨むデミロードに対して顔を赤くして抱きついているメイル
おいおい、周りに人がいるんぞ
何をしているんだお前ら
「・・・どう思う?聖女」
気絶している王子を膝枕で寝かしつけている聖女に聞く
「私に言われてもね・・・この中で1番若いのは貴方ね」
どう言うこと?
「まあ、この中で1番若く亡くなったのは俺だけどそんな変わらんだろ。17、18、19、20で変わることあるか?まあ、世代が近いからいいんだけど」
年齢がかなり差があってもおかしくないがこの場にいるのは元高校生と元大学生ってところ
若いうちに死んでしまったからな俺も
「そうね〜姉ちゃんは私か〜私以外が若くして亡くなるなんてね」
あんたも同じだろ
親戚のおばちゃんみたいなノリで言われても
「あんたも同じだろ」
「ん?そう?嬉しいことを言うわね。ゼロも同じようなことを言うわ」
王子も若いだろとツッコミしたんだ・・・
20歳って若いだろとは同じ気持ちなんだな
いや、20歳って若いだろ
人生100年時代なんだぜ?
20歳なんてまだまだ子供って言われるぞ
間違いなくな
「だから抱きつくな!変態剣聖!」
「いや〜!僕の嫁にするのだから甘えなさい!」
「なんでだよぉぉぉ!!ふざけるなぁぁぁ!!誰が嫁じゃぁぁぁ!!お前は何を言っているんだ!我は嫁じゃねえよ!男を嫁にするのは男だろ!」
それでいいのかよ
なんかツッコミどころ満載なんだが
「何?僕は前世男だよ?」
「そうか、悪いが我は男は趣味じゃない。断ろう」
「今世は女子だから大丈夫でしょ!ほらほら」
「ふざけるな!!変態剣聖!いい加減にしろ!ちょっと待て!何を・・・」
あっ・・・(察し)
「僕のモノにするためには・・・ね・・・」
「断ると言っているだろ。執着心の強い女は嫌われるぞ」
「それは関係ないね。それじゃ・・・いただきます」
ペロリとデミロードの首を舐める
冷や汗をかいて顔を青くするデミロード
「・・・部外者の俺達は邪魔なようだし、行きましょう聖女様」
「ええ、そうしましょう」
俺達はその場から去った
この後、何が起きたのかは俺たちは知らん
「なんで僕のことをそんなに嫌っているの?」
服を脱ごうとしているメイルを必死に止めているデミロードに対して言う
「・・・突然そんなことをされたら我でも関係なく、そうなるだろ?逆に言わせるが何故我に構う?我と貴様は何か接点でもあったか?」
デミロードも質問する
デミロードは先ほどから自分に構うメイルに聞きたかったのだ
一目惚れなのかは彼は分からない
「やれやれ・・・僕の名前を聞いたことがないのかい?デミロードーいや、雄星くん」
荒風音也
名前に聞き覚えがあるのかと言われると彼にはなかった
全く持って会ったことがあるような人物ではない
と思っていたが・・・
「・・・高校の先輩だったか?」
荒風音也という者が高校の先輩だったと言う記憶はあった
だが・・・記憶している限り・・・
(荒風音也・・・確か女性じゃなかったか?女性の顔立ちに髪は長い・・・いや、制服が男性用だったからそれは・・・・・・関係ないか)
女性が制服をスカートではなく、ズボンであってもおかしくはない
同世代にそう言う人が多くいるからだ
彼が記憶している限りのことであるが・・・
「・・・先輩くらいしか思い出せないな」
そのくらいしかない
話したことがある記憶すらないのだ
流石に前世を含めた16年以上前の話だ
先輩との話なんて全然覚えてなかった
「そのくらいしか思い出せないか〜まあ、僕の見た目は女性寄りだったからね。母に似ている顔立ちだし」
母親に似ていたからかとデミロードはなるほどと顔立ちが母親に似ていると言われて納得する
髪を伸ばしたのはそれが原因なんだろうと
原因というより、本人は嫌ってはいないようには見えていたがそんくらい
当時は部活に熱心・・・でもなく、強制的に部活をするようにされている高校だったので運動部に入ろうも数ヶ月で辞めた
数ヶ月で辞めた後は部活には入らなかったが先生達があまりにもうるさかったというか部活に入ることを強制されたので2年の1学期の終業式には部活に入った
文化部だったがそれはいい
目の前にいる者は部活はなんだったのか忘れたが同じ部活だったわけではない
話したことがないのだから無理もない
さっきから言うが彼はメイルの前世と関わりを持つようなことをしていない
一方的なのか
あるいは自覚していないところで何かをしたのか
「へえ〜それが?」
「酷くない?」
「酷いも何も、我には記憶がない。ただそれだけだ、高校・・・中学も同じだったかもしれないが貴様との交流には全くもって記憶がないのは事実。まあ、我が何かをしたのなら教えて欲しいが・・・」
何をしたのか自分には分からない
だからこそ、聞いているのだ
デミロードの言葉にメイルは反応する
「中学生の頃に告白したのに・・・」
驚愕な事実を彼女?彼?は言った
「・・・・・・は?」
デミロードはその言葉に驚きを隠さなかった
次回 2月16日12時投稿予定